穏やかで幸せそう。そんなシングルの生きかたって...

「多くの人は、自分にとっての“本当の幸せ”を知らない。だから孤独をおそれて、足りない何かを埋めるために、付き合う相手を次々と変えている」

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「鏡をあげるから、自分を見てごらん。そしてそこに映った人を覚えておきなさい」

ペルシアの詩人・ルーミー

この間、起業家たちのランチ会に参加したときのこと。ある人に「でも、なぜあなたはシングルなの? あなたは素敵だし、なんでこれまで男の人たちはあなたを放っておいたのかしら」と聞かれたんです。

最初は、少しうっとうしいと感じました。しかし途中で気がついたんです。この質問をしている女性は、いわゆるバツ4で、5人目の結婚相手を血眼になって探しているところでした。彼女はつまり、一緒になるべき人と出会うまで待つことができなかったのです。

まだ心の準備ができてないから、という私の短い返答に、彼女は納得いかったようで、さらに続けました。「お付き合いしたくないの? 誰か紹介してあげないといけないわ」

彼女のこの発言は、誰でもいいから付き合ったほうが、相手がいないよりはマシ、という意味でした。たしかにパートナーがいるのは素敵なことだけれど、私はお互いに満たされ、一緒に育んでいける関係でなければならないと思います。

私は、妥協したり、意味がないのにただ誰かと一緒にいたりすることに興味はありません。ミスター・ライトナウ(今すぐ手に入る手軽な恋の相手)ではなく、ミスター・ライト(本当の恋の相手)に出会うまで、待とうと思います。どれだけ長い月日がかかろうとも。

女性にとって「シングル」というステータスが、ネガティブな烙印を意味することに疑問を持っていました。今この時代なのに。幸せになるために、本当に誰かと一緒にならなければいけないのでしょうか?

私が感じるのは、多くの人は、自分にとっての"本当の幸せ"を知らない。だから孤独をおそれて、足りない何かを埋めるために、付き合う相手を次々と変えている、ということです。

でも、まずは自分自身と、きちんと付き合ってみるのはどうでしょう? 自分らしくいられて楽しいときこそ、誰かと心から意味のある付き合いができるのでしょう。

世界的にみれば離婚率は上がっており、パートナーがいない期間がある人も多いでしょう。孤独を感じて生きるのも、ひとりを楽しむのも、私たち次第。どう捉えるかは個人の自由ですが、"慣れ合い"という抜け出せない落とし穴に落ちてしまう可能性もあります。

孤独は破壊的なものですが、ひとりを楽しむことは生産的な時間だと思います。

孤独を感じると、自分自身を惨めだと思ってしまう。逆に、ひとりでいることに夢中になれば、大自然を感じたり、運動したり、辺りを探検してみたり、色んな人に会ってみたり、クリエイティブになり、自分をより深く知ることに繋がり、自分の指針を見つけることができるのではないでしょうか。

きっと私たちは、一度ひとりになって考えないと、自分の考えや感情、自分が真に欲しているものを、すべて自覚することはできないでしょう。シングルでいることは、誰かと付き合おうとしてうまく行かなかったり、お互い与え合う関係性を築けなかったりした人にとって、素晴らしい体験だと思います。自分の心の奥で抱えているものを見つけ出し、どんな付き合いがしたいのかを、はっきりするまで見つめることができるのですから。

ひとりでいることは、長い目で見ると、私たちを、より思慮深く、思いやりに溢れ、幸せにしてくれるんだと思います。時間はかかっても、私たちを人として成熟させるために必要なプロセスです。自分を好きになっていけば、自分を満たしてくれる誰かを探す必要はなくなります。

多くの人にとって、シングルでいる期間は、ただ彼氏・彼女が途切れた期間にすぎず、早く次の何かが起こらないかと待ち続けるもの。ただ願って待っているのではなく、もっと今の人生を、この瞬間を、次のように楽しんだ方がいい――。

――毎日数分沈黙してみよう。

自分に自分をさらけ出してみよう。最後に何にもしないで30分も過ごしたのはいつ? 試してみて。少し居心地が悪いかもしれないけれど。最初はむしろ苦痛かもしれないけど。不安や過去の辛い恋愛の記憶が蘇ってくるかもしれない。これらの感情と向き合い、深呼吸。自分の感情を自覚し、それらをあらてめて実感し、自分の中で消化しましょう。

――外に出て人に会おう。

ひとりでいると気が滅入るときや、孤独に感じてしまうときもあります。人と繋がることで健全な心の状態を保つことができます。

友だちと遊びに行ったり、映画を観に行ったり、カフェで読書をしてみたり、ダンスの教室に参加してみたり、博物館に行ってみたり、趣味のオフ会などに参加してみるのもいい。コミュニケーション能力や聞く力を磨くいい機会になるでしょう。ネガティブなことから気をそらし、外の世界で、自分のスケジュールを好きなことでいっぱいにしよう。

――自分を大切に。

自分を大切にすることを学び、自分を育み、自分の良さを改めて認識しましょう。エステに行ってみたり、自分にご褒美ギフトやお花を贈ってみたりしよう。自然の中で散歩やハイキングに行ってみるのもいい。自尊心を育て、健全なセルフ・イメージを育み、自己愛を高めることをしてみましょう。

――人に何かしてあげよう。

興味がある分野でボランティアをしてみましょう。同じ志を持つ人たちや、似たような価値観、興味がある人たちの周りに身を置いてみよう。必要とされ、世の中に変化を起こせると感じることは心の充足に繋がります。自分の都合だけで考えることをやめて、他の人のために何ができるか考えよう。それが孤独の特効薬になり、自己価値を育むことに繋がるから。

.........

そして何よりも、人生を愛そう。今は、自分と真剣に付き合ってみよう。シングル・ライフを楽しんで、今この瞬間を生きてみよう。

自分の心に向き合い、過去を受け入れ、自分を癒やす絶好の機会です。自分はひとりではないのだと感じ、心に余裕ができれば、自分と似たような境地にいる人たちがきっとあなたと繋がりたいと思うはず。自分は特別な存在なんだと心から思えたときに、あなたが待ち続けてきたその人に出会えると信じてみましょう。それって、とても幸せじゃないかしら!

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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