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恋人レンタルと利便性

2013年10月27日 22時48分 JST | 更新 2013年12月27日 19時12分 JST

『朝日新聞』が掲載していた「彼女・友人をレンタル、心を満たす 食事やおしゃべり...」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

「行きたい店があるけど、一人では心細い。誰かに話を聞いてほしい。でも、相手がいない。そんな人たちの心のすき間を埋めようと、『レンタルフレンド』と呼ばれるサービスが生まれている。」という記事です。

北関東に住む35歳の独身の方の「月1回の『ささやかな楽しみ』」がこれで、「交際相手から一昨年、別れ話を切り出された。あきらめきれず」、ストーカー行為の様なことをし始めてしまいました。

そこで、このサービスを利用しはじめ、男性が「プロレス好きと知った女性が店を探してくれ、一緒に覆面マスクやTシャツを見て回」ったり、「横浜の観光地をめぐった時は11時間、一緒にいてもらった」りしたそうです。

横浜の件では結果「支払いは4万円を超え」ることとなってしまったわけで、「お金を払って相手をしてもらうことに最初は抵抗もあった。『でも、いろんな所に行って悩みを聞いてもらうと嫌なことを忘れられる。これでいいと思うようになった』」という意見を紹介しています。

2 恋人レンタル

これと似たようなものは中国にもあり、旧正月に実家に帰るときなどは、ネットでかなりの数が掲載され、細かい料金表まであることは以前紹介したことがあります(中国の「恋人レンタル」)。

このネタは旧正月が近くなると毎年中国では定期的に話題となるもので、あくまで時節ネタという感じでしか認識していなかったのですが、確かに言われてみれば、一人でいる寂しさやいろいろ悩みを聞いてもらうためにこうしたサービスを定期的に利用する方がいても何の不思議もありません。

3 悩み

人間生きていればいろいろ悩みがあるのは当然で、それにどう対処していくかとなるわけですが、心の問題なので、外から見ることは難しく、それに人それざれで許容量も異なります。

ただ、思うに悩みは姿が見えないが故に対処しずらい面があることは確かで、言葉にして(その1つの方法として、他人に話をするという方法があります)、悩みを認識するだけで、楽になることもあるのは確かかと思います。

実際、問題を認識すれば、それほど大したことでないことを改めて自覚することもあるでしょうし、自分で対処できなければ、最悪逃げるという選択肢もあるわけで(『この世でいちばん大事な「カネ」の話』)、どの選択肢をとって対処するか認識するためにも問題認識は大事だという話です。

4 ニュース

そういう意味でもこういうサービスの存在を否定しようとは思いませんし、それに利用者が満足しているのなら特段他人の私がどうこう言う話でもないと思っています。

ただ、これがニュースになるということは、「普通」とは違っているという思いが記者の方にあったからでしょうし、私もこの記事を見て思うところがあったから取り上げたというのが正直なところかと思います。

5 最後に

目的と手段が逆転してしまうというこは良くあることで(ゆるキャラ投票をPRすることが県の仕事?)、以前は食事も大変だったので、否応なしに結婚して家族を持っていた面もあるわけですが、コンビニなどができてしまうとそれだけ必要性が減ります。

これも同じで、社会が便利になってしまい何でもできるようになるのは良いことですが、結果本来苦労して初めて獲得できたものが安易に獲得できるようになってしまっているという面はあり、いろいろ思うところがあります。

おそらく私がこの元記事を最初に読んだ時に感じた正直な感想はそれです。ただ、利便性を否定するということは、社会の発展や金儲けの機会を否定することにもなりかねませんし、利用なさる方について第三者の私がどうこう言う話ではないということは十分承知しております。

(※この記事は、2013年10月28日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)