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似ていないコスプレは批判されるべきか?

2013年10月06日 22時49分 JST | 更新 2013年12月06日 19時12分 JST

『ロケットニュース24』が「中国人歌手の初音ミクのコスプレが似てなさすぎて炎上 → 歌手が反論しネット上では賛否の声」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。

1 記事の紹介

「中国の人気シンガーソングライターの劉忻」氏が「コンサートで初音ミクのコスプレにチャレンジした」が、「トレードマークであるツインテールがな」いなど、「不完全ミクのコスプレが公開され」るや、炎上状態になってしまったという記事です。

これに対し、劉氏は、「次の衣装に着替える時間が4分しかなかったから」と説明しましたが、他にも、「ダンスのときにツインテールが邪魔だったから外した、とも伝えられている」そうです。

更に、劉氏は以下のように持論を展開したとされています。

「もし、誰かが曲を作ったら、その曲がどうであっても、プロフェッショナルでないとしても、私はその人が曲を作りつづけられるよう応援します。アドバイスもするし、彼が自信を持てるようにはたらきかけます。もしかしたら、その人はいつの日か素晴らしい曲を作るかもしれない。そうやってミュージックシーンはより大きくなっていくのではないでしょうか? コスプレだって同じだと思う」

「コスプレがいまいち盛り上がらないのは、私みたいなコスプレが原作を侮辱して、人をドン引きさせるからだと言う声もありましたが、私はそうは思いません。原因は厳しすぎるあなたたちです。そうやって無数のコスプレ愛好者や初心者の自信を失わせ、素質がないと思わせ、"やってみよう"という気持ちすらくじいているのではないですか?」

2 中国のコスプレについて

日本での「オタク」については、市民権を得たのか得ていないのか良くわからないところがありますが(ちきりんの「正体」とオタクとの結婚)、こうしたコスプレ文化が日本の影響を受けて中国などに広まったのは確かです。

ただ、こうした遊びの面というのは余裕があって初めて成り立つもので、どうしても先立つものが必要となります。そのため、中国でのコスプレというとやはり質の面では今一というのも存在したのは確かです。

ただ、経済成長に伴い、可処分所得が増えると、質も向上し、『人民日報』の電子版『人民網』でも紹介される程になったり(コスプレ写真と『人民網』)、独自の中華風コスプレというのも現れて来るようになりました(500年前から来た女性)。

3 謝罪について

確かにファンにしてみれば、そのトレードマークもない全く似ていないコスプレをして、「これで、○○のコスプレをしています」と言われても、違和感を覚えるのは確かかと思います。

着替える時間が4分しかなかったというのは、本当でしょうが、ステージとは大体そんなもので、「だから何」という話にもなるのかもしれません。

ただ、私は最も興味を引かれてのはこの劉氏の展開している持論です。日本なら謝った方が楽なので、とりあえず謝っておこうという発想が存在するかと思います。

特に歌手の様な人気商売とでもなると、世間の反感をかうことが最も怖いので、何かあると、自分にどこまで非があるかどうかは別にして、「世間を騒がせた」ことに対する謝罪の会見なり、コメントを発表することがあります。

例えば身内の不始末(犯罪)などがありますが、私は、普段から偉そうなことを言って他人を批判している職業の方であれば、それなりの責任を負うべきかと思いますが(親の責任に言及したみのもんた氏と普段の行動)、歌手や俳優などであれば、基本的に謝罪は必要ないと思っております。 

中国では謝罪したら自分の非を認めたも同じなので、容易に謝罪しないということもあるわけで、そうした国民性の違いが出ているのかもしれません。

4 似てないコスプレ

もう1つ興味を引かれたのが「似ていないコスプレはだめなのか」という話です。中には似ていないことを逆にネタにしている方もいるようですが、基本的には似ていること(再現度の高さ)を期待してそのコスプレを見る方が多いと思います。

しかし、似ていないコスプレをすることがだめなのかなると、最後はコスプレ自体がもともと自己満足から始まったものなので、どこまでそう言えるかという話かと思います。

個人が行う場合であれば、斯様に「自己満足」なので、自分が納得できる水準に達しているかどうかだけが判断基準かと思います。ただ、商売として、コスプレを売りにした場合、似ていないことはどうかという問題は確かにあるかとも考えます。

したがって今回の事案もどこまで、劉氏が今回のコスプレを「売り」にしてコンサートを行ったかということがわからないので、最終的な意見は保留されていただきますが、いろいろ興味深い事案だというのは間違いないかと思っております。

(※2013年10月7日の「政治学に関係するものらしきもの」より転載しました)