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国際大学(IUJ)への公開書簡:構内であったとされる性暴力とその対応について

2016年08月01日 17時38分 JST | 更新 2017年08月01日 18時12分 JST

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By 英語版ウィキペディアWsjさん - Transferred from en.wikipedia to Commons by Chinneeb., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3703847

序文

7月16日朝日新聞の電子版と新潟版に掲載された記事によると、昨年12月、新潟県にある国際大学(IUJ)構内で男子学生が女子学生の寮室に侵入しました。この記事は、大学当局の講じた措置に問題があったことを示しています。特に注目すべきは、被ったとされる性暴力の責任を被害者に転嫁し、即退学処分をちらつかせて学生に沈黙を強いた、とも解釈できる行動です。

この件に関し、IUJは二度プレスリリースを出しました(こちらこちら)。しかし、どちらもネット上へリークされた情報と比べると具体性に欠け、事実解明には役立ちません。今までのところ、大学側の説明はすでに述べた疑問を深めるばかりか、警察関与の回避を図った、という新たな疑いを生んでいます。

2005年から2015年にかけて、私はIUJで国際法の客員教授を務めました。慣れ親しんだ大学がこのようなスキャンダルに見舞われるのは、本当に辛いことです。これまで、この問題に関するブログをハフィントンポスト日本版へ一本、US版へ二本(こちらこちら)投稿し、対策の改善を訴えてきました。しかし、キャンパス内で起こる性暴力は、国際大学に限った問題ではありません。認識を広め、経験を共有し、有効な解決策を探るには、書簡をハフィントンポストにて公開する他ない、と思うにいたりました。

私は、IUJがこの公開書簡へ誠意をもって対応し、情報を公開して社会的な説明責任を果たすことを求めます。(この書簡は英語版もあります。)IUJがこの疑惑へ適切に対処することは、性暴力へのゼロトレランスを徹底し、学生の尊厳を重んじ、大学運営の公正化を図る上で大切な一歩です。それはまた、IUJが名声を維持し、本当の意味で国際的な水準を保つきっかけにもなる、と私は考えます。

公開書簡

国際大学学長 加瀬公夫教授

国際大学副学長 ジェイ・ラジャセケラ教授

国際大学国際経営学研究科長 ウェンカイ・リー教授

昨年キャンパス内で性暴力が起こったとされる事案に対して国際大学(IUJ)が講じた措置について

加瀬先生、ラジャセケラ先生、リー先生、

表題の件、特にIUJと警察の関係、また懲戒処分公表前後の出来事を中心に複数の疑問点がございます。つきましては、ここに公開書簡の形をとって質問させていただきます。

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警察との関係

2016年7月20日、IUJはプレスリリースをホームページに掲載しました。この中に、 IUJ・警察間の「連携」に関連する次のような記述が見られます。

12月19日午前4頃、男子学生Zが女子留学生Aの居室に侵入する事案が生じた。本学としては、... 警察との相談及び関係者と連携しつつ、同様の事案の再発防止及び関係者に対する懲戒に関する措置を講じた。

警察と相談するとともに関係機関と連携し、[事案に関する事実関係を明らかにするとともに、講じるべき措置についての]検討と併行して、被害者学生Aを保護するため学生Zを学生寮から一時退去させるなどの措置を講じた。

本学として、本件は刑事事件に発展する可能性が否定されないものと認識しているところであるが、本件に関して被害者側から被害届が提出されたという事実は承知していない。

まず、ラジャセケラ先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文AとAAの二つをご覧ください。

囲み文A

It is always the right of students to consult the police. IUJ is not equipped or trained for police investigative work, and can only address information the investigation committee can collect, which is primarily in interview style. We agree that contacting the police in cases like this can be a very good idea if the victim is willing to do so.

We are not sure why some of you feel there is a cover up ... The police were consulted by IUJ 7 times as well.

• How IUJ consulted with police

o On 4th January IUJ's secretary general talked to the police about the incident; the police explained that no action could be taken by them unless the alleged victim came to the police first for consultation, based on which the police would decide how to proceed;
o On 7th January IUJ's Student Service offered to help the girl to go to the police to seek out advice on safety, to which she responded by email that she would not go;
o Altogether, IUJ informed the police to keep them posted of the situation 7 times (Jan 4, 5, 7, 8, 13, 14 and 16);
o After the IUJ decisions were made and announced (Jan. 6), and the various parties informed, additional evidence allegedly emerged (Jan. 13) and the victim was encourage to seek out advice from the police noting that IUJ could not conduct any forensics based investigation. The victim and her family decided not to do that but to consult with their embassy.

囲み文AA

被害者は警察と協議する権利をいつでも持っています。IUJは警察のような捜査をする訓練も受けていなければ設備もなく、もっぱら面接を通じて調査委員会が収集する情報しか扱うことはできません。このような案件では、被害者にその意思があれば警察と接触をとるのが大変好ましい時もあることには賛成です。

私たちには、なぜあなたたちの中に隠蔽を疑う人がいるのかわかりません。... 警察はIUJから7回協議を受けました。

• IUJが警察とどのように協議したか

o 1月4日、IUJ事務局長は本件について警察に話をしました。警察からは、まず被害者が協議のために警察へ赴き、警察がその後の対応を決定してからでなければ何もできない、という説明がありました。
o 1月7日、IUJ学生課は警察から安全についてアドバイスを受けるよう少女へ助力を申し出ましたが、彼女はメールで行かないと返答しました。
o 警察へは、IUJは事案の状況について全部で7回報告しました(1月4日、5日、7日、8日、13日、14日及び16日)。
o IUJの決定が申し渡され(1月6日)関係者へ報告された後、新たな証拠が見つかったとされ(1月13日)、IUJは鑑識を用いた調査ができないことから、被害者が警察よりアドバイスを求めるよう促しました。被害者とその家族は、警察へは通報せず出身国大使館と協議することを決めました。

ラジャセケラ先生、囲み文Aは2016年7月21日、フェイスブックのIUJ関連ページに先生のお名前で掲載されたメッセージの一部と一致することをご確認いただけますか?また、囲み文AAは囲み文Aの和訳として適切であると思われますか?

続いて、加瀬先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文BとBBの二つをご覧ください。

囲み文B

With this we have one more complication, namely the Afghan student versus [REDACTED]. If so, this may become a police issue and we will have to inform the local police before anything happens. If we do so, we have to be prepared that the issue will get out of our hands and become a public affair. All this seems to be becoming a SNAFU.

囲み文BB

アフガニスタン人学生と[匿名]の対立で、揉め事がまた一つ増えました。これでは、警察沙汰になって何をするにもまず地元警察に報告しなければならない、ということになりかねません。もしそんなことになったら、私たちは、この問題が手に負えなくなり明るみに出る覚悟をしなければなりません。とんだ混乱になりつつあります。

加瀬先生、囲み文BBは囲み文Bの和訳として適切であると思われますか?

仮に、2016年1月1日に囲み文Bと内容の似通ったメールがIUJ理事会・調査委員会の一部メンバーへ送られた場合、送信者は警察への連絡を望まなかった、と解釈できそうですか?

また、仮にそのようなメールが送られた場合、送信者は不利な世評への不安から警察の関与を避けることを望んだ、と解釈できそうですか?

引き続き、加瀬先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文CとCCの二つをご覧ください。

囲み文C

Pls be advised, all of you, of the following message.
Reporting to the police and the resultant publication of the issue by the media would certainly affect the flow of scholarships in such a way that the survival of IUJ might be in jeopardy.

囲み文CC

皆さん、次の点に留意してください。
警察への通報とそれに続くこの問題のメディア報道は、間違いなくIUJの存続を脅かすような形で奨学金収入に影響を与えるでしょう。

加瀬先生、囲み文CCは囲み文Cの和訳として適切であると思われますか?

仮に、2016年1月2日に囲み文Cと内容の似通ったメールがIUJ理事会・経営陣の一部メンバーへ送られた場合、送信者は警察への通報とそれに続く報道によって大学の存続が危ぶまれることを危惧した、と解釈できそうですか?

仮に、2016年1月1日と2日に囲み文BとCに似通った内容のメールがIUJ理事会・調査委員会・経営陣の一部メンバーへ送られた場合、メールが明かす警察関与への姿勢は2016年7月20日掲載のプレスリリースやラジャセケラ先生のメッセージが示すものと辻褄が合わない、と解釈できそうですか?

仮に、2016年1月1日と2日にこのようなメールが送られた場合、送信者はむしろ不利な世評と財政危機への不安から警察の関与を避けることを望んだ、と解釈できそうですか?

2016年1月1日と2日、加瀬先生は囲み文BとCに似通った内容のメールをIUJ理事会・調査委員会・経営陣の一部メンバーへ送られましたか?

続いて、リー先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文DとDDの二つをご覧ください。

囲み文D

My opinion:
I think reporting to the police should be the last thing to do. Such news are being sought after eagerly by many Journalists.
[REDACTED] is getting impatient and not fully aware of the consequences after the issue becoming public.
We should tell [REDACTED] and reassure her that, IUJ is 100% safe for her after her return on Jan. 5.

囲み文DD

私の意見:
私は、警察への通報は最後の手段であるべきだと考えます。こうしたニュースは多くのジャーナリストの間で需要が高いのです。
[匿名]はしびれを切らしつつあり、この問題が公になったらどんな結果をもたらすかよく理解していません。
私たちは、[匿名]へ話をし、1月5日に戻った後も彼女にとってIUJは100%安全なところだ、と安心させるべきです。

リー先生、囲み文DDは囲み文Dの和訳として適切であると思われますか?

仮に、2016年1月2日に囲み文Dと内容の似通ったメールがIUJ理事会・経営陣の一部メンバーへ送られた場合、送信者は不利な世評に対する不安から警察の関与を避け被害者が自ら警察へ通報しないよう働きかけることを望んだ、と解釈できそうですか?

2016年1月2日、リー先生は囲み文Dと内容の似通ったメールをIUJ理事会・経営陣の一部メンバーへ送られましたか?

再び、加瀬先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文EとEEの二つをご覧ください。

囲み文E

[REDACTED],
We are feeling dizzy with attacks and counterattacks between you and the Afghan student.
We have been organising an investigating committee; I personally visited and talked to the dorm director to put in place some kind of protection to you; we have been discussing among the faculty members related, etc. My holidays are being lost on this issue.
Now you say we are not taking decision; we cannot, because the issue requires to fill up certain procedure and steps. The professors and staff are on holidays. My intention is to get the committee report by the second week of January after they come back from their holidays.
Reporting to the police would further complicate the issue. The notoriety of the case might damage all of us, you, IUJ, etc. You will have to undergo grilling questioning by the police; we will have to submit a report to them about our dormitory management.

囲み文EE

[匿名],
私たちはあなたとアフガニスタン人学生の間で起こっている攻撃・反撃でめまいがしそうです。
私たちは調査委員会を組織しているところです。私は自ら寮長を訪問し、あなたのために何らかの保護措置をとるよう指示しました。関係教員との間でも協議を重ねています。私はこの問題のために休暇を返上しているのです。
今度は、あなたは私たちが物事を早く解決していないと言いますが、私たちにはできないのです。なぜなら、この件は所定の手続きやステップを踏まなければなりません。教職員は今休暇中です。私は、彼らが戻ってきた後、1月の第2週までには委員会の報告を受け取るつもりです。
警察への通報はこの件をさらに複雑にするでしょう。悪評が立てば、私たち、あなた、IUJその他みんなが損害を被るかもしれません。あなたは警察から厳しく尋問されるでしょう。私たちは寮の管理に関して警察へ報告書を提出しなければならないでしょう。

加瀬先生、囲み文EEは囲み文Eの和訳として適切であると思われますか?

仮に、2016年1月2日に囲み文Eと内容の似通ったメールが被害者とIUJ調査委員会の一部メンバーへ送られた場合、送信者は被害者が自ら警察に通報しないよう積極的に働きかけた、と解釈できそうですか?

引き続き、加瀬先生に伺います。お手数ですが、次の囲み文Gをご覧ください。

囲み文G

来週、被害者の父親が日本へやってくることへの準備として、

1)まず、[匿名]に早急にインドネシア大使館に行き説明してもらう、
2)[匿名]を通じて、警察としてはIUJの判断基準となった事実以上のことは調べるのは難しいだろうというなんらかの言質(?)を貰う、
3)事件の前、後の証人から話を聴く。それには、事件の朝、被害者が友人に対して発言したという件も入れる。(つまり、むしろ楽しんだ云々。)

父親に分かってもらわなければならないのは、

4)性的攻撃の存在は証人もいないし、証拠もないので証明できない、
5)加害者、被害者の行動についての情報、事情徴収はするが、公にすると加害者だけでなく、被害者にも悪い事情があるので、使わなかった、
6)女子学生への防護対策はとっている、寮の改革もする。

仮に、2016年1月2日に囲み文Gと内容の似通ったメールがIUJ理事会・調査委員会・事務局の一部メンバーへ送られた場合、送信者は警察から大学によるもの以上の事実調査をしないという言質の獲得だけでなく、被害者にとって不利な証拠の収集被害者の父親に対し大学はこの案件を性的攻撃として取り扱わない旨の説得も試みた、と解釈できそうですか?

仮に、2016年1月2日に囲み文Eと内容の似通ったメールが被害者とIUJ調査委員会の一部メンバーへ、また仮に、2016年1月2日に囲み文Gと内容の似通ったメールがIUJ理事会・調査委員会・事務局の一部メンバーへそれぞれ送られた場合、メールが明かす警察関与への姿勢は2016年7月20日掲載のプレスリリースやラジャセケラ先生のメッセージが示すものと辻褄が合わない、と解釈できそうですか?

また、そのようなメールはラジャセケラ先生がおっしゃる「このような案件では、被害者にその意思があれば警察と接触をとるのが大変好ましい時もある」という考えとも辻褄が合わない、と解釈できそうですか?

仮に、2016年1月2日にこのようなメールが送られた場合、送信者はむしろ警察関与の回避と被害者の論拠阻害を決意していた、と解釈できそうですか?

2016年1月2