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「山の日」になる8月11日、「親子登山」のススメ

2014年08月11日 00時33分 JST | 更新 2014年11月05日 15時13分 JST

 2016年から8月11日が「山の日」として祝日になる。ヒマラヤや南極の山に登り、山岳専門雑誌の編集を長く続けた神奈川県鎌倉市の滝沢守生(たきざわもりお)さん(45歳)がいますすめるのが、親子でいっしょに山に登る「親子登山」だ。「登山は子育てそのもの」という滝沢さんは、山岳雑誌に親子登山の連載をもち、自身も家族を連れて毎月のように山登りに出かけている。

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 午前9時、鎌倉駅を出発。この日、滝沢さん親子がめざしたのは、ハイキングコースとしても有名な衣張山(きぬばりやま)(標高約120メートル)。市内に住む滝沢さんにとっては通い慣れた近所の低山だが、それでも一歩山に入ると苔むした岩や、覆いかぶさるような樹木に囲まれ、ふだんとはちがう空気に包まれる。

 「山はテーマパークとちがい、自分でいろいろな発見や遊びを見つけなければ楽しくない」。地面をじっくり観察すると大きなミミズが顔を出し、「エビみたいな変な生き物がいた!」と小学生のみかささんは驚きの声を上げた。木の上からは最近、鎌倉の山で増えているという外来種タイワンリスがこっちを見ている。さらに鎌倉の山では、昔の人が山に道を切り開いた「切通し」や、古い墓地など地域の歴史も見られる。「日本は、暮らしや歴史の多くが山と深く関係している。山を抜きに、日本の自然や文化は学べないほど」と滝沢さん。

 衣張山は大人にとっては低山だが、ところによっては急な坂や崖の上も歩く。みかささんは途中で疲れを見せながらも、「山登りは、頂上でお弁当を食べるのが一番の楽しみ」と目標に向かって一生懸命歩いた。

 「山登りは辛い作業です。でも頂上という目標を達成すると親子にとって大きな自信につながります。子どもには本来登る力があるはず。子どもの登る力を信じて、いかに引き出せるかが親の役目」と滝沢さん。

 親子登山では、いくら親が力持ちでも、子どもが登ってくれなければ登頂できない。親に必要なのは「いかに子ども自身に歩いてもらうかということ。山登りは子育てに似ています。叱られてばかりではやる気も出ない。大切なのは親と子が呼吸を合わせること」という。

 再来年から始まる8月11日の「山の日」について、「山の日と海の日がきっかけになり、親子で自然の中に出かけるアウトドアの入り口になってくれればいいですね」と話す。

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(上)寄り道しながら2時間ほどかけて衣張山に無事登頂(左下)倒木の裏には生き物がいっぱい(右下)この時間が最高!

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(上)昔の人が切り開いたのかなあ(下)今日はお母さんと兄弟は家で留守番。山頂から自宅を眺める親子

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落ちたら大変!慎重に崖の上を歩く

●「親子登山」5つのポイント

・標高差は400~500メートルくらいが目安。

いきなり有名な高山に挑戦するのではなく、近所の低山にも魅力は多い。歩き方や、登山のリズムなど、親子の呼吸感を少しずつつかみ、少しずつステップアップすることが大切。

関東でのオススメは、三頭山(東京都)、日向山(山梨県)、飯盛山(長野県)など

・タイムマネジメント ガイドブックなどに載っているコースタイムの倍が目安。子どもの歩く速さは大人とそれほど変わらないが、出発の準備や休憩には大人以上に時間がかかる。朝、早く出るのがポイント。余裕をもった計画だと道草もでき、不測の事態にも対応できる。

・子どももマイザックを持つ 水とおやつ、雨具をザックに入れて持つ。小学生で3~4キロほどが目安。自分の荷物を自分で持つことが自信につながるし、万が一のときには命綱になるかも。また、準備を自分ですれば、気持ちを高められる。

 

・できれば合同家族で 近所の家族、親戚など2~3家族合同で出かけると楽しい。仲間が多ければ助け合えるし、がんばれる。大人の目が多くなるのも安心材料。

・保険と登山届 ハイキング程度の登山であれば、国内旅行保険などでカバーされる可能性があるので、おうちの人と確認しよう。登山届は必ず提出する。最近は地元の警察署にインターネットで提出できるものもある

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滝沢家の最近のはやりはホットサンド。ハムやチーズ、マヨネーズを挟んで焼く。大人はオリーブやパテなどを挟んでもうまい。

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(左上)親子の登山のリズムを合わせて登る(右上)いつものサンドイッチも山で食べるとおいしい(下)近所の低山なら半日の休みでも出かけられる

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歩きながらもあれこれ会話が絶えない滝沢親子