合衆国大統領にトランプが選ばれた心理的背景

アメリカ国民の「怒り」がトランプを大統領にしたのだ。

今回の大統領選挙を見て、「なぜトランプ!?」と思った人は多かったはずだ。

あんなに下品で、成金で、人種差別者が大統領に選出されるはずがない。

マスコミでもヒラリーが優勢だと言っていたのに。

・・・と、多くの人がそう思っていたはずだ。

なぜ、トランプが勝利したのか?

それは「怒り」だ。

アメリカ国民の「怒り」がトランプを大統領にしたのだ。

何に対する「怒り」か・・・それはアメリカの富を、「戦争」や「金融」によって盗み出している支配階級についてだ。

多くの人がすでに気づいているように、世界中の多くの富はグローバリゼーションという名のものとに、どこの国にも属さない無国籍企業によって吸い上げられている。

アメリカの多くの人たちはその搾取のシステムに嫌気がさしたのだ。

その現状に対する「怒り」だ。

ドナルドトランプという男が、尊敬に値しない男であることは誰でもわかっているんだ。

「こんなクソみってえな社会をぶっ壊してくれるなら、ドナルドトランプみたいなクソみたいな男であっても応援するぜ!」

普段バカにしたり、嫌っていたプロレスの悪役レスラーが、団体の不正について立ち向かい黒幕と戦う、というようなストーリーが今回の大統領選挙における社会的心理だ。

人は「未来」「過去」「現在」のどこかを起点にものごとを考える。

ある人は常に「未来」を想像しながらものごとを考える。

ある人は常に「過去」を起点にものごとを考える。

ある人は常に「現在」どうなっているかが重要だと考える。

「未来」を想像して生きる人は「不安」を払拭するために働く。

「過去」を土台として生きる人は「恥」をかかないように働く。

「現在」に生きる人は「怒り」という感情をエネルギーにする。

今回の選挙は、現在のシステムに不満を抱く人々の「怒り」の表れだ。

アメリカは国際金融資本からの独立を決意した。

イギリスもEUを脱退することで、独立を決意した。

さて、日本は?

(2016年11月10日「ボトルボイス」より転載)

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