インディーズから商業出版へ!「アニウッド大通り」誕生秘話・記伊孝さん独占インタビュー(4/5)──ネットへ出ていったら「こんな世界があったんだ!」という感じだった

『月刊群雛 (GunSu) 2014年09月号』には、インディーズから商業出版を果たした『アニウッド大通り』の作者で、漫画家の記伊きい孝たかしさんの独占インタビューが掲載されています。なぜインディーズだったのか、どんな苦労があったのか、いろいろ突っ込んだお話をお聞かせ頂きました。第4回め。

月刊群雛 (GunSu) 2014年09月号』には、インディーズから商業出版を果たした『アニウッド大通り』の作者で、漫画家のさんの独占インタビューが掲載されています。なぜインディーズだったのか、どんな苦労があったのか、いろいろ突っ込んだお話をお聞かせ頂きました。第4回め。

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ネットへ出ていったら「こんな世界があったんだ!」という感じだった

── そういった動きとは別に、昨年9月に『Jコミ(現:絶版マンガ図書館)』へ『犯罪交渉人・峰岸英太郎』を公開しています。その辺りの経緯も詳しく教えて下さい。

記伊 実はTwitterを始めたのも『アニウッド大通り』を描き始めてからなんです。「宣伝力が欲しい」と思って。で、せっかく過去作があるんだから、何かもっとアピールしたいな、と思っていたんですよね。そうしたら運良く、赤松先生からお話を頂けて。

── 赤松先生の存在って、やはり大きいですよね。

記伊 そうですね。ほとんどネットの世界としても、僕は死んでいたんで。存在していない人間という時間が、ずっと長く続いてたんですね。ようやく顔を水面から上げられたって感じで。

── 赤松先生からお声がけがあったんですね。

記伊 (Twitterを始めて)人脈が広がっていくうちに、赤松先生とお話することができて。

── Twitterの漫画家先生繋がりって、すごいものがありますよね。

記伊 そうですね。ほんとに、僕は引きこもりみたいな漫画家で、誰とも交流がなかったんです。でも自分が(ネットに)出ていったら、話しかけてくれる人がいっぱいいて。「こんな世界があったんだ!」という感じですね(笑) すごく嬉しかったです。

── 今年に入ってからKindleストアでの販売を開始されたわけですが、四巻には「非商業だけど(意外と)売れてます」とありました。例えば鈴木みそ先生のように、具体的な数字を公表するというのは......?

記伊 まだまだぜんぜんお話にならない状態なんで(笑) ただ、出せば有料マンガランキングで三十位以内には入れたりするんで、この活動としてはいい方なんじゃないかな?

── マンガボックス・インディーズにも挑戦していましたが、かなり苦労されたみたいですね。

記伊 そうですね、読者層の違いってのもあると思いますけど......あれもよく分からないんですよね。一枚分割で閲覧数が上がっていくシステムなんで、僕の作品みたいに三十数ページが一つになってると、総閲覧数では敵わないんで。よく分からないなって感じでしたね。またでも、宣伝のために載せようとは思ってます。

──マンガボックスみたいなアプリって、単純に閲覧数だけではなく、どのくらいの時間読まれてるとか、何ページ目まで読まれてるとか、いろいろデータは取ってらっしゃるみたいですけどね。

記伊 まあ、読者を選ぶ作品なんで、その辺りはぜんぜん腹をくくってます。とにかく出会えれば、って感じですね。出会うためには閲覧数が必要だし、っていうジレンマがあります。

── いろんなところに露出しないと、ってのはあるかもしれないですね。

記伊 最近ちょっと、あまり頑張ってないんですけどね。また攻勢をかけようと思ってます。

── このインタビューは『月刊群雛』の巻頭に載りますんで、誰でも読める試し読み部分に入ってきます。それが記伊さんのアピールに繋がればいいなとは思うのですが。まだ小さなコミュニティですけど。

記伊 でもやっぱり、文章畑の作家さんと知り合いになったりすると、こういうところに自分が本来出会いたかった読者さんがいるんだ、というようなのがありますね。甘えかもしれないんですけど、すごく嬉しいんですよ。やっぱり「届けたい」ところへ届けたい、という作品なので。誰にとっても面白いモノを作ろう、というのではないんです。

── はい。

記伊 あと、しがらみがないからいいな、ってのはありますね。

── 「楽しい」が一番ですよね。

〈続く〉

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記伊孝さんの『アニウッド大通り(1) (星海社COMICS)』は全国書店や、Amazon楽天ブックスなどの通販にて9月10日から発売予定です。

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記伊孝さんにはこのインタビュー以外に、特別読み切り漫画を寄稿頂いてます。他にもインディーズ作品が多数掲載された『月刊群雛 (GunSu) 2014年09月号』は、下記リンク先からお求め下さい。

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