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研究の世界で進む女性の活躍 -- しかし依然として格差が存在

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(提供: 国際科学技術財団)3月CRISPR-Cas9システムで、2017年日本国際賞を受賞したエマニュエル・シャルパンティエ教授とジェニファー・ダウドナ博士

科学の黎明期から、研究の世界は男性に支配されてきました。最初は規制によって、その後は文化的圧力によって女性たちは排除され、科学に参入することを禁じられてきました。アカデミー賞にノミネートされた人気映画「ヒドゥン・フィギュアズ」は、ジョン・グレン宇宙飛行士の打ち上げに貢献するため、アフリカ系アメリカ人の女性3人が文化的偏見を克服しながら働くという話に基づいています。

「それは昔の話だ」と言いたいところです。70年代から研究分野において女性が活躍する機会が見られ始めました。今日、カナダの高等教育過程には男性よりも女性の方が多く在籍しています。米国ではSTEM(科学・技術・工学・数学)の分野で学士号を取得する男女の数は均衡しています。

進歩は見られているのです。しかし、こうした教育の機会は、研究職やSTEM分野における平等な雇用にはつながっていません。National Girls Collaborative Projectによると、学位を授与される数は男女同等であるにもかかわらず、多くの米国人女性は卒業してもSTEM分野の職に就くことができません。STEMの分野で修士号や博士号を取得するために進学しながら、卒業できない学生もいます。

女性による研究分野への参加が進まない限り、私たちは女性による発見や彼女たちのリーダーシップの恩恵にあずかる機会を失うことになります。

私たちは、女性も男性も、両者の不平等が起こっている理由を理解し、その原因に立ち向かって声を上げなければなりません。3月には「女性史月間」と銘打って、政策決定者、教育者、研究者がこのギャップを解消する方法を検討しました。

しかし、研究分野におけるジェンダー格差の是正に関しては、個人的な経験や推測に基づく議論になりがちです。ジェンダーギャップを縮めるためには、まず知識のギャップを解決する必要があります。

私たちが最近発表した「世界の研究環境におけるジェンダー」と題した調査では、12カ国と地域の研究コミュニティにおける27の学問分野について、20年間(2015年まで)にわたる研究成果を評価しています。調査は、女性研究者の割合に進歩が見られることを示す一方で、その進歩が段階的で不平等であることも明らかにしています。

オーストラリア、ブラジル、カナダ、デンマーク、EU、フランス、ポルトガル、英国、および米国では、研究者の40%以上を女性が占めていました。残りの国 、つまりチリ、メキシコ、日本 では、女性研究者の割合は40%に達していません。前回(1996-2000年)実施された調査では、女性の数が40%を超えたのはポルトガルだけでした。すべての国で、女性研究者の数は2000年以降、着実に増加しています。

これは励みになる結果です。しかし男女平等に向けて改善が必要なところも、調査結果には示されました。例えば、女性研究者の割合は分野によって異なります。

健康とライフサイエンスの分野で最も多く、一方、物理科学では、複数の分野で女性は研究者全体の25%未満です。特許を出願した女性発明者の割合は、初回の調査と最新の調査を比較すると10%から14%に増加しましたが、それでも調査対象国すべてで女性は男性の割合を下回りました。他にも 、以下の状況が明らかになりました。

  • 論文や記事に関して、研究結果を利用する人は「ジェンダーブラインド」(ジェンダーに対して無差別的)である傾向がある。女性が発表する研究論文は男性より数は少ないですが、それらは同等の割合で引用されたりダウンロードされたりしています。
  • 女性による学術成果は、男性よりも高度に学際的な研究である割合がやや高いすべての国と地域で、 学際的な学術成果の上位10%のうち、女性の占める割合が男性よりもわずかに高くなっています。
  • 一般に、女性は男性よりも国際間での移動が少ない。調査対象国すべてで、女性は男性よりも国際共同研究が少ない傾向が見られました。全体的に国際共同研究が増加する傾向にあっても、 国際共同研究における男女の割合に変化はありませんでした。
  • 産学共同研究に参加する比率は男性よりも女性が低い。産学連携の結果生まれた学術成果の割合は、すべての国で、男性より女性の方がわずかに低くなっています。
  • フェミニズムやジェンダーステレオタイプといったトピックを含むジェンダー研究は、時間とともに新しいトピックも登場し、その規模と複雑さが増している。ジェンダー研究は、米国への集中が軽減されてきており(1996年〜2000年は全ジェンダー研究論文の50%が米国発)、米国とEUの間でより均等になっています(2011〜2015年はそれぞれ3分の1以上)。

STEMにおけるジェンダー格差には様々な要因が寄与していることが多くの調査によって示されています。雇用、オーサーシップ、評価、昇進においては未だに強い偏りがあります。

数学と科学を学ぶ若い女性に対する両親、友人、教師からの態度や、カリキュラムの内容、中等教育での経験などが影響を及ぼして、中等教育の初期には男子と同様の関心を寄せていた若い女性たちをSTEM分野から遠ざけています。

さらに、女性は男性よりもキャリアパスが中断される可能性が高く、産休などの個人的な理由のために学問の道を離れる傾向があります。

また、女性研究者は男性よりも専攻を特定しない傾向があることも示されており、それが男性と比較しての生産性の低さや、昇進の遅れにつながっている可能性もあります 。

これらジェンダー格差の潜在的な要因を取り除き、明確で大きな差異を解決するためには、エビデンスと情報資源を十分に活用しながら、新たな政策を推進する必要があります。

情報に基づくアプローチによってのみ、研究の世界における男女の平等を実現する真のチャンスと、平等な機会の下で期待される発見とイノベーションの発展につながる公平な方法を生み出すことが期待できます。