アメリカで同性婚が合法化!「虹」とは、すべての多様性・自由の象徴である

こうした「多様性」「自由」「平和」という概念からいま一度「虹と政治」を見つめて考えてみるのも、面白いかもしれませんよ?

昨日からFacebook上で多くの人のプロフィール写真が虹色に染まり、「何事っ?!」とびっくりされた方も多いのではないかと思います。

これは、6月26日にアメリカの連邦最高裁判所がついに「同性婚は合憲である」との最終判断を下したことにより、米国で事実上の同性婚合法化がされたことを祝い、米国本社のFacebookが仕掛けた粋なはからいの一つなんです。

「同性婚は合憲」アメリカ、全ての州で合法に ホワイトハウスもレインボーに染まる

Facebookが、米国同性婚合法化を祝してレインボープロフィール画像機能をリリース

同性愛者やセクシャルマイノリティ(セクマイ)の運動の象徴とも言われる「虹色」ですが、どうして「虹(レインボー)」が彼らのシンボルとなったのでしょうか?

本日は、ご存知のない方は今さら聞きづらい、そんなお話をば。

そもそも虹がそのような政治的主張の象徴であることを知らない方もいれば、虹=同性愛者・セクマイというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。

しかしながら実は、政治的に「虹」という存在・カラーが表しているのは「多様性」「共存」ひいては「自由」というものすべてなのです。

虹は様々な色を含みますが、それらはすべて太陽の白色光から派生したものであり、人によって見え方も異なれば、各色に明確な線引をすることもできません。何より、どの色に優劣をつけることもできません。

こうした性質に対して人々が「多様性」という価値観を見出すことは自然な流れだと思いますし、同性愛者やセクマイたちが1970年代にその色を政治的活動の象徴として用いられる以前にも、様々な活動でシンボルカラーになってきました。

わかりやすいのが、黒人差別(人種差別)撤廃運動です。ほぼ単一民族である我々日本人にはなかなか実感する機会が少ないかもしれませんが、「肌の色」で差別されてきた人々にとって、まさに虹は自由と平等の象徴でした。

あの「アフリカの父」と呼ばれるネルソン・マンデラ氏も「我々は『虹の国』を目指す」と宣言してアパルトヘイトを撤廃。

白人社会と黒人社会の融合を推し進めました。

参考記事:「ネルソン・マンデラが目指した"虹の国"」

また調べた中では、虹をシンボルカラーに使った最古の団体は「国際協同組合同盟」というヨーロッパの組織のようで、「協同組合人同士の多様な利害関係に調和をもたらし、ひいては普遍的な平和を約束し希望をもたらす

として、1924年から採用されています。やはりここでも「多様」というキーワードは欠かせませんし、もう一つ「平和」という言葉も出てきています。

多様性を保ち、それぞれの自由を認めることは、平和をもたらす。

こうした考えた方から、他にこの虹の色は「平和運動」のシンボルとしてもフラッグカラーになっています。

参考:Wikipedia「平和の旗」

上記に紹介した以外にも、虹には「多様性の下の統一」など様々な意味合いが見出されています。「虹」に神秘的な雰囲気を見出し、なんとなく高貴なものとして捉えるのは、万国共通なようです。

冒頭の話しに戻ると、同性婚の合法化など「多様なあり方」が認められるのは、確実に不可逆な世界の潮流、時代の流れと言えます。

多様性を保ち、それぞれの自由を認めることは、平和をもたらす。裏を返せば視野狭窄な価値観は、自由を制限し、やがて差別や暴力を生み出します。

私はこの分野では一度やらかしてしまった人間なのであまり偉そうなことを言える立場ではないのですが(汗)、その後は微力ながらこの分野の行政対応の改善に取り組んだきた身として、今回のニュースは嬉しい限りです。

そんなわけで、今回の一連の虹色プロフィール画像大量発生を見て、「あまり同性愛者の活動とか、興味ないんだよねぇ...」という方は多いかもしれませんけど、こうした「多様性」「自由」「平和」という概念からいま一度「虹と政治」を見つめて考えてみるのも、面白いかもしれませんよ?

それでは、また明日。

(2015年6月28日おときた駿のブログより転載)

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