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反日で中国寄りとなるも、徹底できない韓国のジレンマ

2013年10月11日 21時54分 JST | 更新 2013年12月11日 19時12分 JST

『読売新聞』の「対中韓、縮まらぬ距離...首脳会談見送り続く」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

安倍首相は、「各国首脳が集まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会議に出席」しましたが、10日に、この「一連の外交日程を終えた」ことを受けての記事です。

記事では「首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の首脳会合など経済に関する重要な日程をそつなくこなしたが」、「中韓両国との首脳会談は行わ」れず、「日中韓の関係改善の見通しはたっていない」としています。

「首相は中国の習近平(シージンピン)国家主席、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と握手やあいさつを交わした」ものの、「いずれも儀礼的なもの」としております。

日本は「事前に中韓両国の外交当局と会談を開くかどうか調整したものの、中国は尖閣諸島問題で、韓国は歴史問題で日本の譲歩を強く求め、『会談を開く雰囲気ではなかった』」と結んでいます。

2 関係悪化

外国に限らず、他者との関係は悪いより良いにこしたことはありませんが、無理をしても良いことはないと思っています。

それに韓国は現在、貿易などでも日本より、中国を頼りにしているところがあり、日本に対する批判でも歩調をそろえてきているところがあるので(靖国参拝で中国が韓国と日本を批判、でも他の国は

、下手に一国に妥協するともう一国にも妥協しなくてはならなくなる可能性が大です。

そのようなことをしていたのでは、ずるずる妥協を迫られる可能性が強いので、あまり無理をしないにこしたことはないと思っています。

それに、菅官房長官が中国の崔天凱駐米大使の発言について、「自らの国の立場だけに立ち、まさにプロパガンダの一つではないかとさえ思えるような発言だ。論評するに値しない」と述べたのが典型ですが、普段なら相手を慮って言えないことも、ある程度関係が悪化していると平気で言えてしまうところがあります。

これが批判の応酬になってしまっては、話になりませんが、本音で話し合うという意味では悪いことではないのではないと考えています(靖国参拝で中国が韓国と日本を批判、その他の国は2)。

3 反日

中国の場合、内政面でいろいろ問題を抱えており、更にこれまでの様な高度経済成長国民の関心をかうことができないとなると、共産党の正当性が第二次世界大戦(抗日戦争)で日本の侵略を防いだということを強調するようになります(白々しすぎる中国共産党礼賛記事

江沢民時代の「愛国教育」がその典型なのでしょうが、尖閣諸島の国有化をかつての日本の「侵略」と関連づけてしまったため、もはや後戻り(妥協)できなくなってしまっています。

以前も書きましたが、韓国も勝手に歴史認識問題でハードルをつくり、日本にその条件をクリアしないかぎり首脳会談を行わないと、妥協をせまっておりますが、勝手に韓国側が設定したハードルなので、それに付き合う必要はないと考えています(自分で盛り上げた「反日」に縛られる韓国外交)。

実際、先に見たように、露骨に韓国は中国よりの姿勢をとっているため、これまで韓国が国是としてきた地域のバランサー、中国とアメリカ(日本)との間で均衡を取り合い、両陣営から利益を得るという戦略もとりにくくなっています。

4 最後に

韓国の場合、貿易依存度が高いので、他国とは良好な関係を維持しておくことが必要なわけですが、反日に拘るあまり日本との関係をおかしくし、ますます中国寄りになっている感が否めません。

中国がこれまでのような高度経済成長を遂げることが可能ならば、こうした戦略もありでしょうが、現実問題として、不可能である以上、早晩修正を迫られるのは目に見えているような気がしてなりません。

それに、韓国とアメリカの関係といった場合、経済的にも貿易の相手方として良好な関係を維持していく必要がある他に、北朝鮮問題があるので、軍事的(政治的)にもアメリカと決定的に関係を悪化させるわけにもいかず、「中国寄り」といっても限界があると考えています。

2013年10月12日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)