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リモートワークで夢を実現!パートナーとオンラインショップで起業

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オリジナルの和装髪飾りを販売するオンラインショップ「マリエフルリール」を立ち上げた谷口さん(写真左)と梅澤さん(写真右)は、元々、同じ大学に通う友人同士でした。現在はオフィスを持たずに、それぞれ東京と埼玉の自宅で作業をしながらショップを共同運営しています。リモートツールをうまく活用すれば「まったく距離を感じない」と語る二人に、リモートワークでオンラインショップを運営するメリットや、友人とビジネスパートナーとしてうまくやっていくコツをうかがいました。

谷口裕理(Yuri Taniguchi)
「マリエフルリール」の企画・運営・デザイナー。
日本大学芸術学部卒業後、広告代理店のデザイン・製作に携わる。祖母の影響で着物に興味をもち、着付けの勉強を始める。日本の伝統工芸地をめぐり、着物の歴史や仕立ての技術に魅了される。

梅澤杏奈(Anna Umezawa)
「マリエフルリール」の企画・運営・デザイナー。
日本大学芸術学部卒業後、大手アパレル小売業で店長を務める。カラーコーディネーターの資格を保有。日本古来の和テイストとフレンチシックをミックスした個性的なアクセサリーを考案。

マリエフルリール オンラインショップ:http://marieefleurir.sakura.ne.jp/html/

ブログ:http://ameblo.jp/mariee-fleurir/


きっかけは山登り。目指す頂上が同じだったから二人で続けてこられた


―二人でマリエフルリールを立ち上げた経緯をお聞かせください。在学中から一緒になにかやろうという構想をもっていたのでしょうか?

谷口さん(以下敬称略): いえ、まったく。実は、大学生の頃は特別仲が良かったわけではないんです。でも、学内で一緒にイベントをやることがあって、物事に対して前向きでアクティブなところが自分と似ているなと感じていました。

梅澤さんは学生の頃からアルバイト先で「優秀な販売員」として表彰されたり、学内のイベントではみんなを統率したりと一目置かれる存在でした。今から思うとその頃からビジネスパートナーとして意識していましたね。

梅澤さん(以下敬称略): え! それは初耳(笑)。

谷口: なにか一緒にできたらいいなとは思っていたけど、在学中にお店を持つことまでは考えていませんでした。私はマスコミを専攻していたので、卒業後はテレビ制作の仕事に就きました。

梅澤: 私は洋服に興味があったので、いつかファッション関係のお店を持ちたいと思っていました。卒業後は大手アパレルに入社しましたが、若手で商品作りに関わるのは難しいと早い段階で気づいてしまって。30歳までに開業したかったので時間を無駄にしたくなくて退職しました。

―卒業後に別々の道を歩んだお二人が、どのような経緯で一緒にオンラインショップを立ち上げることになったのでしょうか?

梅澤:大学卒業後に、友人や知人と色々な企画を立ち上げましたが、あまりうまくいきませんでした。一番の理由は"友達感"が抜けなかったことだと思います。相手に熱い想いをぶつけて、ついきつい口調になってしまい引かれることも度々ありました。自分と相手との温度差を感じ、誰かと一緒にビジネスをやるのは無理かなと諦めていた時に、谷口さんと再会して少しずつ会う機会が増えました。

谷口: ある日、梅澤さんと二人で山登りに行ったんです。登山ってほかにやることがないから、「一緒になにかやれたらいいね」と最初は軽い感じで山道を歩きながらずっと話しているうちに二人とも熱い思いがこみ上げてきて(笑)。下山する頃にはすでに「二人でお店でもやってみる?」という話になっていました。

―急な展開ですね! それほど親密ではなかったのにいきなりビジネスパートナーとなったわけですが、二人でなら成功できるという確信があったのでしょうか?

谷口:最初に、ハンドメイド専門のフリーマーケットに一緒に出店したんです。そこで何か違うなと。私たちがやりたいことは、フリーマーケットで販売するような趣味の延長ではないと気づきました。そこで、自分が作ったものが売れたら嬉しいくらいの気持ちで満足していたら、趣味で終わっていたと思います。

梅澤:私たちはモノ作りも好きだけど、もっと本格的にビジネスがやりたいんだと気づいて。そこから意識が変わってショップオープンに向けてエンジンがかかりました。二人ともビジネスとして成功したいという強い気持ちが根底にあったし、「自分たちが目指す目標地点にたどり着くにはどうしたらよいか」というスタンスで考えていたので、二人でならやっていけるという確信がもてました。

リモートワークだからこそ築けたビジネスパートナーとしての信頼関係


マリエフルリール谷口さん梅澤さん

―ショップを始めた当初はお互い別の仕事があり、梅澤さんはお子さんが生まれたばかりだったとうかがいました。そんな状況でショップを立ち上げて軌道に乗せるためにどのようにコミュニケーションをとってきたのでしょうか?

谷口:Googleの機能をかなり活用しています。Gmailやチャット、Googleドライブなどで、ショップ作りの参考になりそうな情報や、考えていることなど些細なことでもマメに情報交換を続けてきました。思い返してみると、気が遠くなるくらい莫大な時間を「リモートミーティング」に費やしてきています。

梅澤:お互いのスケジュールはGoogleカレンダーで、作業の進行状況はタスク管理ツールで共有しています。Todoistで商品の出荷状況なども確認し合ったり、相手にお願いしたいこともカレンダーの通知機能で伝えたりしています。スケジュールの調整と同時に、打ち合わせ内容やタスクを伝えられるので、いちいちメールや電話で確認せずに済みとても便利です。

―リモートで連絡を取り合っていて、距離感や不便さを感じたことはありませんか?

梅澤:毎日オンラインで連絡を取り合っているので、会っていないという感覚がないです。お互い忙しいときは2〜3週間会わないこともありますが、それでも一緒に住んでいるんじゃないかと思うくらい距離感を感じないですね。お互いの事情でやむを得ずリモートでやり始めたという経緯はありますが、私たちは二人で一緒に作業したいときもあれば、今日は一人でやりたいということもある。意識したことはないけれど、リモートだから円滑に協業できているのかもしれませんね。

―お二人の役割分担はありますか?

谷口:結婚式や卒業式といった人生の晴れ舞台で使ってもらえる商品を販売しているので、オーダーメイドの注文もたくさん受けます。お客様にデザインを提案するときは、ラフ案ではなく、実物の画像をお送りしてより具体的なイメージを伝えられるように工夫しています。時にはお客様と直接お会いしてヒアリングをすることもあります。自分だけの思い込みで提案をしてしまうと、お客様のニーズをうまく汲み取れない不安があるので、オーダーメイドは必ず二人で対応するようにしています。お互いの都合でできることは任せあっていますが、基本的にデザインやブログ運営など、どの作業も二人で担当しています。

「子どもがいるから」を言い訳にしないのがパートナーとフェアな関係を保つルール


―育児と仕事を両立する上でリモートワークはどのようなメリットがありますか?

梅澤:私は夜9時には子どもと一緒に寝てしまうのですが、夜中の2時に起きて仕事をすることも多いです。子どもがいると確かに忙しいけれど、私はパートナーとはフェアな関係でいたいので、プライベートな事情をあまり見せないようにしています。

谷口:彼女が育児で忙しいことは分かっていますが、「子どもがいるから」という言い訳を一切言わないので、逆に刺激を受けます。彼女がオンラインになっていると、「早起きして仕事して頑張ってくれているんだな」と自分もやる気になります。

梅澤:「子どもが熱をだして大変」と言ってしまうと、自分がカバーしなければと相手に思わせてしまうかもしれない。本当に厳しい状況であれば「ムリだからお願い!」と頼ることもありますが、気持ちの面ではパートナーとフェアでいることを意識しています。リモートだと子どもの体調が悪くても相手には知られない。それがいいことだと思っています。

会社で一緒に仕事していたら、仕事を休むことでこちらの事情が相手に伝わってしまいます。自分一人でなんとかできている間はパートナーに余計な負担をかけたくないと思っています。

谷口:私もいつか子どもを生むかもしれないし、家族の介護問題がでてくるかもしれない。その時に自分たちが置かれた状況で、できることを最大限にやっているかどうかが大切なのかなと。

梅澤:お互いの生活や環境を邪魔せず、自分のペースで仕事ができるのがリモートワークの最大の魅力ですね。子どもを病院に連れて行くとなると会社なら休むことになるけど、リモートなら病院の待ち時間に作業ができます。育児をしていてもスキマ時間を使えばなんでもできます。

―二人でオンラインショップを運営するメリットについてはいかがでしょうか?

谷口:それぞれ自宅作業中心なので、自己裁量でできるのはいいのですが、自分に甘くなってしまうこともあると思うんです。でも、パートナーがいたから、モチベーションを高く保ちながら続けてこられていると思います。

梅澤:相手に迷惑をかけたくないという気持ちがあるので、お互い離れて仕事していても程よい緊張感をキープできていることがメリットです。

谷口・梅澤:一人だったらここまで続けてこられなかったことは確かです!

ほかのお店で売っているようなものは作らないことが強み


マリエフルリール大正ロマン髪飾り

―作る商品は最初から和装小物と決めていたんですか?

梅澤:実は私自身、最初は和装に全く興味がなかったんです。でも、ニッチな部分を攻めていかないとビジネスとして成り立たないと気づいて、軌道修正をしていくうちに和装がメインになりました。

谷口:私は母や祖母の影響で和装に興味があったので、和装テイストのものを作りたいと思っていましたが、ビジネスとして特化した結果、和装に行き着いたという感じですね。

―「大正ロマン」というコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?

梅澤:私はフランスの個性的なデザインやディテールが大好きだったので、自分のイメージの中にあった保守的で一辺倒な色やデザインの着物には興味がなかったんです。でも、大正時代に作られたアンティーク着物の存在を谷口さんに教えてもらい、着物に対するイメージがガラッと変わりました。私たちが求めていたオリジナリティの高い和装小物というコンセプトに、伝統的な和の文化と西洋の個性的なテイストをミックスした「大正ロマン」というキーワードがピッタリはまりました。

―それぞれが考えたデザインに意見を言い合いますか?

梅澤:私は個性的すぎるデザインを考えてしまう傾向があるので、谷口さんに「それはちょっと個性的すぎて売れないんじゃない?」と指摘を受けることがあります(笑)。それで作り直すと売れた、ということがよくあるので彼女のアドバイスは信頼しています。

谷口:逆に「これちょっとシンプルすぎない?」「ほかのお店に売っていてもおかしくないよね?」という意見もよく言い合いますね。自分たちにしか作れないデザインかどうかで商品化するか判断します。梅澤さんは色彩の資格も持っているし、私がありふれたものを作ると、「もっとこうした方が個性的になる」というアドバイスをしてくれます。デザイン面ではお互いに足りない部分をうまく補って合っていると思います。

―ショップを始めてから心に残るエピソードがあれば教えてください。

谷口:オンラインショップなので商品を手にとって見てもらえないというデメリットがあります。でも、「写真よりも実物の方がよかった」という感想をたくさんいただけることが自信につながっています。写真を送ってくださるお客様も多くて、嬉しいお言葉をいただけるとやっていてよかったなと思いますね。遠方のお客様からも注文をいただくようになり、むしろオンラインショップとしてやっていることでお客様との距離が近いと感じるようになりました。

ライフステージに合わせて自分らしい生き方を


―最後に今後の展望を聞かせてください。

谷口:お客様と直接お会いしたいという思いもあるので、近い将来、アトリエサロンをオープンする予定です。それと平行してオンラインショップも今まで通り続けていきます。女性は、結婚や出産で生活環境がガラッと変わってしまうけど、リモートワークを活用すればその時々の事情に合わせて柔軟に対応していけると思います。

梅澤:オンラインショップもまだまだ完成形ではないので、これからも進化していきます。それと、谷口さんには京都に住みたいという夢があるので、それはぜひ叶えて欲しいと思っています。それに合わせてマリエフルリールの拠点を広げて、京都にアトリエサロンをオープンするというアイデアが生まれるかもしれない。私たちには今まで培ってきたリモートワークのノウハウがあるので、お互いの生活拠点が変わっても今まで通り続けていける自信があります。

谷口:私たちが扱っている商品は若者向けなので、自分たちが歳をとることで感性がお客様のニーズと合わなくなっていく可能性もあります。一刻も早くビジネスを軌道に乗せて、ショップを大きくしていくことが課題ですが、リモートツールを活用することでその目標を達成するためのスピードを短縮できていると感じます。

―今後、ショップの規模が拡大するにしたがって、新たにパートナーを募集することも考えていますか?

梅澤:私たちの夢やビジョンに共感してくれる、特に若い女性がいたら一緒に働きたいですね。私たちの足りない部分を若い女性のパワーで補ってもらえたら嬉しいです。

―家庭の事情で時間や場所の制約ができ、自分の能力を生かした働き方ができないと思っている女性が多いと思います。でも、お二人のように明確な目標をもち、ITをツールを活用すれば、「仕事でステップアップを続けながら、自分の生活で叶えたい夢も諦めない」ワークスタイルも可能です。柔軟な発想で協業スタイルを成功させているお二人の姿をみて、リモートワークの無限の可能性を感じることができました。

この記事の著者:柏木 真由子(Mayuko Kashiwagi)


kashiwagi_profile6年間PR会社に勤務した後、結婚・出産を経てライターに転身。育児・出産・キャリアなどの分野で執筆。プライベートでの夢はすべての猫が幸せになれる世の中をつくること。


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