がんはハンデのひとつ。ハンデがあっても、やれることをやろう!

それでも、生活がなくなるわけじゃない
泉谷 由梨子(ハフポスト日本版)

はじめまして。

昨年末に、ハフポストにて紹介していただいた瀬戸川加代です。

これから、私もこちらで不定期にブログを書かせていただくことになりました。

どうぞよろしくお願いします。

ハフポストにて紹介していただいた時の記事はこちら

少し自己紹介をしようと思います。私は現在44歳。

高校3年生の娘と中学2年生の息子を持つシングルマザーであり、行政書士事務所を営む自営業者です。

私は4年前の40歳の誕生日を迎えた直後、初めて乳がんと告知されました。

気づいたきっかけは、入浴中にふと手に触れた乳房の中に何か入っている感じです。

「白か黒か、わかれば対処ができる」と思い、病院へ行って、残念ながら黒と診断されました。

このときはステージ2。

いま、告知はすぐにストレートに本人にされるんですね。

私と、検査結果を共に聞きに行った母に、検査画像を示した医師曰く、

「あー、これ、ここね。石灰化しててね。これ、がんだね。」とのこと。

2年おきにマンモグラフィー検査も受けていた私にとって、衝撃的な言葉でした。

このころはまだ、「がん=死」というイメージが先行していて、私も母も泣いてしまいました。

この頃、離婚は成立していなくてもすでに3年別居していて事実上の母子家庭だった私は、

第一に子ども達のことを考え、

「先生、全摘でも何でもいいから、とにかく助けてください。死ぬわけにいかないんです。」

と懇願しました。

(同時に、離婚裁判に踏み切ることを決意しました。離婚調停は不成立に終わっていたので、もしも自分が死んだら子ども達が困ると思ったからです。がんはある意味、時間の制限を意識させてくれ、だらだらと過ごしていた自分に決断をさせてくれました。)

その後は標準的な治療で、左乳房全摘出とリンパ節郭清の手術、術後抗がん剤治療、ホルモン治療を続けました。

この頃、事務所のスタッフの給料やその他の経費、仕事を仲間に頼んだ外注費、自宅の家賃などの金銭的な負担もありましたが、「がんと診断されたら降りる」というがん保険で300万円が入ったので、かなり助かりました。(手術や入院の費用は、医療保険から賄いました。)

抗がん剤で脱毛もしましたから、医療用の高いかつら(ウィッグ)も買いました。

このときは、「医療用」というイメージしかなかったので、高くても、がん保険も入ったので迷わず買えたんです。

いまは若くてもがんになる人も多いので、掛け捨てでもいいから、がん保険に加入しておくことをお勧めします。

がんの怖いところは、自覚症状のないままに静かに進んでしまうことです。

「自分はがんにならない」という根拠のない自身よりも、月々数千円のがん保険の方が安心して過ごせますよ。

さて、その初めて乳がんが発覚してから2年半が経った頃に左肩に痛みを覚えて病院へ。

四十肩だと思い込んでいた肩の痛みは、転移による鎖骨の骨折とわかり、残念ながら再発が発覚しました。

鎖骨、背骨、骨盤に転移した多発骨転移の状態で、ステージ4に進んでいました。

しんどいのはここからです。

先ほどお伝えした「診断されたら降りるがん保険」は、再発では同じ保険契約からは保険金が出ません。

(入院1日1万円などの、医療保険は保険金が出ます。)

つまり、再発して入院や多額の費用がかかる治療は、高額医療限度額の制度と自分の貯金と医療保険とで賄わなければならないのです。

私のがんの再発は、がん細胞が内胸リンパ節から鎖骨下リンパ節に転移し、そのがん細胞が鎖骨に入って、骨を侵食し、骨が割れた状態になっていました。

そのためか、再発が発覚してから間も無く、急に背中が固まってしまい、家では腕が動かせず、ご飯も食べられなくなって、急遽入院して治療することになりました。

そこから、鎖骨への放射線照射、抗がん剤治療と進んだのですが、1ヶ月ほどの入院の間の休職ののち、私は治療を続けながら仕事に復帰しました。

現役世代が、がんなどの大きな病気にかかって困ることは、治療と仕事の両立だと思います。

家族を養っている責任もあるし、高額医療限度額の制度を使っても医療費の負担は軽くありません。

しかし、がんになったから、ステージ4だからといって、生活がなくなるわけではなく、生活をするためにはお金が必要ですし、生きがいとなる仕事も必要です。

最初はいままで積み上げてきたスキルを活かせる場や方法がなくなったのではないかという不安でよく泣きましたが、意外にも、私ががんであることを知ってもお取引を続けてくださるお客様やお客様をご紹介してくださるお取引先様が多く、

「がんであっても、それはハンデのひとつだ。求められているうちは、精一杯やってみよう。」

と思うようになりました。

ハンデを抱えている人は少なくありません。

時間や労力のハンデも考えると、子育てや介護もハンデのひとつだと思いますし、病気や障害もハンデのひとつでしょう。

私は、そんな「ハンデを抱えたいまの自分にできることは何だろう?」と探していて、動画「がんでもキレイに」を作ることを思いついたのです。

いまの自分にできることを探して、それをできるイメージを持つことが最初の一歩になりました。

その話は、次回にお話ししたいと思います。