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ALS:なぜ7割の患者が死を選ぶのか!?

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難病の受給者証


ALSという病気は、国が指定する難病に該当するため、保健所に申請すれば、収入や重篤度合に応じた、医療費の自己負担の上限金額を定めた受給者証が交付されます。

これにより、医療費を大幅に抑えていただいております。大変ありがたいことです。

しかし、受給者証の運用方法については首を捻らざるをえません。自分がかかる医療機関や薬局が増える度に、事前に追加登録の届出をしないと受給者証適用外になってしまいます。

私のように在宅で療養していれば、訪問看護先が増えたり急なレスパイト入院が必要になったりし、医療機関は増えます。現在は、その度に保健所に走り、追加登録申請をすることになります。

しかも、追加登録後の新しい受給者証が届くまでには、2~3週間かかるのです。

事務手続きが困難な難病患者に対して、極めて複雑な事務手続きを強いています。その結果負担を受けるのは家族をはじめとした介護者なのです。これは、患者の精神的ダメージには十分なものです。

現在の日本において、ALSの患者の7割が、人工呼吸器を付けず死を選択しています。それは、人工呼吸器装着後の24時間365日の介護体制に対する不安や、そこまでして生きても、という思いから来ていると思います。

しかし、受給者証の事務手続きのような、人工呼吸器にたどり着くまでに目の当たりにしている、周りの負担も関係しているように思います。

患者は、自分の心配以上に家族の心配をして、もちろん家族は患者を心配します。しかし、お互いへの思いだけでは介護生活は続きません。

患者の心理として、「これまでもしんどかったのだから、人工呼吸器になったら家族らが潰れてしまう」ということは、間違いなくあります。

些細なことから改善して、少しでも家族ら周りの負担を軽減いただきたいと思います。生きられる人が、当たり前に生きる選択が出来る社会であって欲しいです。

恩田聖敬

(2016年10月11日「片道切符社長のその後の目的地は?ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」より転載)