Huffpost Japan
ブログ

ハフポストの言論空間を作るブロガーより、新しい視点とリアルタイムの分析をお届けします

おときた駿 Headshot

四者協議で都が得たのは、2つの大きな成果。IOCへの開かれたパイプと、さらなる予算削減の可能性

投稿日: 更新:
印刷

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

注目された五輪会場決定を行う「四者協議」から一夜あけて、大きな反響があります。

tokyoolympiccostrethink

昨晩出演したBSフジ「プライムニュース」でもコメントしましたが、まずこの四者協議では大きく2つの評価できるポイントがありました。

一つ目はIOCとの直接的なパイプができ、様々な情報が明らかになったことです。

これまでは情報公開に極めて消極的な五輪組織委員会の陣頭指揮の元、いつ・どこで・誰が・何を決めているのかわからないままに、予算の膨張という事実だけが独り歩きを続けていました。

こうした状況について、二言目には「IOCの意向」などと述べてきた五輪組織委員会でしたが、今回の四者協議のプロセスを通じてむしろ、IOC自体が五輪組織委員会の運営や資金繰りに強い懸念を持っていることが明らかになりました。

縮減しても2兆円=東京五輪経費、深まる懸念(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016112900811&g=spo

こちらの海外記事などはもっとストレートに、IOC側の懸念を説明しています。

「都合が悪いことは外に出さない」という姿勢は、この情報化社会においてもはや通用しないことは明白であり、都民・国民の多額の税負担を要する東京五輪であればなおさらです。

これまで極めて不正常な状態で進行してきた五輪運営を、正常な道に戻す第一歩が踏み出せた意味は非常に大きいと思います。

もう一つは、予算削減の可能性が示せたことです。

最初に小池知事が五輪予算の見直しに言及した際、森会長ら関係者や都議会自民党らは一斉に「すでに我々が十分にやったこと」「勉強不足だ」と批判を浴びせました。

しかしながら、実際はどうでしょうか。会場変更が行われなかったにもかかわらず、対案をぶつけて真剣な検討を行った結果、最低でも400億円(3割弱)の建設予算がカットできることになりました。

2兆円とも言われる全体予算から見れば小さく見えてしまうかもしれませんが、400億円は様々な社会課題を一気に解決できるくらいの非常に大きな数字です。

「もうすでに絞った」と言われた状態からこれだけのダイエットができたわけですから、当然に建設費以外の面でも、五輪組織委員会が示した数字には削減の可能性があるということになります。

それが証明できたことは、大きな功績であると言えるでしょう。

もちろん今回の一連の流れは、結局のところ「一つの会場も見直せなかったではないか!」という見方もできますし、政治家の結果責任としてその批判を真摯に受けとめる必要はあります。

一方で、少なくとも金銭的には大きなコスト・リスクを背負うことなく、上記2つのメリットを引き出した小池知事の手法については、十分に評価されるべきであると私は考えています。

また個人的にはボート競技上の長沼案が採用されなかったのは大変残念でしたが、長沼はキャンプ地として活用されることがIOCによって確約されました。

100%の期待に応えることはできませんでしたし、少なからぬ失望の声があることも承知しておりますが、「復興五輪」というコンセプトの一部がしっかりと宮城にもたらされたことは、決して小さくない成果の一つではないかと思います。

なお有明アリーナについては、結論が12月まで先送りされたことは少々意外でした。

既存施設を最大限に活用する可能性を最後まで探りつつ、有明アリーナ案になる場合には、民間資本との連携などでリスクを最小限にする方法を考えているものと思われます。

有明アリーナ、民間資本活用か=整備費縮減目指し-東京五輪
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016113000892&g=spo

仮に有明アリーナを新設するのであれば、どうしても赤字経営を許容しがちな行政が単独で建てるよりも、利益に対してシビアな民間資本が活用されるのは望ましい方向です。

しかしながら一部の人々にとっては、行政管理にしておいた方が天下り先の外郭団体に運営を委託できるなどの「うまみ」があるので、この部分でも相当根強い抵抗が起こることが予想されます。

そのあたりを横浜案・有明案でコンペしながら、最善の利益に向けて着地点を検討していくのでしょう。

こちらについては引き続き着目し、また議会としてもオリパラ特別委員会などを通じて建設的な提案をしていきたいと思います。

それでは、また明日。

(2016年11月30日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)