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「体によくない」と書かれた日焼け止めを、私が子供に塗る理由

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メモリアルデー(殉職した兵士を追悼するアメリカの記念日)の週末、私たちは家族で山小屋に出かけた。命を犠牲にしてくれた人たちに感謝しながら、リラックスしてゆっくり休むための祝日だ。

夫は、残業のある忙しい仕事をしながら、フリーランスの仕事もやっている。だから私たちは、この旅行を何週間も前から楽しみにしていた。2歳になる双子の息子のために、生まれて初めての釣り竿を買い、宝探しまで計画した。

そして、頭の中で、大きな声でこう叫んでいた。

「何でもいいから、とにかく保養地へ連れて行って」

なぜか。子供の一人が、私を見て「ママ、疲れてるね」。と言った。うん。そうなの。ベネット、ママはね、疲れてる。もの凄く疲れてるんだ。私は、子供たちの前では感情を出さないよう努力している。だけど、息子たちもだいぶ大きくなってきたので、「うまく隠す」作戦では、もはや誤摩化しきれなくなってきた。だけど、こんな風に感じているのは、心の病を抱えている私だけじゃないはずだ。「子育てはこうしなきゃいけない」というこの世の中の基準。それが、その基準通りに出来ない人を不安にさせ、疲れさせている。

私たち親は皆、一歩一歩頑張って進んでいる。この広く危険な世界で、子供たちの安全を守るために、必死に子育てしている。

だけど、もし世の中が「問題なのはあなただ」と言ってきたら? あなたはちゃんと注意を払っていない、気付けていない、頑張りが足りない、と言ってきたらどう感じるだろう。

母親になるということは、私にとって最大の恐怖だった。本当のことを言うと、子供を持つつもりは全くなかった。私はあまり幸せな子供時代を過ごしたとは言えない。それに不安障害とうつ病を抱えている。だから、自分に子育てができるなんて思っていなかった。それに、世の中に、ルールが多すぎるのも不安だった。それを全部満たせる人など、誰もいないと思う。

山小屋に出発する前の夜、体に良くない日焼け止めに関する調査を読んでいた。悪い予感は当たった。ちょうど買ったばかりの日焼け止めがワースト1位と2位に入っていたのだ。これを読んだからには、私は30ドルで買った日焼け止めを捨てなきゃいけないんだろうか? 30ドルは、私たちにとって決して安い金額じゃない。妖精が作ったような、体に害のない日焼け止めローションを買い直せというのだろうか? ちなみにそれは、カリフォルニアにしか売ってないらしい。きっとそこが、妖精たちの住む場所なんでしょう。だけど、この有害な日焼け止めを、子供たちの体に塗るという選択もある。記事によると、悪い日焼け止めを買った私は、子供たちのことを十分に愛していないらしいから。

人生なんて嫌いだ。

もう、疲れた。それは夫が忙しく働いてばかりいるせいだけではない。あるいは、双子たちが静かに寝ているか、元気に動き回っているかのどちらかだからでもない。子供たちは、いつでも自分中心の惑星に住んでいる。視界ゼロの状態で、時速100マイルで飛び回っているのだ。それは、大したことではない。

私がうんざりしているのは、ありとあらゆるルールだ。食べ物のルール。衛生上のルール。洋服のルール。教育のルール。発達のルール。薬のルール。睡眠法・添い寝のルール。遊び時間のルール。友達のルール。チャイルドシートのルール。授乳のルール。抱っこ紐のルール。テレビのルール。それに、ルールに関するルールにうんざりしている。

「ルール」は他の言葉にも置き換えられる。意見。レッスン。研究。ガイドライン。リスト。プログラム。信念。基準。ポリシー。

もううんざりだ。嫌になってくる。この疲れ果てた心の底から、お願いしたい。データなんてくたばってしまえ。

不安神経症を抱え、親になることを心配していた時は気付きもしなかった。だけどもしかしたら、自分には問題が無いのかもしれない。子供たちを愛し、手に入れられる資源で彼らを養えるように最善を尽くすのが、「責任ある親」なのかもしれない。

私が眠れないのは、躁うつ病や、薬物治療のせいではない。買ってあげたばかりの服を、子供たちに着させる前に洗濯しておいたかどうかを考えて眠れないのだ。買ったばかりの服には有害物質が付着していて、それが肌に悪いということを記事で知ったからだ。

身の回りの全てが、私たちを追いつめようとしている、というのは言いすぎ? 諦めて受け入れた方がいい?どうせいつかは死んでしまうんだから。

だけど私はむしろ、一度でいいから、「子供たちに、体に悪いものを食べさせているんじゃないか」という頭の声に苦しめられずに、食事を与えたい。パッケージに書かれた原材料を詳しく調べていないので(時間がたくさんあるにも関わらず)、本当にそれが体に悪いのかどうか、まだわからないけれど。

積極的なのが間違いだ、とは言っていない。安全を気にすることや、声を挙げることが間違いだとも言っていない。そうじゃなくて、やれることを、やれる時にやればいい。私はそうやっている。そうやって、育てを成功させている全てのママたちを、心から尊敬する。

私はありとあらゆることに、疲れている。だけど毎晩子供たちを寝かしつける度に思う。彼らは私がこれまでに出会った中で一番素敵で、幸せで、健康的な人たちだ。今のところ、彼らは私の最高傑作だと思う。子育ては、唯一私がきちんとやれていると感じていることだ。最新の子育てトレンドが、同意してくれるかどうかはわからないけれど。だけど、毎日山のような情報に飲み込まれてしまわないような時代に生きたかったな、と思う時もある。

私の父と義理の母は、人身売買された子供たちの保育施設を、タイで経営している。2週間前、3歳の女の子が保護された。たった3歳だ。女の子は一言も話したことがなく、栄養失調だった。彼女はこれまでどんな経験をして、何に耐えてきたのだろう。それは誰にもわからない。一方で、西洋文化に生きる私たちは、子供たちを何時に寝かしつけるかでやきもきしている。

見方次第で、物事は変わる。

私のブログはここで終わる。これからも、「◯◯をしちゃいけない」という批判の記事や、「◯◯をすべき」という子育ての最新トレンドがシェアされ続けるのかもしれない。だけど、私はそういうのとは距離を起きたい。人生は、今でも十分大変なんだから。

その代わり、私は子供たちと過ごす一瞬一瞬を大切にしたい。ネットを見ると「空気中に含まれる恐ろしい成分」といった記事がならんでいる。だから、パソコンを閉じて眠ることにしよう。そして次のキャンプ旅行の夢でも見よう。ハイキングもいいな。私は疲れている。本当に、本当に疲れている。だから、子供たちと一緒に死ぬことよりも、子供たちと共に一日一日を生きて行くことを大事にしよう。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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ブライアンの子育て漫画
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