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昨年末のバター不足騒動は何だったのか?

2015年02月09日 23時49分 JST | 更新 2015年04月10日 18時12分 JST
時事通信社

今回の民主党役員人事で、ネクストキャビネット(次の内閣)農林水産大臣を拝命しました。

ネクスト大臣とは言え、農協改革をはじめ、問題山積の農林水産行政に初めて挑戦しますので、今、農林省の皆さんと一緒に猛勉強中です。

今は、外部から誤解していたことがたくさんあることにビックリ!

たとえば、昨年末のバター不足の問題の原因は何だったのか?

当時、農林省の酪農政策の失敗だとか、農畜産業振興機構の国家管理貿易が問題だとか、マスコミが批判しました。

私も、報道からはそのような印象を受け、真に受けていました。

調べてみると、いろんなことが判ってきました。

まず、生乳の生産が2013年に猛暑で減る中、脱脂粉乳・バター向けの量が約8%も減少。そこで、在庫が減りました。

昨年2014年も、乳牛の頭数が減り、生産減。脱脂粉乳・バター向けの量も同様に11月までの比較で約8%減少。確かに在庫は減りましたが、それだけが原因ではなかったのです。

在庫が減ったとは言え、昨年11月末にはバターで約2万トン、脱脂粉乳で約3万トンの在庫がありました(2010年度末在庫:バター約2万トン、脱脂粉乳約6万トン。)。

農畜産業振興機構の国家貿易でも、2014年度に追加輸入を生乳換算で約18万トン(毎年の基本輸入量:カレントアクセスは約14万トン。)しています。

スーパーの店先からバターが消えた原因は、主として、オイルショックの時のトイレットペーパーと同じ消費者心理だったのです。もちろん、町のパン屋さんや、ケーキ屋さん、ラーメン屋さんもバターを買いに走りました。

昨年10月末から、12月28日の週まで、全国の小売店の毎週のバター販売量は前年同期比で、2割から最大3割まで増加しています。商品の在庫はあったのですが、それ以上に買う人が多くてパニックになったのです。

騒動が一段落した12月末からは前年比マイナス1割が続いています。バターの賞味期限は半年くらいですから、今年の6月まではバターの販売は前年割れが続くでしょう。

確かに、時期的にクリスマス商戦前のバターの需要が大きくなる時期だったので、皆さんパニックになったのだと思います。

その意味では、農林省の広報体制には大問題があったと言えます。この点は、ぜひ、改善しなければなりません。

一方、農畜産業振興機構の国家貿易は、すべてのルールがWTOで決められており、日本政府としてはなかなか、別の手段は取れません。また、脱脂粉乳・バター向けの生産160万トン(2014年度、生乳換算)に比べて、14万トンの基本輸入量(カレント・アクセス)は市場経済を歪めるとまでは言えないと思います。

私は、経済性政策、財政金融や、社会保障が専門なので、その分野では、新聞がデタラメな記事を書いていればすぐに判ります。けっこう、多いですよ。特に、経済新聞と名のつくところほど、、、、苦笑。事実関係を調べずに、マスコミ報道に依存する怖さを痛感しました。