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Apple Watchを買うのは誰か? 〜1万人調査で見るアップル新デバイスの期待感〜

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ネットとスマートフォンによって、日本人のライフスタイルは、ここ10年ほどの間に大きく変化した。角川アスキー総研では、そうしたネット以降の人々のメディア利用や消費行動についての1万人調査を'11年から実施しており、今年も「メディア・ライフスタイル調査 2015」として集計が終わった。今年2月にアンケートを実施、約300の集計項目について自在にクロス集計して分析できる。ここでは、そのデータをもとに注目されるApple Watchをどんな人たちが購入するのかについて分析した。


■興味の度合いはiPadの5分の1か?

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これを見ると、Apple Watchを"買う"と答えた人は1万人中の0.5%で、これ日本の全人口で換算すると数十万個に相当する数字となる。「興味はあるので、もっと知りたい」まで含めると約15%がApple Watchに惹かれている。設問や集計方法が異なるので単純に比較できないが、iPadの発売前('10年5月)の購入意向は2.5%だった。Apple Watchは数値的にはその5分の1である。ただし、なんからの"興味"がある人まで広げてみると、iPadのときも20%だったなのでそれほど大きな差ではない。これらを比較していえるのは、Apple Watchは「気になるが"様子見"」の人が多い。


■20代男性が欲しがっている!

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性年代別で、「知りたい+検討+買う」(「興味はあるので、もっと知りたい」+「購入を検討したい」+「購入する」)、「検討+買う」(「購入を検討したい」+「購入する」)、「買う」(「購入する」)をグラフにしてみた。最も欲しがっているのは20代男性。グラフでは10歳きざみだが、5歳きざみで集計すると「知りたい」を含めた数値では20代前半の男性がピーク。ところが、「買う」だけで見ると逆転して20代後半のほうが数字が多くなる。20代前半は、「月に自由に使えるお金」が"1万円未満"という人が23.9%もいるので「欲しいが"買えない"」が少なくないのだと考えられる。


■デザイン系よりも研究開発系

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職業別では、お金で余裕のあるはずの役員・管理職が総じて高い数値とはならなかった(時計といえど高い年齢を引っ張れているわけではないからだろう)。興味深いのは、「制作・クリエイティブ職」、「自由業」など、いままでアップル製品を支持してきた層の数値もとくに高くはなかったことだ。対照的に、「研究開発職」、「IT関連技術職」における人気は高く、まさにウェアラブルやIoT時代を反映した結果となった。


■iPhone 6 Plusユーザーに圧倒的支持される

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Apple Watchと一緒に使うはずのiPhone 6ユーザーで「買う」と答えた人は、意外にも1%に留まった(それでも全体の2倍の数値ではあるが)。なんといっても支持しているのは5.5インチと大画面のiPhone 6 Plusユーザーだ。ポケットやカバンから大画面の端末を取り出したくないユーザーが、相応にいることが分かったともいえる。なお、スマホの用途としては、「電子書籍」、「動画編集/変換」、「テレビ電話」の3つを利用する人が興味を持っている(メール等一般的な用途の3割増し程度だが)。


■電気自動車や外国車、ランニングウォッチ、4Kテレビユーザーが支持

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電気自動車のユーザーは9.5%が「買う」と答えた(母数が少なく参考値だが)。また、外国車、4Kテレビのユーザーも「買う」と答える人が全体の7倍の数値となった。Apple Watch自体がスポーツウォッチの性格があるからだろう、ランニングウォッチの利用者も40.3%と興味が持たれている。高級腕時計との相性についてはこの数値だけでは判断できないが、購入意向者がいることはたしかだ。


■週刊アスキー、GIGAZINEとギーク系はやはり高い

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ニュースメディアの利用状況で集計したところ、ビジネス系、デジタル系が上位を占めた。「買う」では、「週刊アスキーPLUS」、「GIGAZINE」、「マイナビニュース」、「ASCII.JP」、「ITmedia」、「Impress Watch」と順当にデジタル系グッズの情報サイトがならぶ結果となった。


Apple Watchによって、アップルは"ファッションブランド"としても確立されることを目指しているのではないかと指摘される。しかし、今回の結果では、"先進的なデバイス"に日ごろから興味のある人や、それを仕事としている人がまずは買おうとしているようだ(ランニングウォッチの利用者やiPhone 6 Plusなどとの関係がどの程度あるかなどほかの点も見えたが)。

iPhoneとの連動が前提となっているApple Watchだが、メジャーアプリの対応が報じられている。この新しいデバイスでどんなユーザー体験が得られるか? 開発者が取り組んでいるのは楽しい状況といえる。つまり、Apple Watchが発売されてユーザーが実際にアプリを使うようになって、はじめてこのデバイスの真価が問われる。アプリによって、何倍も価値が変わるところがコンピューターのすばらしいところが、いままでの腕時計とは違うところでもある。

iPadのときの購入意向者の5分の1のアンケート結果だったと書いたが、iPadのときにはiPhoneから容易にどんな世界がやってくるのか想定できた。それに加えて、Apple Watchではウェアラブルやモバイルヘルスの要素も加わってくる。今回の調査結果と、数ヵ月後でのApple Watchのユーザー数や利用層の違いは比較しがいがありそうである。なお、今回の集計の前提など1万人調査「メディア・ライフスタイル調査 2015」の詳細は、角川アスキー総研の公式サイトをご覧いただきたい(http://www.lab-kadokawa.com/service/media_contents_survey/)。

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