今週の永田町の話題は民主党と維新の党の合流の行方が主でしたが、他党のことながら先行きが案じられます。

石破 茂 です。

今週月曜日、恒例の日本食糧新聞社主催「食品ヒット大賞授賞式」に顔を出して参りました。三年ぶりのヒット大賞には「プロビオヨーグルトPA3」、優秀ヒット賞には「南アルプスの天然水 ヨーグリーナ」など、ロングセラー賞には「ホッピー」「ミルキー」「おさかなソーセージ」などが選ばれたのですが、この催しには毎年とても楽しく出席させて頂いています。

食生活においては「こんなものがあったらいいな」と思うことが多々あるのですが、その「思い」を「カタチ」にするのは決して容易ではなく、開発者たちの並々ならぬ努力が感じられて毎回深い感銘を受けます。

ロングセラー賞も毎年なかなかのもので、新入社員の頃、生ビールを飲むお金がない時に神田のカード下の焼鳥屋で愛飲した「ホッピー」、子供の頃好きだった「ミルキー」、昭和30年代中頃に「赤いタコさんソーセージ」(わかりますか?)が出るまではこれこそがソーセージと思っていた「おさかなソーセージ」など、発売以来半世紀以上を経た現在も、変わらず愛されている食品に何とも言えない懐かしさと嬉しさを感じました。

昭和54年から58年まで、「ホッピー」を愛飲していた新入社員時代が、人生で一番楽しかった時だったかも知れません。時は安定成長期、初任給は八万円弱、週休二日など無く、千葉県松戸の社員寮を朝6時半に出て、ほとんど終電で帰る日々でしたが、終電前の一時間ほどほとんど毎晩のように先輩に連れられて神田の「一番鶏」なる焼鳥屋で飲んでおりました。

信じられないような話ですが、日曜日に寮ですることもなくゴロゴロしている時、「早く月曜にならないかな」と思ったのは、仕事よりもこのひとときの飲み会が楽しみであったからのように思います。

在勤していた三井銀行本町支店も、「一番鶏」も今はもうありません。時は確実に流れ去っていて、無性に寂しくなります。

今週の永田町の話題は民主党と維新の党の合流の行方が主でしたが、他党のことながら先行きが案じられます。

野田政権の時に予算委員会で「民主党に綱領はあるか」との議論を野田総理と交わしたことがありましたが、新党を作るなら、まず党綱領の策定が先になくてはなりません。その作業を欠いたままで新党など作ってみても、結果は残念なものに終わるように危惧されます。「党名をどうするか」よりも「綱領をどうするか」こそが議論の本質ではないかと思うのですが、どの報道もそれに触れようとしないのは不思議なことです。

かつて新進党に在籍していた時、岡田克也・現民主党代表(岡田代表も当時は新進党でした)と集団的自衛権について侃侃諤諤の議論を何度もしたことがあります。当然これを認めるべしと主張する私と、絶対に認められないと譲らない岡田氏の議論は決して交わることがなく、暗澹たる思いにかられたものでした。

日本において二大政党制がうまく機能しないとすれば、「政権交代可能な二大政党制の確立」を目指した小選挙区制度の導入とは何であったのか、考え込まざるを得ません。

勿論、中選挙区制度には様々な欠点があり、もう一度中選挙区制に戻すべきとは毫も思いませんが、小選挙区制度の運用には改善の余地が多々あるように思います。

週末は、27日土曜日が読売新聞主催 地方創生フェス「地方創生フォーラム」で挨拶の後、こばやしたけし氏(「地方活性化は成功するか否か」の著者)との対談(午後1時・渋谷ヒカリエ)、KBCラジオインタビュー、鹿児島県伊仙町 生涯活躍のまちシンポジウムin東京で挨拶(午後2時半・全国町村会館)、武家門会(鳥大付属中学同窓会)。

28日日曜日は鮮doエブリィ岡南築港店視察、和気町町政10周年記念事業で講演(午前11時・岡山県和気町総合福祉センター)、和気町関係者との昼食懇談会、大芦高原国際交流と休養の村 みんなのモビリティプロジェクト視察(岡山県美作市)、津山市連合町内会創立60周年記念式典で講演(午後3時・津山文化センター)、という日程です。

秋田市在住の漫画家さんである、こばやしたけし氏の作品はとても面白くて内容の濃いもので、対談を楽しみにしています。

鹿児島県徳之島に所在する伊仙町は全国第一位の出生率を誇るとともに、長寿の方の多い町としても有名です。医師でもある大久保明町長の取り組みもとても立派なもので、多くの素敵な人に出会える幸せに感謝しています。

来週はもう三月。季節の変わり目、皆様ご自愛の上、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

日本食糧新聞社主催「食品ヒット大賞授賞式」にて株式会社明治の川村和夫社長と

(2016年02月26日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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