休憩時間は6分・・・もうこれ以上、学校と教師に「便利屋」を押付けてはいけない

一日の平均休憩時間「6分」の職業を知っていますか?これ、小学校の先生です。中学校の先生だと7分だそうです。労働基準法をガッツリ違反するレベルなんです。
School children in uniforms in class with tablets
School children in uniforms in class with tablets
Klaus Vedfelt via Getty Images

こんにちはー。

縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

一日の平均休憩時間「6分」の職業を知っていますか?

これ、小学校の先生です。

中学校の先生だと7分だそうです。

随分前にテレビでこの統計を見たんですが、その時はにわかに信じられませんでした。だって労働基準法をガッツリ違反するレベルなんです。

Q 休憩時間は法律で決まっていますか?

A 労働基準法第34条で、労働時間が

6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分

8時間を超える場合は、少なくとも1時間

の休憩を与えなければならない、と定めています。

出典:労働時間・休憩・休日関係|厚生労働省

小学校中学校ともに労働時間は10時間を超えています。労働基準法を適用するならば、本来なら1時間の休憩時間が必要なはず。でも実態はその10分の1です。

なぜ先生の休憩時間は少ない?

ではなぜこれほど休憩時間が少ないのでしょうか。それは学校に子供達がいる時間は休憩がないからです。

学校に子どもがいる間は、常に子どもの学習のための時間です。休み時間は次の授業の準備が必要です。給食はただのランチじゃありません。「食育」という立派な学習の時間です。

そして朝の会などの学級活動、掃除の時間、子どもの相談対応・・・先生方に休んでいる時間は無いんです。さらに下校時間のあとは、先生方だけの仕事が待っています。校務、会議、学校行事、こうしたやることが山のように溢れています。

学校と教師になにを求める?

こうして見てくると、学校の先生がいかに忙しく仕事をしているかがわかります。しかも2011年度からは学習指導要領が改定され、武道・ダンスの必修化や英語教育の導入などがされました。

しかし一方で「学校ではなにも教えてくれない」や「学校がちゃんと対応しない」「教師の質が低下している」「いじめに気付かないとはけしからん」という世間の声を頻繁に耳にするようになりました。

もう、、、学校と教師に求めすぎですよ。

学校と教師はガチで忙しい中、歯を食いしばってるんです。

学校が子育てを全て請負うのは不可能です。子どもを育てるのは社会全体です。学校と教師はその一つでしかありません。

そもそも「学校」で教えることは「教育基本法」で規定されていて、詳細を学習指導要領で規定しています。つまり法律で決めている。「あれをしろ」「これをするな」という理不尽な要求は、厳密にいうと法律に歯向かってるんです。学校や教師にも裁量はありますが、何でもできるわけじゃありません。

みんなで育てようよ

いまの学校教育では「生きる力」を育むことを目標にしています。

「生きる力」とはなにか?-- それは、知・徳・体のバランスのとれた力のこと変化の激しいこれからの社会を生きるために、

確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体を

バランスよく育てることが大切です「ゆとり」か「詰め込み」かではなく、基礎的・基本的な知識・技能の

習得と思考力・判断力・表現力等の育成との両方が必要です

この中には明確に「地域社会の協力」という文言があります。

子どもの教育は、学校だけで行われるものではありません。

子どもたちの「生きる力」をはぐくむためには、学校・家庭・地域が

相互に連携しつつ、社会全体で取り組むことが不可欠です。

このため、学校は家庭や地域に対し自らの教育活動の目標や

現状等について積極的に情報提供するとともに、家庭や地域の

連携・協力を求めていくことが必要です。

また、家庭や地域は、学校の教育活動を、保護者として、

地域の一員として支援するとともに、社会のあらゆる場で子どもたちの

「生きる力」をはぐくむための活動に取り組んでいただきたいと思います。

◆出典

大人たちが忙しいのは分かります。だからと言って、学校と教師に何でも押し付けてはいけません。もちろん家庭だけに押し付けるのも違います。子どもを育てるのは「学校・家庭・地域」の三者です。どれが欠けても歪が生まれます。

いま、地域から家庭へ、そして家庭から学校へと子ども達が少しずつ追いやられている印象を受けます。

大切な子どもたちです。みんなで育てましょうよ。

(2015年9月18日「なわとび1本で何でもできるのだ」より転載)

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