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嫌韓によるマッコリの輸入減と企業の論理2

2013年11月06日 17時50分 JST | 更新 2014年01月05日 19時12分 JST

昨日書いた「嫌韓によるマッコリの輸入減と企業の論理」の続きです。こちらはありがたいことに『BLOGOS』と『ハフィントンポスト』に転載いただき、いろいろコメントをいただくことができました。

1 「嫌韓」?

その中で結構多かったものが、マッコリの実力不足(日本人の好みに合わない等の原因)で、日本の消費者に受け入れられなかっただけで、「嫌韓」とはあまり関係がないのではないかという意見がありました。

確かに、もし「嫌韓」が、こうした消費活動に大きな原因を与えているのであれば、何故マッコリだけなのかという話で、他の韓国製品でも同じような現象が起こっているはずです。

実際、韓流は以前ほどの勢いは日本ではもやはないかと思いますが、これも「嫌韓」のせいかと言われると、それよりは既にブームが下火になっただけ、恋愛ものばかりで飽きられてきたためと考える方がより現実的かと思います。

そういう意味で、今回のマッコリの日本への輸出が減少したのは、確かに「嫌韓」が影響を与えたか疑問だというのはそのとおりかと思います。

2 粉ミルク

ただ、ここまで来て、ふと思いだしたのが最近話題となっている明治乳業の中国からの事実上の撤退です。

あれについて、日本側の報道では、「反日」の影響などが真っ先に挙がったわけで、確かに全くそうしたことがなかったかと言えばそんなことはないかと思いますが、では、全てのミルク会社が徹底したかというとそんなことはないわけで、明治乳業の問題ということも否定できません。

実際問題、中国産の粉ミルクはメラミン混入事件などがあり、今一信用されておらず、ある程度金のある中国人は外国産しか買わないという現実があります(日中の責任感と言論の自由)。

ただ、中国で粉ミルクを売っているところに行くと、安いものから高いものまで数多くあるわけですが、安いものは袋入りで、本当に安く、あそこまで安いと本当に何が入っているのか不安になってしまいます。

3 マーケティング

斯様に外国製(日本製)というだけで、中国ではそれなりにアドバンテージがあるのも確かで、だからこそ外国企業が進出してきているという面はあるかと思います。

しかし、そうなると、外国製同士の競争も起こるわけで、他国(社)の商品販売と比較して、中国で売る努力をどこまでしてきたかという話も起こってきます。

中国人は日本人と好みも違うので、日本のものをそのまま持ってくるという戦略は無謀で、それなりのマーケティング戦略をたて、彼らに受け入れられる様にしなくてはなりませんし、かなりの宣伝費をつぎ込む必要もあります。

確かに中国は、貧富の差が激しく、未だに貧しい人がたくさんおりますが、豊かな人も大勢おり(中国で忘れ去られた人々(写真)中国のいかにも成金といった人たちの写真)、こうした人をターゲットにするのであれば、差別意識などが強いこともあり、日本以上のアフターケアに注意することなども必要となります。

4 外資排斥

ただ、正直やっかいなのが明らかに、日本企業に対するイチャモンとしか思えないものもあれば、尖閣諸島国有化に伴う反日デモの暴徒化など、一企業がどうしようもないものが中国にあるのは確かです。

実際、最近スターバックスが暴利をむさぼっていると中国で批判を受けたように、中国では突如外資批判が起こることも結構あります。

また、チベット問題に関連してカルフールが不買運動の対象となったり、中国大使館誤爆事件でマクドナルドが焼き討ちにあうなど、政治の影響を受けるのは日本企業だけではありません(日本パッシングがおこる「ワケ」)。

5 最後に

こうした動きもあるのは確かなので、日本で利益が上げられない原因として、当該企業の努力不足(マーケティングの失敗)をどのように判断するかという話で、どこまでが外的要因で、どこからが内的要因ときれいに分けることもできないと考えます。

私の経験を話すと、初めて修士論文を書いたとき、一回目の発表で、中国では政策決定過程が外部に公表されていないので、どのように政策が決定されたか外部からは伺い知ることができないと開き直った若気の至りが思いだされます。

当然、中国にはそうした側面はあるわけですが、だからといっても何も調べなくても良いというはずはなく、それなりに何かをやらなくてはならない(それなりの体裁を整えなくてならない)のは言うまでもありません。

そういう意味で、最後は企業のリスク管理という話になるのかもしれません。他にいただいたコメントで結構多かった、進出した企業の「自業自得」という意見になるのかもしれません。

確かに失敗に関連して当該企業の見通しが甘かったというのはわからない話ではありませんが、私は一人で外国で頑張っている方の辛さもよくわかるので、そこいらにはかなり同情的です。

(この記事は、2013年11月6日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)