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子育て優先でもプロとして責任ある仕事をしたい! リモートワークだからできた私のペース

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家で仕事をしながら子育てをする、というのは女性にとってひとつの理想的な働き方ですが、現実には「思うように仕事ができない」など難しいこともたくさんあります。そのような中でも幼い子どもを自宅で育てながら、自分のスキルを活かした仕事に取り組んでいる女性がいます。彼女の日常と働き方を取材しました。

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「子どもといるときが一番幸せ」だから焦りはない


東京郊外の閑静な住宅街。ナチュラルな雰囲気の一軒家で、デザイナーの中林佐知さんは子ども2人を育てながら広告やHP、ポストカードなどの制作を請け負っています。

長女は小学校1年生ですが、長男はまだ1歳7ヶ月と手のかかる時期。リモートワークとはいえ日中はなかなか思うように仕事ができませんが、「子どもといるときが一番幸せ」と気負いや焦りはありません。

ご自宅は小さいお子さんがいるとは思えないほどすっきり片づけられ、好きなものを大事にして暮らしている様子がよく伝わってきます。そのセンスの良さが中林さんの制作するwebや印刷物にも表れており、特に営業をしなくても口コミで仕事の依頼が来ることも多いそうです。

-結婚前からデザインのお仕事をされていたのですか?

中林:大学を卒業したあと、3DCGアニメーションの専門学校に通いました。面白い業界だったのですが寝泊まりして働くような環境は大変だと思ったので、広告の作成者を募集していた不動産会社に就職したんです。

その会社はあまり規模が大きくなかったので不動産広告の作成に限らず、いろいろな仕事を任されました。たとえば「会社のホームページを作って」と言われたらwebの勉強をし、「広告に使う現場写真を撮ってきて」と言われたら一眼レフカメラの勉強をし......。PhotoshopやIllustratorも独学で勉強したんですが、いま思えば、いろいろなことにチャレンジさせてもらえたのは本当にありがたかったと思います。

-その後、ライフスタイルの変化があったそうですね。

中林:不動産会社からデザイン会社に転職したあと結婚、そして長女を授かって。長女の妊娠中はつわりがひどく、また夜遅くまで残業する職場だったので退職を決めました。

しばらくは育児に専念しようと思っていたのですが、たまたまリース教室をしている知人からHPや年賀状の作成を頼まれるようになりました。それが在宅でデザインの仕事を始めるようになったきっかけです。

ほかにも、元同僚から不動産会社の広告を依頼もいただくようになりました。私の場合は妊娠・出産をきっかけに、知人のつながりから自然とリモートワークに移行していった感じですね。

-子育てで大変な時期に在宅で仕事を継続できたのはうらやましい話です。

中林:デザイン関係は夜遅くまで働く職場が多いので、この分野で外勤することは子どものいる立場では難しかったでしょう。子育てをしながらデザイナーとして働く、ということを可能にしてくれたのは、リモートワークのおかげです。

基本的に今は知人からの仕事が中心なので、子育てで忙しいときは納期をゆっくり設定してもらうこともあり、本当にありがたいと思っています。

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子育て優先でもプロとして迷惑のかけない仕事を


-仕事はいつやっているのですか?

中林:私の場合、長男がまだ小さいので昼間は仕事ができません。集中しないと仕事できない性格なので、作業は子どもが寝静まった夜か、主人の休日に子育てを代わってもらってやっています。ただ平日だと自分の睡眠時間を削るしか仕事をする手段がないので、体力的に厳しいと思うこともありますね。

-お子さんを預けて働きたい、と思ったことはありますか?

中林:預けたら昼間も仕事ができるんだろうな、とは思いますが、正社員で共働きでも保育園に入れるのに苦労しているのに、私のように在宅で仕事をしていて預けられると思いませんし、先々の仕事がどうなるかも分からないので保育料も心配です。そういうわけで子どもを預けず自宅で仕事する道を選びましたが、自分で決めた道なので納得しています。

-クリエイティブな仕事は"生みの苦しみ"もありそうですね。

中林:仕事の依頼があると、どういうデザインにしようか、頭の中がいっぱいになってしまうんです。一日中ずっと考え続けている状態なので、子育てしていたほうが煮詰まらなくて良いのかもしれませんが、アイデアが固まるまでは何をしていても気持ちが解放されませんね。

-仕事をするうえで心がけていることはありますか?

中林:独学でやってきた部分もあるので、最初にまずできないことはできない、とはっきりお断りしています。無責任なことはやりたくないですし。

-旦那さんの協力はどうですか?

中林:応援してくれていると思います。休日に子どもの面倒を見てくれたり、夜帰宅が早いときは寝かしつけをしてくれたり。「もっと仕事をすればいいのに」って思っているかもしれませんね。このままだと「宝の持ち腐れだよ」なんて言われることもあります。

でも主人の仕事は朝早く出勤し、帰宅も夜中なので平日はほぼ私が一人で育児をしているような状態です。実家も遠くて頼れませんし。本当は男性にもリモートワークの選択肢があればいいんですけどね。

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-リモートワークで仕事をしていて苦労されたことはありますか?

中林:長男が生まれる前、長女が幼稚園に行っている間にできる仕事を増やしたことがあるんです。在宅で不動産会社の広告を作る、という仕事だったんですが、決められた時間はパソコンの前で待機して連絡を待たなければいけなくて。

日によっては幼稚園のお迎えが早い日があったり、子どもの用事で外出しなければいけないこともあったりしたので、在宅とはいえ時間で拘束される仕事はまだ難しいなと思いました。

-フリーの立場で働くことについてはどうですか?

中林:会社から守られる立場ではないので、何か問題が起きた時もすべて自分で対処しなければいけないリスクは大きいと思います。実際に印刷ができあがってから、手違いでやり直しになったようなこともありました。お金をいただく以上、いくら子育て中であってもプロとして迷惑をかけない仕事をしなければいけないと思っています。

-これからのお仕事について考えをお聞かせください。

中林:今はこんなペースで仕事をしていますが、長男が幼稚園に行き始めたら自分の仕事をどうするか考えるときがくるでしょうね。主婦の生活も嫌いではないのですが、仕事をしていないとどんどん世界が狭くなる危機感は持っています。

もしかしたらデザインとは全く違う仕事をするようになるかもしれませんし、外へ働きに出ることもあるかもしれません。でも、今までつながってきた仕事をこれからも大事にしたいですし、スキルをもっと磨いて仕事の幅を広げたいとも考えています。

自分のペースで暮らすことが好きなので、子育ての有無に関わらず、時間を自由に使えるリモートワークはやはり自分に合っているのかもしれませんね。

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-幼い子どもがいても仕事を継続できているのはリモートワークのおかげなんですね。やがて子育ての手が離れたとき、いまコツコツと積み重ねている実績が新しい仕事の扉を開いてくれると思います。今日はありがとうございました。

 

この記事の著者:吉岡 名保恵(Naoe Yoshioka)


和歌山県の地方新聞で記者をしたのち、国立大学の非常勤勤務を経て夫の転勤のためリモートワークに移行。2児の子育てをしながら在宅での仕事を10年以上継続し、子どもの小学校入学を機に2014年からライター業も本格的に再開。記者出身の女性ライターユニット「smart sense」を立ち上げるなど活動の幅を広げている。

 

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