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「勘違いだよ」と拒絶した母も今は、「連れてきてよ」と言ってくれる。女性同士で暮らす私たち(シリーズ:隣人たち)

2017年05月19日 17時14分 JST | 更新 2017年05月22日 16時19分 JST

性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」が6月、札幌市で始まる。全国各地の自治体でも同様の仕組みがつくられ、LGBTへの理解や支援が広がっている。「13人に1人」とされるLGBT。制度開始を前に、私たちのすぐそばにいる「隣人」たちの素顔を紹介する。

●小林綾女(あやめ)さん(32)、須田あゆみさん(23)=札幌市白石区

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思い出のバーでドリンクを手にする小林綾女さん(左)と須田あゆみさん(右)=4月23日午後、札幌市中央区

小林 今年1月に、ゲイやレズビアンの人たちが集まるイベントで知り合いました。意気投合して、その日は朝まで話が尽きませんでした。

高校まで彼氏はいたんですが、違和感がぬぐえなかった。18歳の時、共通の趣味からインターネット上で知り合った女性に告白されて、すごくドキドキしたんです。それで付き合ってみたらとても安心できた。これが本当の自分なんだなって思えました。

須田 私は小さい頃から男っぽい性格で、ボーイッシュな服装をすることが多かった。今の性別の自己認識は「中間から男性寄り」と思っています。男だったらこんな子と付き合いたいなと考えていました。

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小林 母には、最初に女性とお付き合いした18歳の時に伝えました。心から信じている親には自分のことを知ってほしいし、認めてくれると思ったから。でも最初は「それきっと勘違いだよ」と言われ、言い返すと「もうその話はしないで」と拒絶感を示されました。普通に結婚してほしかったんだと思います。

月日が経ち、今は認めてくれたのかなと思っています。ある日さみしくなったのか、母から「家に来ないか」と電話がありました。須田さんと一緒にいると伝えたら、「じゃあ連れてきてよ」と言われて、うれしかった。

須田 私は、母と妹に伝えました。2人とも「いいじゃん」といった反応でした。妹に至っては彼氏に「お姉ちゃん、女の子が好きなんだよ」と言うくらい受け入れてくれています。母も「自分の好きなように生きなさい」という考えみたいです。孫の顔を見せられないことは申し訳ないと思っています。でも「妹に任せた」と明るく話しています。

小林 女性と同居するのはお互い初めてですが、仕事が終わって家に帰ると「おかえり」と出迎えてくれるのはうれしい。オムライスを作ってもらって一緒に食べるのが、一番幸せな時間です。

須田 小説を書く仕事をしているので家にいることが多く、料理は私が作ることが多いです。洗濯や掃除は気づいた方がやるようにしています。一人暮らしだと放ったらかしにしちゃうこともあるので、パートナーがいることで自分もしっかりしようと思うんです。お互いに高めあう関係ですね。

パートナーシップ制度はいつか利用するつもりです。夫婦として認められたいという思いは強いです。日本は先進国なのに、同性婚ができない面では途上国だなって思います。

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小林 セクシュアリティーは個性だと思います。一人ひとり性格が違うのと一緒で、それを認めてくれる社会になってほしい。

須田 性別って男と女の二つじゃなくて、男でも女でもいたくない人もいる。理解できないから「気持ち悪い」ってなるんじゃなくて、理解できなくても「そこにいていい。その人がいることは当たり前なんだ」と思ってくれる社会になってほしいですね。

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(2017年5月5日「朝日新聞デジタル」より転載)