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メダリストが魅せる"ガッツポーズ" 「五輪メダル」よもやま話(その2):研究員の眼

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前回: 「銀メダル」では、ダメですか? -「五輪メダル」よもやま話(その1)

リオデジャネイロオリンピックが8月22日(日本時間)に閉幕した。日本は史上最多となる41個のメダル(金12、銀8、銅21)を獲得した。

柔道も過去最多12個(金3、銀1、銅8)を獲得、ロンドン大会の男子の「金メダルゼロ」の雪辱を果たした。2週間にわたり日本列島はメダルラッシュに沸き、多くの人がメダリストたちと共に歓喜に酔いしれ、2020年東京五輪への期待は大きく膨らんだ。

選手にとってメダルは、長い競技生活における大変な努力と練習が結実した成果だ。

メダルを獲得した瞬間に全身に溢れる歓びが「雄叫び」となり、腕を高く突き上げたり、握りこぶしを引き寄せたり、高く飛び跳ねたり、天を仰いで床に倒れ込んだりと、さまざまなガッツポーズとなって表現される。

テレビが伝える歓喜の瞬間の映像は、日本で観戦するわれわれに計り知れない感動を与えてくれた。

試合後のガッツポーズを巡ってはさまざまな意見がある。米国メジャーリーグでは、ホームランを打ったときの過大なガッツポーズはとらないという不文律がある。

日本でも、特に柔道や剣道のような対人競技では、「敗者への配慮」が重要だと考えられ、全日本柔道連盟は試合終了後のガッツポーズを控えるよう指導しているという。

リオ大会柔道では、勝利の瞬間に派手なガッツポーズをしながら畳の上を駆け回る選手がいた一方、男子73キロ級の金メダリスト大野将平選手は、優勝を決めた後も畳から降りるまで歓びの表情を見せることはなかった。

『対戦相手に敬意を払う』という自らの競技スタイルへのこだわりだ。試合後のインタビューでも、『柔道という競技の素晴らしさ、強さ、美しさを伝えられた』と語っている。

柔道は『礼に始まり礼に終わる』とよく言われる。今大会の男子100キロ超級1回戦で、エジプト選手がイスラエル選手との試合後の握手を拒否したことが、フェアプレイ精神に反するとされて帰国処分を科された。

オリンピックの商業主義化が進み、『勝って、メダルを取ればよい』とする風潮も垣間見られるなかで、スポーツのフェアプレイ精神の原点に回帰することはきわめて重要だ。

メダリストたちのガッツポーズは、選手たちの長く苦しい競技生活のすべてが集約されたものだ。だからこそ多くの人の魂を揺さぶり、大きな感動をもたらす。

その表現方法は選手一人ひとり異なり、それがフェアプレイ精神に反したり、観客に対して不快感を与えない限り、どんなパフォーマンスも素晴らしい。

2020年の東京オリンピックでは、「柔道」というお家芸を持つ開催国らしいガッツポーズも期待したい。4年後にメダリストたちが魅せる"ガッツポーズ"が、今から楽しみになる。


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(2016年8月24日「研究員の眼」より転載)
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社会研究部 主任研究員
土堤内 昭雄