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「ホームレスお断り」の張り紙と「客」に対する対応

2013年10月30日 22時49分 JST | 更新 2013年12月30日 19時12分 JST

マクドナルド京王八王子店がホームレスの方などを対象に、店の利用を断る張り紙をしたことがいろいろ話題となっているようなので、これについて少し。

1 張り紙の内容

張り紙の内容は以下のとおりだったそうです。

お客様各位

当店スタッフが、当店の利用にそぐはない(不衛生、ホームレス等)と判断をした方の客席および当店の利用をお断りさせていただきます。

併せて、迷惑行為と判断させていただいた場合も即時退店していただきます。 衛生的な食事環境確保の為、お客様の、御理解と御協力をお願い致します。

              マクドナルド 京王八王子店 店長

2 さまざま意見

これについて、様々な意見が寄せられているそうで、ジャーナリストの田中龍作氏のブログによると(「ホームレスお断わり」 マック難民はどこへ行くのか)、ホームレスの住宅支援をしているNPO法人「もやい」の稲葉剛代表理事は次のように語っているそうです。

「マック難民という言葉があるくらい、家のない人でマクドナルドを利用する人は多い。

ホームレスと明記しているのであれば、家のない人は(店に)入れないことになる。排除するのは人権侵害と言わざるをえない」。

田中氏自身は、「『ネカフェ難民』『マック難民』は、店側にとってもお粗末な行政のしわ寄せを喰らった格好だ」と行政のセーフティネット対策を批判しております。

3 お客は神様か?

外国から帰って本当に思うのが、日本の接客態度の素晴らしさです。本当に「お客様は神様」を絵に描いたように、接客員に落ち度がなくても客の顔をたてる態度などは本当にそこまでやるかという思いもあります。

中国などでは、確かに一昔前と比べると大分良くなってきましたが、客と喧嘩をする店員も珍しくありません。

イタリアでは、客と話し込む店員もいれば、おつりも確認しないと危ない状態で、外国での事例を見るにつれ、(一部の例外はありますが)日本の接客は本当に丁寧だといつも感心しております。

そうした店員の基本理念として、日本では「お客様は神様」という言葉(セリフ)があり、どんな客でも客である以上、何が何でも満足させなくてはならないと考えている人もいるようです(「神様」ではない「悪い客」にキレるのは有りか?)。

4 契約

ただ、店はあくまでその店を経営している方のもので、店側としては、売買も契約である以上売りたくない人には売らない権利もあります。結果、悪い評判がたち、その店の経営が悪化する等は別問題です(失敗した事例が「香港人は犬で鞭でしつけることが必要?」)。

有名な事案として、不法侵入があり、「客」として店に来る分には、店主の暗黙の了解があったとして不法侵入にあたりませんが、窃盗や盗撮などその他の目的で店に侵入した場合は、不法侵入も成立します。

それと同じ理屈で、店内で騒いで他の客の迷惑となる場合などは退出を願うこともあるのは当然の話ですし、実際他の方の迷惑になる行為をする方というのはおられます(中国人海外旅行客の買い物の評判)。

そういう意味で、「ホームレス」というだけで、差別をするのであれば、人権侵害の可能性もありますが、彼らの臭いなどが他の客の迷惑となる場合は、利用を断るのは店の権利であり、何の問題もないと考えます。

5 最後に

当然、弱者救済はどうするのかとか、ホームレスに対する差別問題をどうするのかという話はあるわけですが、私は基本的にこれは民間企業としてどうこうする問題ではなく、店は自分の判断で、客を選べるという話にすぎません。

もし、これがダメとなると会員制の店や、京都の老舗の「一見さんお断り」などは法律違反となってしまいます。

そういう意味で田中氏の指摘しているように、これは国や地方自治体の問題であるというのは間違いなく、私は、この張り紙だけをしてマクドナルドに抗議をするのはおかしいと考えております。

(※この記事は、2013年10月31日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)