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石破茂 Headshot

小坂先生ご逝去など

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石破茂です。

新潟県知事選は自民・公明両党が推薦し、私も個人的に応援していた森民夫候補(前長岡市長・前全国市長会長)がかなりの差で共産・社民・自由各党が推す米山隆一氏に敗北しました。

森氏は市長時代、市役所職員や議員よりも「市民のための市役所」を具現化した「アオーレ長岡」を建設したり、国交省都市局所掌である公園内に厚労省雇用均等・児童家庭局所掌の保育園を設置したりと、従来にない卓越した発想で市政を展開し、地方創生を牽引してきた方で、私は本心から当選を願っておりました。

しかし原発反対、TPP反対という世論に加え、相手候補に比べて高齢であったこと、原発に慎重姿勢であった現知事のスタンスに対する対応の違い、「新潟(新発田藩)対長岡(長岡藩)」という地域感情等が相俟って、あのような差になったものと思われます。

当欄のコメントにも森氏に対する批判が寄せられており、「本人を見て、話を聞いてください」とも思ったりいたしましたが、選挙は結果が全てですから、あれこれ言ってもどうにもなりません。

私が新潟市に応援遊説に入った際にも多くの方々が集まって下さったのですが、「森さんを初めて見た」「話を聞いて初めて良さが分かった」という反応が多く、かなりの不安を感じたことは事実です。せめてあと一か月時間が欲しかったところですが、選挙の怖さを改めて感じたことでした。

自民党総裁任期の延長問題は党の検討委員会で「無期延長」と「3期9年まで」が同数となり、高村副総裁一任ということになりました。今後平場(ひらば)の議論を経て最終的には来年三月に開催予定の党大会で結論が出ることとなります。

「長く権力の座にあると腐敗する」という批判もありますが、知事や市町村長で3期12年以上立派に務めておられる方も多く居られますし(自民党本部としては4期以上の首長立候補者は推薦しないこととなっています)、一概に「2期6年まで」が正しいというわけではありません。

私自身の立場上、何か意見を述べて興味本位に取り沙汰されるのも極めて心外かつ不愉快なので静観しております。決定したことに従うのは党員として当然のこととして、「我が党にとって優先課題である理由」「一般党員や国民への説明」は、決定それ自体と同じくらい重要であろうとは考えています。

長く議員を務めてきて、所属議員が「議員のみの利益」や「永田町の論理」を優先させた時に、自民党は決まって国民の支持を失ってきたと思っております。現時点で自民党に代わる政党が存在しない以上、それは国にとって極めて不幸な事態を招来することになり、我々は常に自らを戒めていかねばなりません。

昨日の政策集団「水月会」の定例勉強会は「転落の歴史に何を見るか」(ちくま新書刊)の著者である齋藤健代議士(農水副大臣)の講演でしたが、歴史に学ぶ必要性を改めて痛感させられ、啓発されるところ誠に大でした。この本は是非ご一読をお勧めします。

本日朝、かけがえのない我が友人、小坂憲次・元文部科学大臣が逝去されました。享年70歳、あまりに早いご逝去に言葉もありません。悪性リンパ腫に侵され、今夏の参議院選への出馬を見送って療養に努めておられたのですが、今朝容態が急変して帰らぬ人となられました。

曾祖父・小坂善之助氏から続く名門政治家の家系で、私の高校・大学の先輩にもあたる方でした。当選は私の一期下でしたが、容姿端麗、頭脳明晰で正義感に溢れ、常に真っ直ぐに信念を貫く方でした。

リクルート事件の嵐が吹き荒れる中、政治改革の実現を目指して連日連夜共に奮闘した日々のことが鮮やかに思い出されます。「二代目であるということで他の人よりも有利なのはおかしい。能力と熱情のある人ならば党が全面的にバックアップして出られる小選挙区制を実現しよう」「世襲でなくとも出られる制度を作ることが我々世襲議員の最後の仕事だ」と二人で語り合ったものです。

自民党が下野した時の総選挙で落選された後は参議院比例区に転じられ、参議院自民党幹事長として参議院の改革に情熱を傾けられました。 

福田康夫総理・総裁が辞任を表明された後の自民党総裁選で、当時我々が所属していた津島派からも誰か擁立すべきとの声が若手を中心に高まった際に、小坂さんと私のどちらかが立つべしということになり、「名門で、弁舌爽やかで、学校の先輩でもある小坂さんが相応しい」と言う私と「議歴から言って石破さんが相応しい」と言う小坂先生との間で話が纏まらず、侃侃諤諤の議論の末に結局私が出ることになったのですが、あの時小坂さんが立候補していれば、その後お互いの人生は全く違ったものになっていたに相違ありません。

心の中に大きな穴が開いたような、何とも言えない悲しくて寂しい気持ちです。御霊の安らかならんことをひたすらお祈り申し上げます。

週末は22日土曜日が平成28年度自衛隊殉職隊員追悼式(午前10時・防衛省慰霊碑地区)、健康保険組合健康未来トーク「すべての世代の活き活き社会を目指して」で生島ヒロシ氏と対談(午後2時・東京国際フォーラム)、鳥取県地震被災地訪問(午後6時・予定)。

23日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、鳥取県地震被災について鳥取県庁でヒヤリング(予定)、麻布大学・大学祭ホームカミングデーで講演(午後2時・麻布大学キャンパス・神奈川県相模原市)という日程です。

本日鳥取県で発生した地震につき、お見舞いのお電話やメールを頂き、感謝しております。

十月も半ばを過ぎたというのに、妙に暖かな日が続きます。もの想う秋が段々と短くなっているようで、あまり喜ばしくはありませんね。

皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2016年10月21日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)