【注目】女子のための「寝起き男子」はじめました。

自分のためにも、世の中の主婦たちのためにも(笑)、男前の「寝起き」写真を撮り続けたいです

ananなど女性誌をはじめ多くの媒体で引っ張りだこ。

さらに昨年末には写真集『寝起き女子』を刊行するなど、新進気鋭の人気フォトグラファー花盛友里さん

そんな花盛さんが最近「寝起き男子」なるものをスタートさせたんだとか。

「寝起き男子」ってなに? そもそも寝起きの魅力って? 赤裸々に語っていただきました。

寝起きは「人」と「空間」がセットで成立するもの

花盛 そもそも寝起きって「自分のもの」だと思うんです。

心を許した大事な人にしか見せないし、だからこそすごく無防備。

見る側としては「自分だけが見てしまった」という、ちょっとした特別感を味わえるものなんですよね。

少し前に女性たちの中でスッピンを見せるのが流行りましたけど、寝起きはスッピンよりもハードルが高いと思っていて。

例えば仕事に遅れそうな時、スッピンで出社することはあるかもしれないけど、寝起きで出社はないですよね。

寝起きって、「人」だけじゃなくて、その人が「寝起きしている空間」も含まれるものだと思うので、ものすごくパーソナルな部分に入り込んでいる感覚になるんです。

--------「寝起き」が人と空間がセットということは、撮影場所も意識しているんですか?

花盛 はい。基本、被写体のテリトリー内(=自宅)で撮ります。

最近始めた「寝起き男子」はモデルが男前ばかりで、「これ絶対寝起きじゃないでしょ!」って言われるんですけど、正真正銘の寝起き。

本物の寝起きを撮りたいから正確な撮影時間を伝えないし、伝えてもそれよりも早めに家に行くこともあります。

「若い頃のクラブ帰り」を思い出してくれたら

--------いまお話にも出ましたけど、最近インスタグラムで「寝起き男子」をスタートされたそうですが、女子と男子を撮るうえで違いってありますか?

花盛 「寝起き女子」を撮り始めたきっかけって、世の中の男性たちに「女子ってこんなに可愛いんだよ」とか「毎日当たり前に横にいる人(彼女・奥さん)だけど、すごく素敵なんだよ」って気づいて欲しかったから。

でも、「寝起き男子」に関しては「あなたの彼氏や旦那さん、めっちゃかっこいいんだよ!」って思ってほしいというのは全然なくて(笑)。

花盛 むしろ、寝起き男子を見ることで、世の中の女性たちがちょっとでも元気になってもらえればいいなと思って撮っています。

--------女性たちのための「寝起き男子」なんですね。

花盛 そう。「寝起き女子」の場合は、男性側から見て、同棲してたり、長く付き合ってる彼女に対する目線。だけど「寝起き男子」の場合は......「一晩だけの恋」(笑)。

--------なんだかドキッとするワードが出ましたね(笑)

花盛 クラブに行って結構飲んで、朝気がついたら隣にイケメンが寝てる!といったシチュエーション(笑)。

「やばい......いけないことしちゃった......早く帰らなきゃ。でも、この男前をもうちょっとだけ見ていたい」っていう、ワクワクとドキドキと、自己否定が入り混じった女子の揺れ動く感情が感じ取れるんじゃないかな。

私自身一児の母で、クラブ行って......なんてこともうできない。

でも、これを見ることで、女性の中でも特に主婦たちが「昔こういうことあったな〜ふふふ」ってちょっと楽しくなってくれたらいいなと。

花盛 過去を振り返るってことじゃなくて、ある一瞬の記憶を思い出すことで元気になることってあると思っていて。そういう意味で、女性の活力的な存在になってくれたらいいなと思います。

「寝起き男子」には、夜一緒に過ごしたっていう前提が隠れているから、主婦たちにとって「絶対にありえないこと」が写真で見れるんです。加えてものすごくイケメンっていう(笑)。

なかなかできない"擬似体験"が手軽にできるのも魅力かもしれません。

--------モデル選びにもこだわってるんですか?

花盛 はい、男前ばかり揃えてます(笑)。

インスタに写真とショートストーリーを一緒に載せてるんですけど、そのショートストーリーを書いてくれているライターさんと私の独断と偏見。

でも、私たちが好きな顔とか、塩顔イケメンとかソース系とか関係なく、一般的に男前といわれる人たちを選んでいますね。

寝起き男子を撮ることで、保守的な自分から抜け出せる

--------これからも寝起き男子を撮っていかれるんですか?

花盛 自分の子供が1歳になったんですけど、子育てにおいては「平穏」が一番なのは間違いなくて。

でも、ふとクリエイションをしている身としては、保守的になっている自分に不安になることもあるんです。

もちろん子育てから吸収することもたくさんあるけど、昔のように次のステップを踏めているのかな? とよく思う。

花盛 この「寝起き男子」を撮っている瞬間って、保守的な部分から少し抜け出せる感じがするんです。

自分も写真を撮ることで、いまの自分じゃできない"昔"を疑似体験してる。そういった感覚を持つことって大事だなって改めて思っています。

だから自分のためにも、世の中の主婦たちのためにも(笑)、男前の「寝起き」写真を撮り続けたいですね。

Instagram「寝起き男子」はじめました。

男子が自分の部屋で迎えるいつもの朝。写真家・花盛友里がリアルな寝起きの男子を撮影。写真に合わせてライターが書き下ろしたストーリーも掲載。毎月第2.4週の月・水・金更新です。

注目記事