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パリ協定から2年、私たちは「ダイベスト」する

2度目標達成のためのお金の流れを構築しよう

2017年12月12日 15時02分 JST | 更新 2017年12月12日 15時02分 JST

2017年12月12日に「パリ協定」は合意から2周年を迎える。

「パリ協定」は世界の195カ国が気候変動のこれ以上の進行を防止するために、さらなる努力をすることを宣言した、いわゆる希望の象徴だ。合意がされてからの2年間、脱炭素化への世界的な動きは加速した。しかし残念なことに、人類にとって最も悲惨な結末を回避できるほど、その動きは迅速ではない。

国連環境計画(UNEP)の「排出ギャップ報告書2017年版」によると、現在、世界は少なくとも3度の気温上昇に向かっている。このような温度の上昇は、世界の主要都市を洪水させ、気候変動を起因とする大規模な移住問題を引き起こす。

「パリ協定」で掲げられている、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5~2℃より十分低く保つ目標を達成するということは、新規の化石燃料インフラ開発を実質ゼロにし、既存の石炭などの化石燃料を使用する発電所の廃止および100%再生可能エネルギー社会への急速な移行を意味する。

国内外での石炭火力発電所の開発・建設を進めている日本の現在の経済政策は、この国が温暖化に関する科学的知見を無視し、短期的な利益のために地球全体の未来を危機にさらしている様子を物語っている。

気候変動という集団的課題に取り組む責任は私たち全員にある。気候変動がもたらす危機を乗り越えるには、国家やエネルギー会社だけでなく、都市、地方行政、企業、学校、市民団体や一個人がリーダーシップを発揮し、大胆な行動に出る必要がある。

この危機を防ぐために必要な自然エネルギー社会への移行に対して国際資本が資金を提供するという点において、金融界は特別な責任を負っている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領主催で12月12日にパリで行われる「気候変動サミット(One Planet Summit)」の開催に先駆けて、世界の経済学者および学者グループが「化石燃料への新たな投融資を直ちに凍結し、それらの資金を再生可能エネルギー開発へと急速に移行することの重要性」について言及する「気候変動ファイナンス宣言(Declaration on Climate Finance)」を発表した。

保険会社や機関投資が、石炭をはじめとする化石燃料産業への投資撤退(ダイベストメント)を発表していて、多くの金融機関はオイルサンドやシェールガスなどの最も環境負荷が大きい化石燃料開発への資金提供を制限し始めているのはとても有望な傾向だ。しかし、世界では再生可能エネルギー革命が進んでいるにもにもかかわらず、化石燃料や原子力への多額の資金提供を続けている時点で、日本の公的および民間金融機関は遅れている。

日本の金融界は岐路に立っている。日本、そして世界経済の長期的安定のために再生可能エネルギー開発・普及への投資を増やすという行動をとることができる、または化石燃料から再生可能エネルギーへの世界的な移行という人類史上最大のビジネスチャンスを逃し、座礁資産を背負い込むリスクを冒すこともありえる。

「パリ協定」に整合し、かつ責任のある投融資方針を策定するように日本の金融機関に呼びかけるため、12月12日のパリの気候変動サミットの日に合わせて、日本の預金者および団体が化石燃料や原子力にお金を流す銀行から預金を引き揚げ、「ダイベストメント」を実行したことを発表する予定だ。

化石燃料に依存する経済から、私たちが与えられている太陽、風、水、地熱といった再生可能エネルギー源を原動力とする脱炭素経済への移行をリードする役割を邦銀に担ってほしい。

日本の市民は、地球環境に配慮した投融資を行う金融機関にお金を預けることで、気候変動の深刻な影響を回避し、安心して暮らせる未来を守ることに貢献できる。

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▶︎350.org Japanについて

350.org Japanは、米国ニューヨークを拠点にもつ国際環境NGO350.orgの日本支部です。当団体は、化石燃料ダイベストメントを日本で広めるために、2015年4月に設立されました。温暖化を加速させている化石燃料関連企業や、国民の安全や健康を危険にさらす原発関連企業へ投融資をしていない「地球にやさしい銀行」選びを消費者に促す「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンを現在展開しています。