「骨抜きか?」などという批判も一部にありますが、この後、農業協同組合法の改正作業の段階で細部まで詰めた制度設計が行われるのであり、実際の改革の成否はその場に委ねられます。

石破 茂 です。

農協改革についての党内議論が一段落致しました。取りまとめに当たった関係議員の努力に感謝しております。

「骨抜きか?」などという批判も一部にありますが、この後、農業協同組合法の改正作業の段階で細部まで詰めた制度設計が行われるのであり、実際の改革の成否はその場に委ねられます。

農政における「農業者」とは一体どのような者を指すのか。専業農家なのか、副業的農家、更には「土地持ち非農家」まで含むのか、という問題を15年前に自民党農林部会で私が提起した時、明確な答えを引き出せないまま今日に至ってしまったことが、今日までこの問題を引きずってしまった要因の一つだと考えています。その後、総括政務次官や大臣を務めながら改革を果たせなかった責任を痛感するからこそ、この議論には最後まで関わりたいと思っています。

内容こそ違え、「警察権と自衛権の間隙を埋める法整備」を巡る議論も構図はほとんど同一です。それが問題の核心であるにもかかわらず、組織間の対立のために本質的・徹底的な議論を避けたまま長い時間が経過し、事態の深刻さは極限に近いほどまでに高まっているように私には思われます。

本来の意味での政治主導とは、まさしくこのような場面においてこそ発揮されるべきものであり、私が議員の職にある間に何とか解決を見たいものです。

集団的自衛権に関する大部分のマスコミの関心は「閣議決定はいつか」「自公の対立はどうなるのか」にしかないようで、これで国民的な理解が深まるはずはないな、と嘆息する毎日です。

学校教育において「国家とは何か」「自衛権とは何か」などを全く教えてこなかったツケはこのような形で回ってくるのですね。

先日の党首討論でも海江田代表は「自衛官が他国のために血を流すことがあってよいのか」などという論を展開していましたが、そもそも集団的自衛権とは個別的自衛権と同様に「他国のため」ではなく「自国のため」という概念であること、この行使を認めていないのは日本だけであり国際的には通用しないこと、などを看過した感情論であるという他はなく、とても残念な思いで聞いたことでした。

週末は、本日夕刻が自民党大阪政経懇談会(大阪市)。

14日土曜日が寺田稔衆院議員を励ます会(広島市)。

15日日曜日が自民党福井県連政経文化セミナー(福井市)、山田賢司衆院議員政経セミナー(神戸市)という日程です。来年の統一地方選挙を控えて各地で政経セミナーが開催されています。

今日の東京は梅雨の晴れ間が覗いていますが、まだしばらくは不順な天候が続きそうです。梅雨なのだから当然とはいえ、どうにも気が滅入りがちです。

これが明ければもう真夏、何か楽しいことが一つでもあるように、それを期待しながら日々課題解決のために微力を尽くします。

皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2014年6月13日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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