東京都と舛添要一氏がひた隠しにした「黒塗り資料」がついに一部公開!海外出張予算、その驚愕の内容とは...

パリ・ロンドン出張の資料の一部をいただきましたので、共有しておきたいと思います。初めに言っておきますと、なかなかのインパクトです。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

世間はすっかり小池新都政ですが、「舛添問題」で明らかになった東京都側の疑惑追及・改善を忘れてはならないと思います。

で、その疑惑の最たるものの一つであった、高額海外出張経費の「黒塗り資料」。舛添前知事が辞任直前に黒塗りを取ることを「検討する」と約束していましたが、この度正式に黒塗りを取った資料が開示される運びとなりました。

過去記事:舛添知事に海外出張費を開示請求→787枚で手数料21,060円!!さらに黒塗りだらけな件

早速、パリ・ロンドン出張の資料の一部をいただきましたので、共有しておきたいと思います。初めに言っておきますと、なかなかのインパクトです。

まずはこちら、ガイドのスケジュール。稼働日数や勤務時間が割り出されることで、人件費の単価が明るみに出ることを防ぐための黒塗り措置ですが、その他のスケジュール部分については「セキュリティ上の観点からも非公開にしている」という説明があったように記憶しています。

さぞ詳細な行動予定・時間などが記載されているのかと思いきや…

稼働した日に◯がついていただけ!?

なんか隠したこと云々以前に、この大雑把な資料の作り方が気になってしまいます…。

しかも大幅にスペースを黒塗りにしたことで、よっぽど隠したい情報があったのではないかという負のイメージまで醸成されており、結果として大きな損をしたのではないでしょうか。

まあしかし、この情報が開示されたことで追及できるポイントは増えますね。ガイドが4人同時に稼働した日が5日間もあるわけですが、どうしてそれだけのガイドがいっぺんに必要になったのか?などの疑問が浮上してきます。

そして肝心の金額部分。

こちらは「契約目途額」という、事前に都が立てた予算額です。文房具や消耗品で100円単位、あるいは複合機の設置においては50円単位で細かく金額が計上されているものの、単価も数量も不明なので追及の取っ掛かりすらない状態でした。

これが黒塗りを取ってみると、はいドーン。

ほとんどの数量が「1」でした。

にもかかわらず100円単位の細かい金額が算出されるのは、さらにここに至るまでにどうも都独自の細かい計算式が存在し、例えば文房具だったら「えんぴつ◯本で××円、消しゴム◯個で××円」のように積み上げ、その結果がこちらに計上されるそうです。

国によって金額が異なることから、おそらく現地の物価なども加味されているものと思われます。

それにしても、5番の「携帯電話の手配」の部分でWi-Fiルーターに至っては、「1,995円」という謎の金額で計上されています。2000円じゃダメなんでしょうか…。

しかも数量が「119(台・日)」とまとまっているのもよくわかりません。出張日数はトータル8日間だから、14台を8日間レンタルしてプラスαで119?うーん、謎が深まる。。

まあいずれにせよ、細かく計算するのを悪いとは言いません。言いませんけども、じゃあ実際にかかった実績額(旅行会社に支払った費用)と見比べてみましょう。

こちらも黒塗りが取れました↓

…もう、都の予算(見込み)との乖離具合が半端ないのがよくわかります。総額が乖離している問題点はすでに指摘されていましたが、単価・数量が明らかになったことで、個別の勘定項目も比較することが可能になりました。

見づらいと思うので、2番の「必要備品の手配・設置等」項目の一部(パリ編)をExcelで表にして比較してみましょう。

許容範囲と言えるのは文房具代くらいなもので、その他の項目ではおおむね3倍、カラー複合機やホワイトボードに至っては約15倍もの金額差が生じています(ちなみに実績の数字が1万円単位で綺麗に揃っているのは、旅行会社が手配して都に請求した金額だからです)。

そもそもなんだよ、14万円のホワイトボード(1台)って!!というのが普通の都民感覚でしょう。

そして複合機レンタルが95万円という計算が異常なのはもちろん、出張する際にホテルに複合機とパソコン4台を設置して作業しなければならない状況とはいったい何なのでしょうか。

「シン・ゴジラ」で対策室が設置されて、パソコンや複合機が搬入されるシーンがありましたが、それのミニチュア版をやっているってことですよね?設置業者の費用まで計上されており、これができないと現地ではたいへん困ったことになるそうです(職員談)。

もうこれは、出張中にやっていることの全面的な見直しが必要でしょう。足りない資料を印刷することくらいはあると思いますけど、複数台のパソコンと複合機の設置が必要な事務作業をやりに海外出張に行くなんて、どう考えても間違ってますからね。。

で、改めて単価や数量を黒塗りにしていた理由をおさらいしますと、「今後の入札業務に支障が出るから」でした。

つまり、都が予定している各種の単価が公開されてバレてしまうと、次年度以降は入札業者がその金額ギリギリを狙って入札してきてしまう。その結果、入札金額が高止まりするかもしれない、と。

…こんな適当な予算組みやってたら、旅行会社に食い物にされるに決まってるだろーがっ!!!(怒)

このパリ・ロンドンの場合は入札業者(近畿ツーリスト)が破格の条件で応札したために、予定額と実績額で大きな乖離が生まれたということはありますけど、そうじゃなかったらこんな適当な単価設定を逆手に取られ、さらに好きなように旅行会社に請求されていた可能性もあったわけです。

数量1なのに100円単位まで細かく計算してたのはいったいなんなの?と大いなる疑問を抱かないわけにはいきません。これまでの実績や計算手法を踏襲しているのでしょうが…いわゆる「お役所仕事」だった可能性が非常に高いと言えます。

そして海外視察でこんな予定額を想定しながら入札をやっているのだから、果たして豊洲新市場やオリンピックの見積もり・入札は一体どうなっているのやら…と思わずにはいられませんよね。。

とりあえず本日入手したのはごく一部に過ぎませんが、取り急ぎその部分はPDFファイルでこちらにアップしておきます。黒塗りと取れた後の、ビフォー・アフターで。

9月中には少なくとも、パリ・ロンドン出張に関しては黒塗りが取れた全資料が入手できる予定ですので、また手に入れたらこちらですべて公開させていただきます。

精査したらとんでもない見積もりが、まだまだたくさん出てくる可能性があります。そしてこれが、すべての都の体質につながっている可能性も…。

私自身も引き続き、こちらのデータ・数値から読み取れることを調査していきます。皆さまからもお気づきの点があれば、ぜひご指摘いただけると幸いです。

それでは、また明日。

(2016年8月29日「おときた駿 公式サイト」より転載)

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