人は未知を恐れる。ならば、知らしむべし!例えば、トゥレット症候群

私たちはどうしても、「異質なもの」「未知なもの」に恐怖感を覚えます。だから、こうした突飛な行動を取る人は、防衛本能として排除しようとします。裏を返せば、知ってさえしまえば怖くないのです。

本日は参議院議員会館にて、

「トゥレット症候群理解啓発のための議員会館上映会(&講演会)」

に参加をして参りました。

(というか、スタッフとしてPAやってました。)

トゥレット症候群とはいわゆる発達障害の一種で、

突発的に奇声を上げてしまったり、落ち着きない行動を取ってしまう

「チック」と呼ばれる症状を伴うものです。

定義が複雑ですので、詳しくはこちらなどを...

まず、「トゥレットなんかに負けないぞ!」という

ドキュメンタリームービーの上映から始まります。実際にトゥレット症候群を持ち、

チックに悩まされる子どもたちの生々しい体験談がこれでもかと流されます。

「みんな、僕を仲間はずれにする」

「周りと同じような生活は送れない」

「他人に迷惑をかけないように必死で、勉強にも遊びにも身が入らない」

この病気は4歳~18歳ごろに発症する病気で、

年端もいかない子どもたちの告白は本当に胸を打ちます。

「日本は多様性がないから、人と違う行動をとる人間を排除しがちで...」

なんて言いたところですが、

こちらは海外ムービーで、出演者もすべて外国の子どもたち(アメリカかな?)。

突発的な行動を取ってしまう人々が変人扱いされ、

コミュニティから排除されるのは世界でも共通の事象なのです。

第二部は、トゥレット症候群などの発達障害のお子様を

実際に二人お持ちの医師、三宅先生からの講演。

発達障害は後天的に発症・発覚する場合が多く、

健常だと思われていた子が二人とも発達障害になるのは

数十万分の一以下の非常に珍しい確率ということで、

「これはもう、神様に選ばれたという他ありません」

とややもすると自嘲気味(?)に語る三宅先生から、

トゥレット症候群を持つ家族としての厳しい現実が語られました。

自分の意思に反して突発的な行動をしてしまうトゥレット症候群患者は、

集団生活から排除される=普通の仕事ができない。公共交通機関でも、

痴漢などに間違われて通報される。自由に移動すらできない。。

18歳程度で症状が緩和されることが一般的と言われますが、

大人になってもチックが発症し続けるケースもあり、

その場合の社会生活は極めて困難なものになります。

三宅先生の奥さまは、将来を考えて悲観的になり、

なんども「生きる意味」や「自殺」について考えを巡らせたそうです。

「チック(トゥレット)は、『痒み』みたいなもの。

気づいたらかかないと、居ても立っても居られなくなる」

という子どもの言葉がとても印象的でした。

奇声を上げたいわけでも、暴れたいわけでもなく、

これは脳の障害によって引き起こされるだけの事象なのです。

私たちはどうしても、「異質なもの」「未知なもの」に恐怖感を覚えます

だから、こうした突飛な行動を取る人は、防衛本能として排除しようとします。

裏を返せば、知ってさえしまえば怖くないのです

目の前の事象を「そういうもの」だとしてわかる人が増えれば、

トゥレットをお持ちの方々も少しずつ、住みやすい社会になってくるでしょう。

しかし、こうした方々への行政支援というのは本当に難しい...。

普及啓発はもちろん大事ですけど、アイスバケツチャレンジ並のキャンペーンがなければ、

なかなかこうしたマイナーな病気の実態が伝わることはありませんから。。

あれだけ政府や行政が力を入れているマタニティマークですら

認知が進まない中で、こうした発達障害の症状についての周知徹底はさらに

困難を極めるものになりますが、地方自治体としても協力できる方法を探していきたいと思います。

ちょっと今は政策的なアプローチが正直思いつかないのですが、

ぜひ皆さまからもご意見やアイディアをいただければ幸いです。

そしてまずは

「トゥレット症候群」

(発見者の方の名前だそうです)

皆さんもぜひ、この言葉と症状を覚えてください。

学年に一人くらいいたあの子も、ひょっとしたら、

自分の意思と反する行動と闘っていたのかもしれません。

それでは、また明日。

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