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道路に幾らかかっているか?

2015年01月17日 00時35分 JST | 更新 2015年03月18日 18時12分 JST
Shoji Fujita via Getty Images

1.日本の道路の総延長距離は?

日本の道路は、縦につなげるとどれくらいの長さになるでしょうか?答えは約127万キロメートルです。月と地球の距離が概ね38万キロなので、単純計算すると1往復半出来ます。

もちろん、ここで言う道路は国土交通省が道路法によって把握している道路ですから、幅員4メートル未満で行政から道路して指定のないものや、私道は含みません。よって、細かく積み上げればもっと長い距離になるはずです。

2.道路には幾らかかっているか?

一方、国土交通省の道路局の予算は平成27年度の政府予算案では1兆6,602億円。乱暴な計算ですが、これを総延長距離で割ると1キロメートルあたりのコストが出ます。計算すると13万724円となり、毎年の単位キロ当たりの維持費という見立てが出来ます。もっとも、アクアラインの建設コストは1キロ当たり約712億円、神戸と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は約910億円かかってますので、随分とコスト差はあります。

3.道路特定財源

もう遠い過去の話ですが、平成20年度まで、道路関係の予算はガソリン税や自動車重量税などの税収が、道路以外のものには使えない「道路特定財源」という形で守られて来ました。国と地方合わせて5兆円以上の税収があり、国土交通省の本丸中の本丸の財源でした。当時政権交代の機運高まる中で、この財源に切り込んだのは民主党でした。そして、時の麻生内閣もこの攻勢に押される形で、ついに一般財源化されたのです。それまでは、道路局の国費分だけで2兆円以上の予算を組んでいましたが、一般財源化され他の予算項目との競争になってからは我が世の春というわけにはいかず、現在の水準までスリム化されてきたのです。

4.高速道路

次に、高速道路を全部繋げると何キロメートルになるでしょうか?答えは約9,200キロメートル(平成24年4月末時点)です。全道路に占める割合は1%にも満たないのです。興味深いのは、その高速道路の交通量は全交通量の9%、さらに貨物交通の13%を担っています。大体1日に27,400台が平均で交通しています。

日本の自動車保有台数は、軽自動車も含め約8,080万台ですから、まだまだ高速道路の利用価値はありそうです。ついでに、高速道路の利用料金についても触れておきます。高速道路の料金体系をご存知の方はほとんどいないと思います。これが複雑だということで改善の機運があることはブログで述べましたが、基本的な料金体系は下記の通りです。

内閣府HPより

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je13/h07_fz0306.html

細かくはともかく、大体1キロメートルあたり24.6円払っているという数字が大切です。その上で、内閣府のHPの下にはフランス、イタリア、韓国の例が掲載されていますが、比較すると日本が割高であることがよく分かります。

私の1月16日のブログでも高速道路の料金について触れました。

http://ameblo.jp/fujitanorihiko/entry-11977747950.html

国土交通省は、料金体系を見直してシンプルな形にするとともに、圏央道や外環道などの都心を迂回する路線に政策的に誘導する措置を取ろうとしています。それだけ、高速道路においては料金体系が通行を左右するということが明らかなのです。

5.道路政策と民主党

今や民主党にとっては、高速道路の無料化は失敗だったマニフェストの代表格のような扱いを受けています。この高速道路の無料化を元々提唱したのは元ゴールドマンサックス山崎養世(やまざきやすよ)氏でした。山崎氏が提唱した案をほぼそのまま政策として採用したのです。

今に思えば、政策の決定の仕方が乱暴であったと言わざるを得ません。利害関係者とのすり合わせも充分に行っていなかったため、党内からも異論が出るなど、非常に稚拙な印象を国民に与えてしまいました。マニフェスト項目としては、「料金体系の抜本的な見直し」とすべきであったと思いますが、インパクトを重視して無料と主張したがために、政策の幅が狭くなって追い込まれる形となってしまいました。

それ以来民主党は道路政策についてほとんど触れなくなりました。民主党政権時に発足した社会資本整備審議会の国土幹線道路部会を設け、真摯で建設的な議論もなされており、一定の取組みはしてきました。しかし無料化が失敗に終わってしまったがために、その後何を言ってもアピールにはならず、残念なことにその成果は現政権に帰属してしまっている状況です。

政権をもう一度取るためには、公共事業関係の政策についてもしっかりと発信して行かなければなりません。それは、ただ削減するではなく、批判するでもなく、一方で地域の声の単なる代弁者のような立ち位置でもありません。客観的な根拠や統計を土台とし、道路に限らず、鉄道、船舶、航空とのバランスも考えながらグランドデザインを作って行くべきです。そのためには外部有識者の積極的な関与が必要不可欠ですが、政策をまるごと受け売りするのではなく、吟味し、対話し、独自の政策に高めて行くべきです。