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「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」を本にしようという無謀な試み〜ソーシャル出版とでも呼んでみる〜

2014年10月06日 16時46分 JST | 更新 2014年12月05日 19時12分 JST

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本にできないかな、と考えはじめたのは2月下旬頃だったと思う。

1月23日に「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」と題したブログを書いて、ハフィントンポストに転載された。

※「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。」の自分のブログの記事

※同じ記事がハフィントンポストに転載されて17万いいね!がついたもの

驚くほどの「いいね!」の数と、たくさんの方々のメールやコメントに肩を押されて取材を進めるうちに、これは意外にも今もっとも大事なテーマのようだと気づいたのだ。

もちろん、ブログを書くだけでもこのテーマを掘り下げていく意義は大いにある。ひとつひとつの記事をたくさんの人に読んでもらえていることを強く感じている。

ただ、数年前に『テレビは生き残れるのか』と題したメディアの今後を考える書籍を出した時、手に取って読める本が持つ効果も実感していた。数千部しか売れなくても、ブログで書いてきた文章を本にまとめることは、自分の主張が実体化して世の中に放たれていく強さを持つ。姿が見えないまま漂っていた存在が、肉体を伴って目の前に出現するのだ。

それに主張を一冊の本に編集することは、自分の脳みそを整理して秩序立てる作業でもある。自分が言いたいことは、頭でモヤモヤ考えているだけでは整理されず、ひとまとまりの文章になることで論に順序立てができ、何を言いたかったのか自分でも明解になる。

よし、本にしよう、出版社を当たろうと決めて、二社、三社と相談にめぐった。・・・だが相談した誰もが「うーん・・・」と腕組みして考え込んでしまう。育児関係の本は難しいんですよね。

言われて書店でそういうコーナーを探すと、確かにまず奥まった場所にある。たどり着くまでにハードルがありそうだ。

そして、具体的なノウハウ本が多い。楽しそうな子育てエッセイとかがたくさん置いてある。そんな中に、子育てについての社会論みたいな内容の本が参戦して売れるのか。そもそも置いてもらえるのか。・・・難しそうだとみなさんおっしゃる。

でも、17万いいね!だぜ。そりゃあ、ネットと書店は違う。スマホで流れてきた記事にひょいっといいね!するのと、書店でお財布から千円札出して本を買う行為との間には、大きな大きな隔たりがある。いいね!とお財布は全然重みが違っている。

それはそうなのだけど、でも17万いいね!には何かがあるんじゃないのか。何か大事な、時代のツボみたいなものを押しちゃったんじゃないか。売れるかどうかの前に、そこを一緒に探ってくれたっていいじゃないか。面白がってくれないものか。そりゃ私はね、コピーライターで、メディアの行く末について本来は書いてきた人間で、自分の子育てはとっくに山場を過ぎたおっさんですとも。それでも誰か、このテーマを一緒に歩いてくれる編集者を探そうと、ついにブログに書いた。3月24日のこの記事の最後に・・・

※【赤ちゃんにやさしい国へ】これは大きな家族であり、ひとつのムラかもしれない〜自主保育・野毛風の子(その2)〜

このシリーズ記事を本にしたいので,興味のある編集者さんはメールください。そんなことを書いてみた。

すぐにメールが来た。ほらほら、言ってみるもんだよな。

「三輪舎の中岡という者です。」

三輪舎って聞いたことないなあ・・・

「この1月から出版社を経営しております」

ん?・・・1月から?・・・起ち上げたばっかりかよ!・・・

会ってみると、中岡祐介は去年(2013年)までTSUTAYAの本部にて店舗のマネジメントをやっていた。だから書籍を売る仕組み、販売現場はよくわかっているようだ。30才そこそこの若者で、出版を通じて社会を変えていきたいと、いまの日本の様々な問題点と相互関係をチャートにしたものを見せて力説する。ちょうど父親になったばかりでもあり、子育てはみんなで解決すべきテーマだ、だからあなたの本を出したいのだと青年の主張を展開。

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基本的に熱い青年が好きなのでグッと来つつも自分のが最初の出版というのは大いに不安だなあ。でもかわいい奥さんと愛らしいお子さんにもお会いしてしまい、別の本が出てから返事をしようと思いつつ取材に連れ回しているうちに、テーマを共有してくれるパートナーがいるっていい!という気持ちになってしまって、なし崩し的に三輪舎で出すことに決めてしまった。

装丁はもちろん、ブログのためにビジュアルを企画するこの手法に一緒に取組んできたBeeStaffCompany上田豪に相談し、部下のアートディレクター関口美樹と二人で取組んでくれることになった。すでに中岡祐介との打ち合わせも二度三度と進めているのでもう後戻りできない。

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ちなみに上田豪も一児の父であり、関口美樹はなんと昨年末に赤ちゃんを生んだばかりのワーキングマザー。このテーマに自分ごととして向き合ってくれる。

そんなこんなで、「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」が書籍となって世に出ます。

発売予定は2014年12月(日にちは未定)!

考えてみると、そもそもこの「クリエイティブビジネス論」というメディアの未来を語ってきたブログが去年(2013年)6月からハフィントンポストに転載されるようになり、ハフポの読者が増えるとともにぼくの記事も多くの人に「いいね!」してもらえるようになった。だったらテーマを広げてみようビジュアルをつけてみようとメディア論を越えて世の中のいろんな問題を取り上げた中にたまたま、ほんとうにたまたま「赤ちゃんにきびしい国」の記事を書いた。それがまた信じられない数の「いいね!」をもらい、若いお母さんたちの熱いメールもたくさん届いた。そんな声に押されるうちに取材を進め、本にしたい人はいないかと呼びかけたらメールをもらった。

すべて、「いいね!」に後押しされて動いてきた。ソーシャルの力がぼくに新しいテーマを与えてくれて、ソーシャルの力が文章を書く原動力となり出版という実を結ぼうとしている。こういうのを、ソーシャル出版とでも呼べばいいのだろうか。もしあなたがぼくの記事を何度か読んでくれていたのなら、ぼくが本を出すのはあなたのおかげだ。

先日の打合せでもそんな話になり、だったらみんなに参加してもらえる本にできるといいね!と盛り上がった。

そこで!

書籍「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」では赤ちゃんを持つみなさんの写真とメッセージを募集します。

あなたの赤ちゃんのいちばんかわいい写真と、「あなたにとって赤ちゃんにやさしい国ってどんな国?」かを簡単な文章にして送ってください。受付は下記リンクの「赤ちゃんにやさしい国へ」のFacebookページにメッセージを送る形でお願いします。

写真はこちらで選んだものを本に載せます。メッセージは随時Facebookページやブログで紹介していきます。

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ということで、ソーシャル出版という試みをやってみます。ジャンル外の書き手の文章を、本を初めて出す出版社が世に送りだす無謀さ。どうなることやら。本にするプロセスも少しずつここで書いていくから、ぜひ応援してください!

赤ちゃんにやさしい国へのFacebookページはこちら↓

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コピーライター/メディアコンサルタント

境 治

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