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中華思想と主権(防空識別圏と領空)

2013年12月05日 23時36分 JST | 更新 2014年02月04日 19時12分 JST

おそらく中国の方からだと思うのですが、最近、いろいろ興味深いコメントをいただくようになったので、これについて少し。

なお、以下に紹介するコメントは全て以前エントリーした「自分たちで設定した防空識別圏で、苦悩する中国」についていたものです。

1 コメントの紹介

「主権」は政治学における重要な概念であることはいうまでもなく、大学院時代、ボダンなどを否応なく読まされたのは懐かしい思い出です。

ただ、コメントを書かれた方はかなり独特の主権を提示してくれており、いろいろ興味深かったので、以下に紹介させていただきます。

中米の融和を希望します。

日本は覇権主義を捨て、アジア太平洋の中米2国支配に同意し地域の中堅国として頑張ることを願う。

そしてアセアンは反中プロパガンダを直ちに撤回し中国を亜細亜の"兄"として歴史的な安定構造を取り戻すべきです

亜細亜に白人が入り込む余地はなく亜細亜の"宗主"は中国以外にあり得ません

現実的に考えれば愚かな反中国思想(差別思想)を日本が持ち続けるのは得策ではなく今すぐにでも釣魚島を委譲して講和すべきと考えます

2 主権と内政干渉

中国では主権が絶対であるという発想から人権分野などのアメリカからの批判に対し内政干渉などを理由に対抗し、独自の人権論を展開しています(「国際政治のオウンゴールとは」、「中国の民主化批判」など)。

そのため、「『兄』『宗主』という発想自体が、主権絶対主義をとる中国にしてみれば矛盾している発想かと思います」という返事を書かせてもらいました。

これに対する返事として以下のようなもの(2通)をいただきました。

主権は「一定の国際秩序のなかで」のみ絶対的に作用するのです。

つまり、東欧に於いてはロシア、アジアでは中国の、これらの指導的国家の権益を守るという意味において、諸国の主権は設定されているのだと考えられます。

それゆえ、ロシアの勢力圏内でEUの策動は許されないし、第二列島線までの中国の自由な権益取得を妨げることは国際秩序に反するので、当然に主権は認められませんね。

主権は、諸国家の間で連合した秩序と権益を防衛するためには、一国の主権は制限されます。

「主権」は国際秩序に則って設定されるべきです。アジア諸国に中国に反する「主権」はありえません。

モンロー宣言で米国が南米アメリカを統治したのと同じく、アジアは中国、欧州はロシアとEU、太平洋は中米2国、南米アメリカ大陸は米国、と縄張りを決めるべきです。

ウクライナを吸収併合しようとする西側の謀略を打破する。ポーランド以東はロシア勢力圏とハッキリさせておく。

3 主権と勢力圏

主権=国家ではなく、「主権」を強国だけが有する勢力圏として捉えており、いわゆる「小国」の権利を殆ど想定していない発想の典型です(フィリピンやベトナムを「小国」「蚊」扱いする中国)。

中国ではパワーポリティクスが重要視されますが、「力」が全てで、力のない国は、何をされても仕方がないという発想ともいえます(中国の力に対する盲信と戦争の可能性)。

中国も、かつて力がなかったが故に半植民地化という憂き目にあったわけですが、自分がやられたことをやり返すという発想になってしまっています。 

かつて周恩来(や、ネルー)が主張した「平和五原則」(領土・主権の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存)はやはり単なる「飾り」にしか過ぎなかったのかという話にもなってしまいます。

南北問題を分析する際に、経済による隷属として「新植民地」が話題になったことがあります

その際に、日米欧による(経済的)勢力圏という話が話題になったことがあります。そうした例を持ちだすまでもなく、東西冷戦時代どちらの勢力圏(ブロック)に属するかという選択を強いられたわけで、その発想を未だに引きずっています。

さらに「主権」をこうした勢力圏の意味で使用しており、まさに防空識別圏を領空と勘違いしていたのではないかとしか思えない中国軍と同じようなことをしております。

4 最後に

他にも同じ方から以下の様な興味深いコメントをいただいておりますので、紹介して終わりとさせてもらいます。

北東アジアの中露共同統治を希望します!

借金苦で弱小国のイタリア、フランス、カナダをG8から追放して、大国である中国・ロシア・ブラジルを加えなさい!

イタリアのような借金まみれて首相が幼女レイプした国は三流国ですね

中国は一等国で何人たりともケチつけることはできません

インドはカースト制で差別が残る未開の国ですとうてい、中華民族の偉大さには勝てないです。

P.S.

確かにこうした発想(中華思想)を持っている方もいるかもしれませんが、当然そうでない中国人も大勢います。実際、中国留学時代、大学内で私と交流のあった方々はこうした発想とは全く逆の発想を持っておられる方が多かったと考えます。

尖閣問題 画像集