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ガザ、地球上で最も悲劇的な場所

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QUEEN RANIA OF JORDAN
JOEL SAGET via Getty Images
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ディストピア[dystopia]【名詞】人々が公平に扱われないため、不幸で、常に何かにおびえている想像上の場所。非人道的な扱いを受ける不幸な未来。人類の悲劇と卑劣さと圧迫、病気や人口過密が描き出される悪夢の世界。

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ディストピアの社会は概して、「ハンガー・ゲーム」や「ダイバージェント」のように、小説の場面として描かれる。そこでは、正義と自由が抑圧されたゆがんだ世界を垣間見ることが出来る。そこでは奪うことが生きる道であり、命の大切さなどはみじんも顧みられない。これらの小説で描かれるのは、忍耐の極限に達した人々の社会だ。そしてしばしば、耐えられなければ殺される。

だが、これはただのフィクションじゃないかと言う人もいるかもしれない。本を読み終われば、ディストピアは終わる。

違う。

最も胸が締め付けられる現代のディストピアの物語は、フィクションなどではない。現実の場所に、現実の人々が生きている。

それはガザだ。地球上で最も悲劇的な場所だ。

そこに住む人々の世界は、貧困、暴力、偏見、脅し、餓えとの戦いだ。保健衛生や移動の自由は制限され、投獄され、雇用は絶対的に不足し、人々は常に監視され、基本的な生存権は奪われた状態で、人々に希望はなく、教育は行き届かず、孤立させられ、人権は無視され、愛する人を失う苦しみが支配する。ガザに住む180万人以上の人々は、毎日、これらの全てと戦っている。

大部分は見えているにも関わらず、国際社会は無関心だ。

女性、子ども、乳児、老人。障害のある人々。幼い子ども。みな、これらすべての不公平と毎日戦っている。イスラエルの砲撃の下で、この8年間、彼らは存在していた。「生きていた」のではない。

イスラエルの監獄にとらわれている17歳のパレスチナ人の少年は、ガザの住民が耐えてきた日々の悲しみを表現した。

「それはまるで、地面に落ちた自分自身の影になったようだ。逃れることはできない。自分自身がそこに横たわっているのは見えるけど、影に命を吹き込むことはできない」

あるのはただ「緩やかな死」だ。

来る日も来る日も続く、息の詰まるような砲撃と猛攻の中で暮らしたことがなければ、ガザの人々が耐え忍んでいる絶望を理解することはできないだろう。忘れてはならない。ガザの住民の70%は難民なのだ。

ガザの苦しみを正しく伝えるために、私は言葉だけで「望む」ことはしない。私が提供するのは、ひたすらそこに存在するガザの日常の光景だ。

想像してほしい。わずか南北25マイル、幅3~7マイルの不毛な地に閉じ込められた状態を。

想像してほしい。あなたの子どもが救急医療を必要としているのに、ガザでは応急処置できず、来る日も来る日も、あなたの子どもは国境の検問所で、いつ必要な治療を受けるために通過を許されるか分からずに待っている日々を。

想像してほしい。子どもを育てるのに水は不足していて、下水は漏れていて、電気は1日の半分しか来ない生活を。家族が生きていくために、国連難民救済機関(UNRWA)の食糧援助に頼らなければならない生活を。

そして今、想像してほしい。毎日、爆撃にさらされているガザの人々も。

この2週間で殺害された人々の4分の1以上、161人が子どもだ。100人以上が障害を負ったり、孤児になったりした。1万以上の家族が散り散りになり、家を失った。

想像してほしい。家族で夕食を囲んでいる時に、自宅が爆撃の標的になり、避難するのにわずかな時間しか残されていない状況を。ミサイルはあなたの家を完全に破壊する。あなたのかけがえのない祖父の写真は、失われた。あなたの子どもが幼い頃に描いた絵は、焼けてしまった。身分証明書もどこへやら。あなたの個人史は消された。

あるいはこんな状況を想像してほしい。医薬品が尽き、さび付いた医療器具しかない病院で、命を救おうとしている状況を。あなたの靴は血で床に張り付いている。そして病院が爆撃される。
ガザはトラウマの状態にある。

ガザの人々が望んでいるのは、私たち一人一人が望んでいることだ。安全で尊厳ある普通の人生を生きる機会、そして子どもたちが育ち、夢見て、可能性を最大限に生かし、未来を築く機会だ。ガザの人々は、そうする権利がなければならない。

まず、停戦が不可欠だ。しかしこれは唯一の解決法ではない。地獄のような現状維持、生きるため戦う日々へと後戻りすることは許されない。続いて、影に命を取り戻すための国際的な努力が早急になされなければならない。境界線の往来は自由化され、権利は保障され、自由は当然のこととなり、インフラは修復され、通商は回復し、学校が建てられ、病院は更新されなければならない。恐怖は癒やされ、希望が花開かねばならない。

しかし、国際社会が英知を結集しないことには不可能だ。ガザの人々の尊厳ある生活を強く求めなければならない。私たち一人一人にできることがある。擁護してほしい。気づいてほしい。暴力を排除してほしい。UNRWAに寄付してほしい。

これらの理不尽に見て見ぬふりをすることで、世界は「ハンガー・ゲーム」で、競技場でピーナツをかじって悲鳴を上げながら、新たな挑戦者と死者を眺めている観客以下に墜ちてしまう。

醜い現代版ディストピアができあがろうとしているのに、尻込みして傍観を決め込んでいていいのか? それとも我々共通の人間らしさで団結し、ガザの人々を救うのか?

ガザの人々を救うことで、私たちは、自分自身を救うのだ。

English

ハンガー・ゲーム/スーザン・コリンズの小説。文明が崩壊した都市で12の地区から選ばれた少年少女が最後の一人まで殺し合うサバイバル・ゲームを行う。

ダイバージェント/ベロニカ・ロスの小説。世界は"無欲""高潔""博学""平和""勇敢"という5つの派閥に分かれるが、どこにも属さない「異端者」と診断された主人公が過酷なサバイバルゲームに挑む

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