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病院で

2014年11月25日 17時12分 JST | 更新 2015年01月24日 19時12分 JST
Wavebreak via Getty Images

一晩ぐっすり寝ると大抵スッキリする軽めの頭痛が、この半月ずっと尾を引いていたので病院に行った。その時に少し気になったことを書く。

いつも行く病院ではなく、頭痛外来のある初めてのところ。受付で、症状についての細かい項目の並んだアンケート用紙にチェックを入れて提出し、神経内科の診察室の前のソファの空席を見つけて待つ。

朝9時を少し過ぎた頃で、広い内科の待合室のソファはほとんど埋まっている。結構な混み具合だ。

しばらくして、向こうの方から看護師の人が「××サキコさーん」と呼びながら歩いて来たので、返事をした。

彼女は私の傍にしゃがみ、「症状について教えて頂けますか」と、カルテにメモを取る構え。「いつ頃からですか?」「どのあたりが傷みますか?」「ろれつが回らないことはないですか?」「体で動かしにくいところはないですか?」「体に金属は入っていませんか?」などと問診を始めた。

それ全部、さっき紙にチェックして提出したことなんだけどなぁと思いながら、ボソボソと答える。なんとなく周囲の人が、急に雑談をやめてこちらのやりとりに耳を澄ましている気がして、なるべく小さい声で。

「アレルギーはありませんか?」。これはアンケートにはなかった項目。でもそういうこと、知らない人が聞いているかもしれないところであまり言いたくないなぁ。特別秘密にしているわけではないけども。

外来の人でごったがえしている待合室で、看護師も忙しく、人のあまりいない部屋の隅まで連れて行って聞くという暇もなかったのだろう。というより、仮に周囲の人が他人の問診内容を知ったところで問題はない、と判断されているのだろう。

たしかに普通のクリニックでも、受付で「今日はどうされましたか?」と尋ねられて答えているのを、傍にいる他人に聞かれていることはある。それと同じと言えば同じだが、より詳しい質問だったせいかちょっと恥ずかしかったような‥‥‥‥自意識過剰でしょうか。

病院は患者の情報について守秘義務があるのだけど、こういう場合はどうなのだろうか。

もし私が本名(戸籍名)で活動している有名人だったら、「××サキコさーん」と比較的大きな声で名前を呼ばれて返事をした時、待合室にいる人々の目が一斉にこちらに注がれるに違いない。それはやむを得ない。しかしその場で問診されての受け答えに、つい耳をそばだてる人もいるだろう。私は本名と筆名の苗字が違うし有名人でもないので、誰も特に意識しないからまだいいようなものの。

芸能人や作家などが芸名や筆名で活動するのは、公共の場で大声で名前を呼ばれた時、無駄に注目されないためということもあるんだなと思った。

名前ではなく受付番号か何かで呼ばれていたら、待合室で問診されてもそんなに気にならないかもしれない。番号なら、周囲の人に顔は見られても、名前と症状や体質やその他プライベートなことを紐付けられないから。

2014年11月24日「Ohnoblog2」より転載)