17日月曜日に9年ぶりとなる「総務懇談会」が開催され、主に集団的自衛権について総務各位による意見の開陳がありました。

石破 茂 です。

17日月曜日に9年ぶりとなる「総務懇談会」が開催され、主に集団的自衛権について総務各位による意見の開陳がありました。

総務会は自民党独特の組織で、党の政策や方針を決定する、党大会・両院議員総会に次ぐ意思決定機関であり、満場一致を原則とするもの、党則では多数決を持って議決すると定められています。

執行部そのものではないために総務会長は党三役の一員でありながら総裁の指名ではなく、総務の互選によって決まります。

総務会自体であれば、党議決定を変更させることも当然可能ですが、下から長い時間と手続きを経て作り上げた政策や方針を度々覆されることのないよう、極めて重要なテーマについては「総務懇談会」という場において見識ある総務各位のご意見を承り、それを政調会や幹事長室など各執行部署に反映させるというのがこの趣旨であると考えております。

翌日各紙には例によって「総務懇談会で慎重論続出」的な記事が踊りましたが、「行使容認に慎重」という意見もあった一方で「行使容認にあたっては慎重な議論が必要」という意見も多くあり、両者は似て非なるものであるにもかかわらず、まるで総務のほとんどが行使容認自体に否定的であるかの報道には首をかしげざるを得ません。

来週には総務会の議を経て、集団的自衛権のみならず、安全保障法制全般にわたる議論を行う総裁直属の機関が発足する予定です。今まで議論に参加できなかった人も含め、多くの議員が議論を通じて理解を深めることには大きな意味があるものと考えます。

総務会は地域選出、参議院選出、総裁指名の総務限定の会なのですが、例外的に事前に届け出て総務会長の許可を得れば一般の議員でも参加して総務の発言後に発言の機会が与えられます。

もう二十年も前、既に長い議論の末に党議決定していた小選挙区比例代表並立制の導入が総務会で大問題となって覆りそうになったとき、当時の当選二回生・一回生で「政治改革を実現する若手議員の会」なるものを結成し、総務会の開かれる六階のエレベーター付近を占拠して開催を阻止しようとしたり、総務会に出席して「党議決定をしたものを総務会で覆すのなら、両院議員総会を開くべきだ」と訴えたりしたものでした。

「若手議員の会」の会長は私だったのですが、あの頃のことをふっと懐かしく思い出します。結局総務会によって党議決定は覆され、諦めきれない私たちは夜遅くまで議員宿舎や議員の自宅を廻って両院議員総会開催の署名を所属議員の過半数集め、その開催を要求したのですが、結局握りつぶされ、大混乱のうちに宮沢内閣不信任が可決され、党は分裂、下野するに至ったのでした。

同様の経緯は小泉内閣の郵政民営化をめぐっても繰り返されたのですが、今回はそのようなことがあっては断じてならないのであり、丁寧に、誠意を尽くして理解を得る努力を重ねたいと思っています。

勿論、日本政治は集団的自衛権だけを中心に回っているわけではありません。

景気の回復をさらに確実なものとするため、異例の速さで本日来年度予算も成立しました。再稼働に向けた原発の安全性確保、TPP、社会保障改革など喫緊の課題は山積しています。

しかし、ウクライナ問題を見るにつけ、安全保障の重要性と、平和の脆弱性を痛感させられるのであり、これらは決して他人事ではありません。

週末は22日土曜日が地元で自動車専用道路の開通式他の諸行事に出席、午後1時より「なるほど!党首討論」がテレビ東京系で放映の予定です(収録)。

23日日曜日は自民党山梨県連大会で講演の予定です。

都心は急に冬が戻ってきたような寒さです。

三連休の方、お休みと関係なくお仕事の方、皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2014年3月20日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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