誰もが誰かのALLYになれる ~教育大学を巻き込んだ特別なWEEK~

教育現場でのLGBTの生徒に対する対応は決して十分ではなく、今日でも多くの生徒が先生の言動に傷つきながら学校へ通っている。

前回「誰も隅に追いやらない教育へ~学校の先生がLGBTを知らなくて良いの?~」でお伝えしたとおり、教育現場でのLGBTの生徒に対する対応は決して十分ではなく、今日でも多くの生徒が先生の言動に傷つきながら学校へ通っている。

そんな現状を変えようと、国立の教育大学である愛知教育大学の学生たちが運営するセクシュアルマイノリティ支援団体・BALLoon(Twitter @BALLoonfromAUE)が2016年7月11日~17日に AIKYO ALLY WEEK(Twitter @AIKYOALLYWEEK)を実施した。

(注)AIKYO(愛教)は愛知教育大学の略称。

セクシュアルマイノリティやLGBTの味方であるALLY(アライ)を愛知教育大学内に増やしたい、誰もが自分らしく過ごせる教育現場をつくるきっかけにして欲しい、と願って企画された1週間にわたるイベントである。

(注)BALLoonではALLY(アライ)を、セクシュアルマイノリティを理解し支援しようと思う人、という従来の意味ではなく、セクシュアリティを含めたあらゆる違いを互いに尊重しようと思う人、と定義し使用している。

「誰もが誰かのALLYになれる」をコンセプトに、AIKYO ALLY WEEKの一週間の間で愛知教育大学のキャンパス内では実に様々なイベントが行われた。

部活・サークルに協力してもらってLGBT基礎講座を開き、一人でも多くの学生に知ってもらえるようにキャンパス内を走り回った。そして、有志の学生による写真やメッセージを載せた『私のALLY宣言』をツイートして、学生にLGBTやALLYの周知を図ったり、ドキュメンタリー映像を用いた勉強会やセクシュアルマイノリティの登場する映画の上映会を行ったりした。

また、風船にALLY宣言を書いてもらい一つの木に括り付けていくバルーンツリーという企画も行った。ALLY宣言に参加してくれた友達が友達を呼びできた大きなツリー。普段の何気ないキャンパスがレインボーに染まった。

もちろん学生だけでなく、大学の教職員に向けても活動を行った。大学生協に協力してもらいセクシュアルマイノリティに関する書籍を集めて特設コーナーを作ったり、大学の附属図書館の職員向けにLGBT基礎講座を行ったりと、幅広い人達へ理解が深まるように活動を行った。

そして、AIKYO ALLY WEEK最終日である7月17日(日)には「LGBTを知る会~トランスジェンダーに会いに行こう~」と銘打ち、トランスジェンダー当事者やLGBT当事者の親などを招いた講演会を行い、およそ50人が参加した。

LGBTとは何か、といった基本的な知識から、楽しいクイズタイムや幼い頃の面白エピソードまで。近い将来、学校の先生として社会に羽ばたく学生たちに向けて、各登壇者が様々な角度から熱い想いをぶつけた。それに対して、試験前の忙しい時期にも関わらず集まった学生たちも、真剣な目をして登壇者の話に耳を傾けていた。

準備期間から数えると4ヶ月にも及んだAIKYO ALLY WEEKを終えて、BALLoonメンバーに話を聞いた。

「友達が自分からLGBTやALLYに興味を持って、教えて欲しい!と話しかけてくれた。」「今まではサークルで何をしているのか伝わりづらかったけど、説明しやすくなった。」「実は自分もLGBT当事者なんだ、とカミングアウトしてくれる友人がいた」といったように手応えを感じたという感想が多い一方、「知りたい人達が勝手にやればいいじゃんと言われた。」といったように、まだまだ興味を持ってくれない人が多くいることを実感したと言う。

その上で代表の久保さんは「今回は初めて。今回をスタートにこれからも続けていく。教育大学内でのLGBTやALLYといった言葉の場違い感をなくしていく。」と話す。

愛知教育大学BALLoonでは、今後もキャンパス内で学外の参加者も交えた勉強会を定期的に行うほか、今年度中に講師を呼んで学内で出張授業をしてもらうことを計画している。

今回AIKYO ALLY WEEKに参加した学生たちは、早ければ来春から学校の先生として多くの生徒と接することになる。

どうかこの1週間で学んだことを忘れず、セクシュアリティを含めたあらゆる違いを互いに尊重し、『誰も隅に追いやられない教育』を実践できる先生になって欲しい。

そう強く願う1週間であった。

@BALLoonfromAUE

@AIKYOALLYWEEK

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