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粕尾将一 Headshot

全身の痙攣、会話すらできない恐怖...運転中の「過呼吸」で死にかけた話。

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こんにちはー。
縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

先日、体調を崩してショーを休みました。1回目は出れたんですけど、嘔吐と発熱が酷かったので2回目は休ませてもらったんです。

シアターから自宅までは車で15分ぐらい。いつも自家用車で通勤しています。体調管理の不注意だなぁ...と考えながら、この日もいつも通り帰路へ。

この時、事件は起こりました。

突然、運転中に全身痙攣を起こし、ハンドルを握れなくなってしまったのです。慌てて車を停め、人生で初めて「HELP」と叫ぶ。偶然通りかかった警察が救急車を呼んでもらい大騒ぎです。

駆けつけてくれた救急隊員の話では「過呼吸」を起こしたようです。自分も名前だけは知っていましたが、本当に恐怖でした。

今回は人生初の「過呼吸」と「全身痙攣」の体験をまとめたいと思います。


■ 過呼吸は突然来る

これまで自分は過呼吸になったことがありません。まさか自分がなるとは夢にも思っていなかったんです。でもこの時はいくつかの悪い条件が重なってしまった。それが「体調不良」と「ガム」でした。

この日は体調不良で熱があったことから、普段より呼吸が荒かったんですよ。この状態でガムを噛むとさらに呼吸が不規則になり、息苦しき感じることがあります。すると無意識に呼吸が早まり、過呼吸へと拍車をかけてしまいました。

救急隊員の方にも「今後も体調不良でガムはやめとけ」と言われました。

また個人的に人生の転機というのも要因の一つだったのでしょう。心の何処かで「来年はどうしよう...」という不安が乗っかってます。頭の片隅では常に次の仕事を考えています。いわゆる「精神的ストレス」が続いてる状態だったのも、過呼吸を引き起こす原因だったのだと思います。


■ 過呼吸が運転中に起こる恐怖

痙攣が始まった時も、はじめは軽く考えていました。でもいったん始まると止まりません。あっという間に痙攣が広がり、全身の自由が奪われていきます。

最初は顔面。チクチクと違和感を覚えて引きつります。そして肩、両腕、腹部と、みるみる痺れが広がり痙攣を起こしていくのです。

とくに恐怖だったのが両腕。痙攣を起こした瞬間、自分は車の運転をしていたんです。だって過呼吸になってるなんて気付いていませんから。本人が気付かないうちに、全身痙攣が始まるところまで進んでしまったのです。

両腕が痙攣しハンドルが握れません。両手は内側に不自然に反り返ったまま、何も感覚が無い。もう死に物狂いでハンドルの隙間に腕を押し込み、どうにか近くのガソリンスタンドに車を停めました。

車を停めた数分後には、両足にも痙攣が広がって立てなくなりました。もし運転中に両足が痙攣していたらブレーキも踏めず・・・アウトでした。

会話ができない!という恐怖

車が止まり事故は免れましたが、痙攣した状態では「会話」すらできないのです。

助けを求めた警察官に「名前」や「状況」を説明しようにも、「かふふぉ、ふぉおいひぃ!(「かすおしょういち」って言いたい)」な状態。さらに頭はパニック寸前なので、英語もままならない。

結局パニックでも動けず地面に這いつくばったまま、数分後に到着した救急隊員に助けてもらいました。

会話が出来なくなるのは想像以上の恐怖です。何より説明できないコトがもどかしく、自分の名前すら言えない。もしや何か脳の病気!?という悪い想像ばかり頭に浮かんできます。


■ 過呼吸は誰でも発症しうる

過呼吸の原因は大きく「運動後」と「精神的な要因」に分けられます。今回の自分のケースはこの両方が重なったのだと推測しています。

マラソンやサッカーといった激しい運動の後に、たまたま、息が荒くなり、息苦しさや動悸を感じ、このまま死んでしまったらどうしようと「死の恐怖」を感じるようなショックな出来事があると、これが「キッカケ」になり過呼吸症候群の状態に陥ることが多いものです。

出典:過呼吸症候群(過換気発作の原因と対処)

過換気症候群は、几帳面・神経質・心配性といったストレスを受けやすい人に多く見られ、年代では10代や20代の若年層に多いと言われています。性別では女性の方が発症しやすく、男女比は1:2程度です。

出典:過呼吸(過換気症候群) | 体の不調の原因・症状・解消法

この日、1回目のショーは出演しました。激しい運動です。さらに「精神的な不安」がかさなり、ガムを噛んだことが引き金になりました。

そして過呼吸を起こしている間は想像以上の死の恐怖を味わいます。アクロバットやバンジーなどの比ではありません。これほどの目の前に死を感じ恐怖を覚えたのは初めてです。

発作中は非常に苦しく「このまま死んでしまうのではないか」という非常に強い恐怖に襲われます。結果としては予後は良い疾患ではありますが、発作の恐怖は軽視できるものではなく、過呼吸は軽く扱ってよいものではありません。

出典:過呼吸・過換気症候群が生じたときの3つの対処法とあやまった対処法


■ おわりに
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photo by steeleman204

後日、この話をシアターで友人にしてみました。

マジで死にそうになった!と力説しましたが、リアルな過呼吸を知らないと、あまり理解してもらえないんですよね。「あぁ、あの呼吸が苦しそうなのね」ぐらいの認識しかない人が、意外と多いのではないでしょうか。

たしかに過呼吸そのものは死に至る病ではありません。でも自分のように運転中に全身が痙攣してコントロール不能になったらどうしますか?家族や友人が過呼吸でパニックを起こしたとき、対処できますか?

マジで死ぬかも!?という恐怖で本人はパニックです。過呼吸は苦しいだけじゃなく、二次的な怪我や事故も引き起こしかねません。

とくに運動に関わる人は、「過呼吸」のことをきちんと理解しておく必要があると思います。

(2015年10月23日「なわとび1本で何でもできるのだ」より転載)

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