鈴木えみさん「自分のなかに蓄えた引き出しを駆使して、お洋服をつくりたい」Lenet FUN! MY STYLE

「お洋服にはそれぞれの過程での思いがギュっと凝縮しているんです」

女性の憧れの存在として、長年注目を集めてきたモデルの鈴木えみさん。9月からは、ご自身がプロデュースするブランド「Lautashi(ラウタシー)」のコレクションの販売もはじまり、その活躍にいっそう目が離せません。今回は、鈴木さんに、洋服選びのポイントやメイクとファッションとの関係、お洋服づくりのことなど、お話をうかがいました。

洋服選びは人からどう見られるかもポイント

中島のりゆき

お洋服を選ぶうえで大切にしているのは、"ときめき"です。それがないと私はなかなか手に取りません。お洋服って身に付けるものだけど、自分がそれを着て1日過ごすアイテムだし、人からも見られるもの。手で触って素材感も確かめますし、見た目の印象も大切です。10代の頃は、洋服を試着することがめんどくさくて、見た目だけで買ったりしてたんですけど、大人になってからは必ず試着をして自分の体にフィットするかどうか、どういうシルエットになるのかを確かめるようになりましたね。

なかでも手放せない一着は、お母さんから奪い取ったコートです。真っ黒のファーコートで、昔からお母さんが着ていたものなので思い出がありますね。4年前ぐらいに、パリコレを見に行ったとき、あったかい上着を持っていってなくて、その場で借りて借りパクしたままなんですけどね(笑)。

お洋服とメイクのバランスを考える

中島のりゆき

私、すっぴんで出かける日がないんです。コンビニに行くだけでもメイクします。母がいつでも必ずメイクバッチリで、赤いリップを塗ってハイヒールで過ごしているような人だったので、大人の女性=そういう感じっていうのが自分の中に染み付いていて。私も自然とメイクをして出かけるのが当たり前になったんです。

メイクのなかでも大きく印象が変えることができるのは、目もととリップですね。手っ取り早くイメージを変えたいときは、私はリップメイクを変えたりします。例えば、夏はマットすぎる質感の真っ赤のリップを引いちゃうと顔だけ重くなるから、なるべくほんのりジュワッとする赤のグロスにしたりとか。秋冬になって洋服が重くなってくると、マットな質感のリップでもフィットすると思う。

リップにポイントを置くときは目元のメイクはちょっと引きます。例えば下まつげはマスカラ軽めにしてあげるとか。そういう風にメイクのバランスを取るようにしています。アイラインの上げ具合とか、ほんのちょっとしたことで気持ちも見た目も少し変わりますからね。

洋服をつくる過程に思いがこもっている

中島のりゆき

Lautashi(ラウタシー)というブランドを立ち上げたのは、昔からいつかは洋服をつくってみたいなというのがあったから。モデルを始めてもうすぐ20年経つんですけど、そのキャリアのなかでいろんなお洋服を身につけて、いろんな女性像を経験してきたから、自分のなかに蓄えてきた引き出しを駆使して、お洋服をつくりたいと思ったんです。

ラウタシーのお洋服は、毎日快適に身につけていただけるように着心地や機能面も考えてつくっています。コレクションに出ることを目指しているわけではなくて、あくまでも日常着。いつも身につけているものとは少し違うけど、なんかちょっと背伸びして冒険してみたい人にぴったりかも。例えば、緑は自分に似合わないと思っていたけれど、このトーンの緑なら似合うなとか、新しい発見があるようなブランドを目指しています。お洋服を着たときに気持ちに変化をもたらしてくれるようなコレクションにしていきたいですね。

デビューコレクションは、ニットやパンツ、ドレスなどいろいろなアイテムがあるんですけど、個人的に一番思い入れがあるのは、ハンドメイドのニットのカーディガン。実は私自身、カーディガンを個人的に一つも買ったことがなくて、苦手なアイテムだったんです。そんな私でも似合うカーディガンってなんだろうって最初に考えてできたアイテムなんですよ。ショート丈でハンドメイドで、すごくボリューミー。職人さんにつくってもらったカーディガンです。

お洋服をつくる過程ってすごく細かい。生地だけじゃなくて、ファスナーやそのファスナーの周りについているテープの色を決めたりとか、ファスナーの引き手を決めたりとか。お洋服にはそれぞれの過程での思いがギュっと凝縮しているんです。つくりはじめて改めて実感しましたね。

中島のりゆき