ディベート、振替休日など

今年の春分の日は21日で土曜日と重なってしまったため、振り替え休日にもならず何だか一日お休みを損したような気分です。

石破 茂 です。

参議院での予算審議は整斉と進んでおり、一日も早い予算成立に向けて更なる努力をしたいと思っています。

お気づきの方も多いと思いますが、衆議院での「質疑時間一時間」とは質問と答弁を併せて一時間を意味するのに対し、参議院での「質疑時間一時間」は質問だけで一時間を意味します。前者を「往復方式」、後者を「片道方式」と呼称するのですが、片道方式は参議院のみに存在する形式です。

答弁する立場から言えば、衆議院では延々と答弁することによって時間を費消するという技も使えますが(あまり良いことではありませんが)、参議院ではこれが通用せず、いかに要点を押さえて簡潔に短く答弁するかが技の見せ所となります。蓮舫議員などはこの辺りをよく心得ていて、時間内で鋭い質問を、ストーリー性を持たせながら多く繰り出す様は、立場を異にする党ながら見事なものだと思わされます。

単なる絶叫型でも糾弾型でも演説型でもない、質問術を身に付けることはとても重要で、自民党も野党時代はそれまでやったことのない「ディベート学」を「ディベート大学」を主宰される北岡俊明氏をお招きして随分真剣に学んだものでした。これも政権奪回に大きく寄与したものと思っていますが、与党に戻ると折角習得したその技術が急速に失われつつあるような危惧を持っております。「ディベート型与党質問」という新たな分野をどうすれば構築できるのか、あまり答弁の当たらない質疑時間にそのようなことを考えたりしています。

さる14日日曜日は馳代議士のセミナーで講演するため、新幹線開業に沸く金沢に行って参りました。

時間の関係で往復とも航空機でしたが、航空機の利用者も減るどころか増加傾向にあるようで、機材も当初737―800型機に変更予定であったものが急遽767―300型機に戻され、それでも満席状態でした。相乗効果、と言うのは簡単ですが、ストロー現象を招かないための様々な工夫が周到に凝らされてきた結果だと思います。来年は新幹線が北海道まで延伸されますが、観光面ではその時が北陸の勝負時となるのでしょう。

週末は21日土曜日が根釧地域自民党統一地方選総決起大会と釧路商工会議所青年部例会で講演(釧路市)。

22日日曜日が「時事放談」出演(武村正義氏との対談・収録・TBS系列・午前6時)、バイオマス発電、ペレット工場視察、御巣鷹山日航機事故慰霊碑献花、UIJターン者との懇談会(群馬県上野村)、「福田達夫衆院議員陽春の集い」で講演(群馬県高崎市)という日程です。

今年の春分の日は21日で土曜日と重なってしまったため、振り替え休日にもならず何だか一日お休みを損したような気分です。土曜日と祝日が重なっても振り替え休日が無いのは、「日曜日は法律で休日と決まっているが、土曜日は慣行上の休日にしか過ぎないから」ということらしいのですが、労働基準法は「週に一日は休日を与えなければならない」と定めるのみで、日曜日を休日とする明確な法的根拠は無かったと思います。

日曜日に営業する職場も多いため、日曜を休日と法定することはできないのでしょうし、このあたりの法的な構成は実はかなり難しいように思われますが、一度きちんと整理してみる必要があります。とは言ってもどうせ我々が休めるはずもないのですが。

我々がサラリーマンであった昭和50年代はまだ週休二日は定着しておらず、私の職場であった銀行などは勿論土曜日も営業しており、「土曜日とは五時に帰れる日」という認識でした。その代わりに「特休」なる制度があって、日曜以外に月に二日のお休みが認められていたのですが、「特休とは出勤簿と当日付の書類に自分の判を押してはいけない日」という位置づけであったように思います。今からすれば考えられないような話ですが、なんだかんだ言いながらも結構楽しく働いていた高度経済成長期の最後の時期でした。

日航ジャンボ機墜落事故からもう30年も経つのですね。フェール・セーフ思想に基づいて設計された747型機でどうしてあのような事故が起きたのか、当時とても不思議に思ったものでした。昭和60年、代議士になる一年前のあの暑い夏の日が昨日のことのように思い出されます。

皆様、良い週末をお過ごしくださいませ。

(2015年3月20日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

注目記事