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薬局窓口での違和感は、「おくすり手帳」のせいだった!

なぜお薬手帳が色々な意味でこんなに中途半端なものになっているのか

2017年10月20日 11時44分 JST | 更新 2017年10月20日 12時28分 JST
Getty Images/iStockphoto

『おくすり手帳』には、決定的な不備がある」というネットニュースを読みました。すると、今までなんとなくしか自覚のなかった、調剤薬局の窓口での違和感の正体が分かったのです。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

お薬手帳は、薬剤師が、複数の医療機関からバラバラに処方された薬同士の飲み合わせが悪くないか、もしくはそもそも薬を飲み過ぎていないか(ポリファーマシーと言います。詳しくはこちら)チェックしたり、ジェネリック医薬品を提案するのに役立ちます。処方しすぎて飲まれないままになっている残薬問題も解消され、医療費抑制につながるのかもしれません。

ただ白状すれば、私自身、これまでお薬手帳の記載内容をしっかり眺めたことがありませんでした。

それが記事を読んでびっくり。

処方せんにも、おくすり手帳にも、病名や病状は書かれていません。このため調剤薬局の薬剤師は、病名や病状を正確につかめません。そこで処方された薬の種類から推測して、患者に「○○病と言われたのですか?」「どんな症状があるのですか?」と尋ねたりします。患者にとっても薬剤師にとっても、もどかしいやりとりです。しかも患者が病名を正確に伝えられるとは限りません。

というのです。なんと、そういうことだったのか......。念のため、手元のお薬手帳を確認しましたが、やはり病名は記載されていませんでした。

言われてみれば思い当たる節はいくらでもありました。ついこの間も、台風の接近で下の子に軽いぜん息の発作が出てしまったので、かかりつけ医を受診し、度々使っている薬を処方してもらった時のこと。薬局の窓口で受け取る際、「風邪ですか?」と案の定聞かれ、軽くウンザリ。それでも「いや喘息なんですよ」から始まって、他愛もないやり取りを数分続け、最後にお薬を受け取って解放されました。たかが数分ですが、これが毎度のように繰り返され、しかも使い慣れた薬なので下手するとこちらの方が薬剤師さんより詳しかったりして、内心「またか、無意味だなあ」「なんで毎回こんなこと聞かれるんだろう」「それって私がここで説明しないといけないの?」と、違和感は正直これまでもありました(あまり深く考えてはいなかったですが)。でも、まさかお薬手帳に病名が書かれていなかったとは!

確かに喘息も風邪も、咳や痰を鎮めるのに同じ対症療法薬が多く使われます。だから病名がなければ、こちらにしてみればトンチンカンな質問をされても、無理もないのです。なぜそんなことになっているのか――記事によれば、処方箋の記載事項として必須ではないから。しかも、なぜ処方箋への病名記載が必須ではないかは、厚労省でもはっきりしないのだとか!(えー、本当?)

それに、病名や病気というのは、人や病気によっては、診察室という閉鎖空間で医師とだけ共有したいプライバシーのはず。ところが現状では、そのやり取りを薬局窓口というオープンスペースで、時には初対面の薬剤師さんと必要以上に繰り返す状況になっています。

2016年4月の診療報酬改定以降、お薬手帳を持参しないと医療費が高くつくかも、という話を聞いて、深く考えずに薬局に持っていくようになりました。それまでは、持っていったり行かなかったり......。実は今も忘れてしまうこともあります。弁解ですが、持って行ってもあまりメリットが感じられないせいもあります。薬の飲み合わせのダブルチェックのため等々の役割自体は分からなくはないですが、なぜお薬手帳が色々な意味でこんなに中途半端なものになっているのか......調べても核心には至れませんでした。

うーん、気になる! 薬局窓口でのやり取りへの違和感はお薬手帳が原因だったとはっきりしましたが、新たにお薬手帳そのものへの違和感も生まれてしまいました。

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(2017年10月20日「ロバスト・ヘルス」より転載)