犬山紙子さん「妊娠前よりも洋服を着る喜びに満ちあふれている」Lenet FUN! MY STYLE

大好きな古着やレースの洋服のこと、妊娠中の洋服選びのエピソードやお子さんとの親子コーデのお話など、たっぷりお話しいただきました。

コラムニストの犬山紙子さん。結婚・妊娠・出産を経て、先日出版された著書『私、子ども欲しいかもしれない。妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました』(平凡社)も話題を集めています。今回は、大好きな古着やレースの洋服のこと、妊娠中の洋服選びのエピソードやお子さんとの親子コーデのお話など、たっぷりお話しいただきました。

中島のりゆき

「洋服好き=おしゃれ」じゃないと気づいた

私は本当に洋服が好き。でも「好き」と「おしゃれ」ってイコールじゃない。「なんて美しい服なの」って感動したらとりあえず買っちゃってて、いもくさい感じから抜け出せずにいたんです。でも、最近はさすがにこの服を着た自分を想像して、素敵に見えるかどうかを妄想してから買うことを大事にしていますね。

好きなテイストはレースとアンティーク古着。私は人とあまりかぶりたくないという気持ちが強くて、古着は他の人とはかぶらないからいいんです。旅先でその土地の古着屋さんに行くのもすごく楽しいですね。

赤ちゃん用のビンテージ服も気になる

中島のりゆき

昔、ヨーロッパの1960年代のファッションにどハマりした時期がありました。ビンテージのCourrèges(クレージュ)とかpierre cardin(ピエール・カルダン)の服をヤフオクで安く買えないかと、ネットに張り付いて待っていたこともあるほど。アメリカの古着はもちろんですが、中国のチャイナ服の古着とかもすごい可愛いのがあるし。

日本の1950年代のものもすごく好き。レースのものだと、フランスの1950年代とかもっと古い1920年代のものもいいですね。そのときの自分の気持ちにフィットした古着を買っています。実は、先日子ども用のビンテージ服のサイトを見つけたんです。6カ月の娘のために、赤ちゃん用のレースのワンピースとか爆買いしたりしてます(笑)。

mameはきっと一生好きなブランドだと思う

古着以外だと、mame(マメ)というブランドのレースが好きですね。見た目がすごく美しいんですよ。Tシャツの前の部分が全部レースになっていたりとか、お花のモチーフのレースを使っていたりとか、他とは違うレースづかいだし、色も美しいし、mameでしか出せないレースなんですよね。

そういう繊細な服って、着たときにズカズカ歩くというよりは、しゃんとしていないといけないって思いますよね。でも、mameの服はすごく動きやすい素材だから嬉しい。あと、レースの服って華奢な女性しか似合わないイメージだったんですけど、mameの服はカッティングが美しいから、165センチで肩幅も広い私みたいな"ゴリラ系女子"でもパツパツにならないんですよ。

ゴリラ系女子の美しい部分というか、繊細な部分をふわっと見せてくれる。mameをはじめて着たときに、本当に着心地もいいし見た目も美しいし、スタイルもよく見えるっていう魔法みたいな服だなって、それから毎シーズンを買っています。でも、3年前のmameの服も着ていたい。多分、トレンドとかと関係なく私は一生このテイストが好きなんだろうなって思いますね。

中島のりゆき

妊娠前よりも今のほうが洋服を着る喜びに満ちあふれている

妊娠中はせっかくお腹が出ているので、お腹のカーブが美しく見えるデザインの服を選んでいました。妊婦さんの専用の服は使い勝手もいいんだけど、妊婦の時期しか着られないから、使い捨てみたいな感覚ですよね。だから、自分のこれまで好きだったブランドの中でお腹の曲線が美しく映える服を選んで着たりしましたね。胸元からAラインで広がるシルエットのものや、ボタンでお腹のラインに沿ってキレイに見えるトップスを選んでいました。

でも、妊娠中は、正直ファッションがめちゃくちゃ辛かった。お腹だけ出てあとは細くてキレイな妊婦さんを想像してたけど、私の場合はゴリラがさらにゴリラになったみたいな感じの肉のつきかたをしたので、服をどうやって着たらキレイに見えるかを考えるのがすごく難しかったんですね。本当にフラストレーションがむちゃくちゃ溜まりました。好きな服が着れないってこんなにしんどくてテンション下がるんだっていう発見もありましたね。私にとって好きな服を着ることはびっくりするぐらい生きがいなんです。だから子どもを産み落としてからの私の開放感たるや(笑)。

妊娠する前よりも、今の方が洋服を着る喜びに満ちあふれてて、妊娠中にできなかったことを今はできるっていうのがすごく嬉しい。子どもと自分の洋服のテイストや色味を合わせてリンクコーデをして出かける楽しみに目覚めてしまいました。それを夫のつるちゃん(マンガ家の劔樹人(つるぎみきと)さん)に足が長くなるようにしゃがんで写真を撮ってもらって、それをインスタグラムにアップするのが一番楽しいですね。毎日寝る前に「明日は子どもにあれを着せて、私はあれを着よう」とか想像するくらい、本当にいま楽しいんですよ。

ちなみに、夫は意固地で自分の気に入った服を5枚ぐらい買ってそれをずっと着てるんです。だから保育園の先生とかから「あそこのお父さんいつも同じ服着てる」って思われてると思う。最近夫は赤いポロシャツしか着てなくて、先日ついに保育園の先生に「旦那さんは赤が好きなんですね」って言われちゃいました(笑)。私から見るとそれは素敵なポリシーだと思うけど、こういう感じの夫なので一緒にリンクコーデすることはあまりないですね。

中島のりゆき

家事は嫌いだけど洋服の整理は大好き

タンスやラックの整理を週1回ぐらいするようにしています。自分が今どういう服を持っているかを把握して、服が埋もれないようにしたりとか。洋服を頻繁にチェックするので、クリーニングに出す服やシミ抜きする服を放置しちゃうことはあまりないです。その分、クリーニングのお世話になっているということですけどね。

私、基本的に家事が大っ嫌いなんですけど、自分の洋服の整理だけは本当好き。自分が集めてきた宝を眺める瞬間っていうか、海賊が宝石を見ているみたいな感じなんですよね。洋服の整理をする時間は美しいレースや素材を眺めるうっとりタイムなんで、苦ではなくめっちゃ楽しいひとときなんです。

中島のりゆき