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失われつつある「政治家」そのものへの信頼...英国の「EU離脱」国民投票結果は、民主主義国家が直面する岐路である

投稿日: 更新:
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こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
少し参院選の話題から離れて、衝撃を与えたイギリスのEU離脱国民投票について、
私もちょっと想うところを書いておきたいと思います。

私は一時期、「直接民主制」を一部取り入れる政策を主張するミニ政党に所属し、
国民投票などの実態調査のために欧州各国に視察に行ったこともあります。

eusyunotokita

「直接民主政」などをめぐる欧州視察の過去ログはこちらから↓
http://otokitashun.com/tag/2015%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E8%A6%96%E5%AF%9F/

国民投票などの手段は、間接民主制を補完する手段として
非常に重要なものであるという認識は今も変わりませんし、
日本でも一定程度には積極的に取り入れるべきだと思っています。

しかしそんな私でも、今回のイギリスの国民投票の結果にはぶっ飛びました。

誤解を恐れず極端に言えば、日本で憲法9条が改正されるとか、
脱原発するか否かが国民投票で決まるというレベルではありません。
文字通り全世界に影響を与える大変化が、

「Yes / No」

を二元論で問いかける国民投票で決定されたのです。
これは民主主義の可能性とリスク、両方を示唆する出来事でした。

EU離脱という結論が良いのか悪いのかは、まだ判断することはできません。
ただひとつ言えることは、

「どんな変化であれ、急激に起こるものは大きな混乱を招く」

という確かな事実です。
イギリスを真っ二つに割り、予想外の結論が出た今回の国民投票は、
少なくとも短期的には、英国と世界に大きな禍根を残すことは間違いありません。

今回、この結果から私が特に注目しているのは、
『政治家』から国民の意思が乖離しつつあるのではないか?」という点です。

キャメロン首相や現ロンドン市長を始め、
「主流」と言われる有力政治家の多くはEU残留を主張していました。

民意で選ばれた代表者であるはずの政治家たちの意思を、
同じく民意である直接投票の結果が真っ向から否定してしまった

小さな政策レベルでこうした事象が起きるならまだしも、
「国体」という根源的な問題でこれが起きたことは、政治史上に残る衝撃だと思います。

先進国はどこも等しく低投票率に悩み、
少子高齢化に伴う「シルバーデモクラシー」に直面しつつあります。
実際、今回の「EU離脱」に英国若年層の多くは反対であったそうです。

参考:EU離脱という高度に政治的な判断を国民投票に委ねた結果
http://blogos.com/article/180956/

本来、国民の代表者として政治を司り、
中長期的な視点で国家運営を行うはずの政治家への信頼が損なわれ、
短絡的な「国民投票」という手段の濫用で、近視眼的な決断が繰り返されていく...。

こんなことが、我が国でも起こらないと、誰が断言できるでしょうか。
イギリスを含めた民主主義先進国はいま、大きなターニング・ポイントに立っています

最悪のシナリオに進まない方法は、単純ですが一つしかありません。

国民の政治的関心を高め、投票率を向上し、選挙で選ばれる政治家への信頼を取り戻すこと。
それによって常日頃から、国民と政治家の「ズレ」を最小限にする努力を続けていくこと。

こうすることで、いざ「国民投票」をすることになっても、
その前段階で充分な熟議が行われ、極端な分裂につながることは避けられるはずです。

「政治とは妥協の産物であり、可能性のアートである」

プロイセンの大宰相・ビスマルクが残した名言であり、
私が常に政治家として頭の片隅に置いている言葉でもあります。

0か100かはありえない。
急激な変化を避けながら、それでも着実に前に進めていく。
これが政治の勘所です。

でもその「まわりくどさ」ゆえに国民の政治離れは進み、
ときに国民投票という拙速な決断を求めてしまうのかもしれません。

「Yes / No」の二元論に集約してしまう国民投票は、
あくまで間接民主制を補完する一つの要素であるはずでした。

基本は、自分たちの代表者を議会に送り込むこと。
選挙で自分たちの意思を伝えること。これがうまく機能しなくなった問題点を、
奇しくも民主主義の母国・イギリスがいち早く示唆したのかもしれません。

だからやっぱりみんな、選挙に行こう。
常日頃から政治に興味関心を持ち、自分に一番近い政治家を選ぶ努力をしよう。
回りくどくても、わかりづらくても、少しずつ国を変えていく気持ちをもとう。

そんなことを強く感じた、英国のEU離脱国民投票。
今まさに行われている我が国の参院選に、良い意味での刺激となることを願うばかりです。

それでは、また明日。

(2016年6月26日「おときた駿公式ブログ」より転載)