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野菜高騰で注目のカット野菜ーーでも、栄養素が足りない!?

カット野菜が注目されています。

2018年02月02日 11時22分 JST | 更新 2018年02月02日 11時25分 JST

まだまだ続く野菜高騰。そんな中、カット野菜が注目されています。丸ごと買うよりも、お得なこともある、というのです。しかし、気を付けないと十分な栄養素が摂れない可能性があります。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

先日、ジャガイモからのビタミンC摂取の秘訣をまとめました。その中で、「スライス回数が増えるほど、ビタミンCが失われる」こと、ご紹介したと思います。当然、これはジャガイモに限った話ではありません。

となると心配なのが、カット野菜。便利ですが、普段は割高だからと手を伸ばさない人も多いところ、この冬の野菜高騰で注目を集めています。でも、栄養価はどうなのでしょうか?

調べた研究者たちがいます。市販のカット野菜(ミックス)を購入して、速やかに冷蔵庫に入れ、7℃で0~7日間保管しつつ、ビタミンC含有量を測定していきました。

その結果、野菜それぞれの100g当たりの総ビタミンC量を比較したところ、以下のようになったのです。

●キャベツ:製造直後から急激に減少し、4日目には半減した。(22.8mg 10.7mg)

●もやし:冷蔵期間を通してあまり減少しなかった。

●にんじん:更に変化が少なかった。(製造直後7.3 mg 4日目7.2 mg 7日目 7.1 mg)

キャベツともやしのビタミンC減少に差が出た理由は、どうやら野菜に含まれていたビタミンCの種類の違いによるようです。ビタミンCには形態が「酸化型」と「還元型」の2種類あって、両方とも体内では同じような働きをしてくれるのですが、一方は急速に酸化分解されやすく、もう一方は緩やかに進行します。もっと言えば、「還元型」は酸化によって「酸化型」となり、その後分解されるのです。いずれにしても、「酸化型」の分解がかなり進んだ4日目以降には、「還元型」も分解速度が速まります。

また、にんじんのビタミンC減少が小さかったことについて、実験を行った研究者たちは、「にんじんに含まれるカロテノイドの抗酸化作用によるものと考えられた」としています。カロテノイドはニンジンの色素で、体内ではビタミンAの働きをします。よく知られているものにβカロテンがあります。

ただ、この記述は気になります。カロテノイドの「抗酸化作用」によりビタミンCは守られましたが、その分、カロテノイド自身が酸化作用を受けてしまっていると考えられるからです。カロテノイドに抗酸化作用がある、というのは、カロテノイド自体が不安定で酸化されやすいため、一緒にいる他のものに先んじて酸化を引き受ける、ということ。結果、ビタミンCは摂取できても、体内でビタミンAとして働くはずのβカロテンなどの摂取量は減ってしまうことになります。

カット野菜の消費期限は製造日から4日間と短く設定されています。保存の状態が良ければ、それを過ぎても食べられるように見えるかもしれませんし、実際、お腹を壊すこともないでしょう。しかし、実は栄養素が減っている、ということ。消費期限ぎりぎりセーフでもビタミンCは半減しているかもしれないのです。ビタミンCは認知症予防との関係も指摘されていますから、積極的に摂りたい栄養素の一つ。「摂っていると思っていたのに、足りていなかった」という事態は避けたいものです。

カット野菜こそ鮮度が命。買ったらすぐに食べるべきと言えそうですね。

(2018年2月2日「ロバスト・ヘルス」より転載)