最近韓国ネタが多いような気もしないではありませんが、今日も韓国ネタです。
1 経済制裁
尖閣諸島問題が起こったとき、中国で日本に対して経済的に制裁を行ってはどうかという意見がありました(中国が日本に行える経済制裁?、尖閣問題について中国人が考えた対処法)。
最近の韓国のいきすぎた「反日」に関連して日本でも韓国に経済制裁を行ってはどうかという意見がある様です(『J-CASTニュース』「『韓国へ経済制裁を!』自民議員相次ぎ主張 『融資引き揚げ』『ウォン買い』...」)。
ただ、経済制裁はWTOでいろいろ制限が設けられていますし、国際的にもいろいろ批判を受けやすく(中国がフィリピンに起こした嫌がらせの様に抜け道がないわけではありませんが)、どこまで実行できるかとなると私はかなり懐疑的です(韓国の禁輸措置は東京五輪つぶしか?)。
2 米中日との関係
では、何もできないかというと、そんなことはなく、政治的に圧力をかけることも可能で、実際問題韓国のおかれている状況を見ると、楽観視できないというのが本当ところかと思います。
(1) アメリカ
韓国の特殊事情に北朝鮮問題があります(北朝鮮に縛られる韓国(北朝鮮の核実験に関連して))。正直、いつ何があるかわからない状態では、どうしても自分を守ってくれるのはやはりアメリカという話で、韓国に対する圧力となると、やはり何と言っても最も効果的なのは、アメリカの圧力です。
更に貿易依存度が高い韓国としては、アメリカと中国が大事な貿易の相手方であり、そういう意味でもアメリカの機嫌を損ねるわけにはいかず、だからこそ国内で農業団体などからあれだけの反対があってもFTAの締結を行ったわけです。
ところが、最近韓国は「反日」をキーワードに中国への接近を強めています。現在アメリカが(良い意味でも、悪い意味でも)最も対処すべき相手が中国である以上、これに対し、アメリカはあまり好ましく思っていないというのが本当のところかと思います。
実際、日本の集団的自衛権の問題などで、アメリカと韓国の間で認識にかなりの隔たりがあることが明らかになっており、こうしたことがかなりのプレッシャーになっているようです。
(2) 中国
その最近、韓国が結びつきを強化している中国ですが、韓国がどこまで中国を信頼できるかという問題があります。
やはり、北朝鮮問題があるので、中国としてもいろいろ北朝鮮にいらだちを募らせていると言っても(北朝鮮に対し、本気で苛立ち始めた中国)、これまでの歴史的経緯や、北朝鮮がなくなると、北京が韓国と近くなり、干渉地帯がなくなってしまうことを意味します。
当然、中国としては何としてもこれは避けなくてはならないため、最後まで北朝鮮の国家維持に努めることとなり、韓国にとっては大きなジレンマとなります(反日で中国寄りとなるも、徹底できない韓国のジレンマ。)
それに、中国ではパワーポリティクス的発想が強いため、どうしても強い国の言うことは聞くが、弱いと思うとは相手にしない傾向があります(アメリカに対しては下手にでる反面、日本に対しては強気にでる中国)。
そのため、中国がどこまで韓国を重視するかという話になるわけですが、中国にしてみれば、中国だけが日本の歴史認識を問題にしているという形を避けるため、他国である韓国が必要で、そうした観点から韓国が必要ということだけかと思います(靖国参拝で中国が韓国と日本を批判、でも他の国は)。
そのため、日本と中国の関係が改善されれば、用済みとされる可能性も否定できません。
(3) 日本
これまで日本はどうも韓国に対して負い目を感じているようなところがあり、韓国が何か言ってくると過度に気にしすぎていたような気がしてなりません。
ところが、それがここのところの韓国のあまりにも過度の「反日」政策により雰囲気が変わってきています。
昨日書いたように(「韓流ブーム」に関する左右の意見と日韓外交)、現在の韓国の状況を見るに、日本が譲歩する余地はなく、韓国が日本から何かを引きだすことは、かなり難しくなっています。
ただ、正直中国の高度経済成長がどこまで続くかという問題がある以上、保険の意味でも重要な貿易相手国との関係悪化はされるべきかと思いますが、どうもそういう発想はできないようです。
3 最後に
こうした状況を踏まえても韓国がこれ以上「反日」政策を続けるメリットはあるとは思えないのですが、おそらく朴大統領は半分意地となっているので、今更変えるのはかなり難しいものがあると思います。
昨日はそういうことを踏まえて気長に待つしかないという話をしたわけですが、いざとなれば、アメリカと一緒に圧力をかける、中国と関係改善を進めるということができれば、韓国も態度を変えざるを得ないと考えます。
(※この記事は、2013年11月24日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)