国会審議も正常に復し、審議が少しずつ進んでいます。今国会は「地方創生国会」のはずであったのが、いつの間にか「政治とカネ」国会の様相を呈していますが、野党側にもさまざまな問題が発覚し、さながら消耗戦のようにもなりつつあります。
時事通信社

石破 茂 です。

国会審議も正常に復し、審議が少しずつ進んでいます。

今国会は「地方創生国会」のはずであったのが、いつの間にか「政治とカネ」国会の様相を呈していますが、野党側にもさまざまな問題が発覚し、さながら消耗戦のようにもなりつつあります。

内閣支持率・自民党支持率は微減、朝日新聞などでは微増となっており、国民・有権者は極めて冷静に物事を判断しているように思われます。

これらの問題の背景には、公職選挙法の解釈・運用が各地の選挙管理委員会によってかなり曖昧になされており、何がセーフで何がアウトなのか判然としない、ということがあるように思われます。

本質は「票をカネで買ってはならない」「政策決定がカネで左右されてはならない」「政治を利用して私財を蓄えてはならない」という点にあるのであって、その観点から統一的な見解が示されるのが望ましいのでしょう。

今週あるBS番組に出演していた際、「あなたは政治資金報告書を全部チェックしていますか?」と言う問いを受けたのですが、領収書の一枚一枚に至るまですべて子細に議員本人が見ることは相当に困難なのであって、信頼するスタッフに細かい作業は任せる、というのが実態なのではないでしょうか。

勿論できる限りの努力はすべきですし、スタッフは政治家と一体なのですから、何らかの疑義を持たれた時には政治家自らが説明責任を果たすべき、ということなのだと思います。

地方創生のために様々な手法が講ぜられなくてはなりませんが、その一つが海外からの地方への投資促進です。日本に対する海外からの対内直接投資GDP比は世界199か国中196位、197位以下はネパール、アンゴラ、ブルンジという状況で、そのうちの七割が東京に偏在しています。

医療、介護、観光など地方には外資誘致の潜在的なニーズがあるものと考えており、病床規制の緩和など国家戦略特区を活用して地方への投資を促進したいと思います。

衆議院での創生法案審議は、地方公聴会、参考人質疑も終えて最終段階に入っています。

質問者の方からの質問通告があるのが前日夕刻、ほぼ徹夜で官僚諸兄姉が答弁を書き、仕上がるのが早暁、その後議員宿舎に答弁案が届き、閣僚がそれに目を通して朝七時ごろから確認作業を行い、九時から委員会、というのがどの委員会においても共通の流れのようですが、せめてもう一日早く質問が出るようになればもっと充実した審議が出来るようになるのではないかと思われてなりません。

これは十二年前に防衛庁長官を拝命した時からずっと思っていることであり、与野党の申し合わせにもなっていたはずで、私が野党時代に質問に立つときにはそのように心掛けていたつもりですが、なかなか全部は改まりません。国会における質疑が重要であればこそ、もう一度考えてみる必要があります。

ウィレム・アレキサンダー オランダ国王・王妃両陛下が来日され、29日宮中において歓迎式典、宮中晩餐会が開催されました。皇室・王室を戴く国家の有り難さをしみじみと思ったことでした。

宮中晩餐会は年に数回、国賓をお迎えした際に開催されるもので、衆参正副議長、閣僚、その国に縁の深い人などが百五十人前後招かれます。

私も今まで数回お招きに預かったのですが、出席者の間でその都度話題になるのがドレスコードです。

前回は確か麻生内閣のとき、スペイン国王・王妃両陛下をお迎えした際だったと思うのですが、その時は「タキシード着用のこと」、それが今回は「燕尾服着用のこと」となっていて、「タキシードと燕尾服は一体何が違うのか?」「どんな基準でドレスコードは決められるのか?」「貸衣装とオーダーするのとどちらが良いか?」などという会話があちこちで交わされることとなりました。

日頃縁のない世界とは、ことほど左様に難しいものですね。

週末は、11月1日土曜日は日米知的交流共同研究プログラム事業である「富士山会合」にて講演と座談会。

2日日曜日は札幌市で開催されるNPO法人北海道グラウンドワーク主催の講演・対談の後、旭川市での市長選挙支援のための街頭演説、選挙関係の諸集会に出席、という日程となっております。

もう今日で十月も終わりですね。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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