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4億の売上が15年で52億に!アマノフーズのフリーズドライは失敗の積み重ねだった

2015年05月11日 01時56分 JST | 更新 2016年05月09日 18時12分 JST

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コンビニやスーパーで見かけることの多くなったフリーズドライ。乾燥した固体にお湯をそそぐだけで、お味噌汁やお粥、にゅうめんや鍋などを、手軽に美味しく食べられることで人気を集めています。

フリーズドライの人気を牽引してきたのがアマノフーズ。近年ではフリーズドライのアンテナショップ展開や、ハードワーカーに向けた応援キャンペーンなど新しい取り組みにも力をいれています。

15年前の当社の通販売上は4億円ぐらいの売り上げしかなかったんですよ。何にも宣伝してなくて口コミでずーっと4億円だった。それなら宣伝してみようってことで、取り組んでみたら6億円に。それが、9億円になり10億円なり15億円なり、お蔭様で52億円の売り上げにまで行けちゃいました。最盛期は生産が追いつかないほどの人気です。ありあがたいです。

そう語るのは天野実業株式会社 ABC+開発室 室長の島村雅人さん。なぜこれほどまで人気を博すことになったのか。そこには失敗の積み重ねと試行錯誤がありました。

―味噌汁などのフリーズドライは昔から主力商品だったのですか?

インスタントラーメンなどに入っている焼豚とイカと海老と油揚げのフリーズドライ。天野実業はこの4つでもともとやってたんです。なので上司から「いらんことはせんで良い」って言われていたんですが、だんだんコスト競争が激しくなってジリ貧になってきて「フリーズドライの味噌汁はどうだ」となったのが約30年前ですわ。

その時は、私と上司と先輩の3人で作った。フリーズドライ用の味噌をまず用意しないといけないので、あるインスタント味噌汁会社に「味噌をください」とお願いしにいったら「売らない」と断られて。なので、全国の味噌を集めるとこからのスタートです。

色んな味噌をブレンドして美味しい味噌を作りました。その時に出来たのが、ほうれん草、シジミ、エノキの味噌汁、豚汁、かす汁、納豆汁です。ただ、納豆汁を発売したと思ったら納豆菌が工場汚染のようになって、「これはもう作っちゃだめだ」と言われてアウト。かす汁も作ったんですけど、お湯をそそいでも酒粕がうまく戻らなくてパー。酒粕が違うと復元する、しないがあって。これも商品化としてはアウトだった。

結局残ったのが、エノキ1種とシジミ1種と、ほうれん草の具材を使った味噌汁の2種。あと豚汁も一応細々とやってたんですけど、当時は高すぎて。なので4つが定番品。

その後、ラインナップを増やそうとなって、ごぼうや茄子など色んなものを作った。ただ、具材を増やすだけじゃないんですよ。味噌と具材を順列組合せにして色んなパターンを作るんです。赤だし、白味噌、麦味噌、色んな味噌で試したりブレンドして、色んな具材で試してみた。この試行錯誤の結果が現在200種類ほどあるラインナップに繋がっています。

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しじみの味噌汁

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しじみの殻まで入っている

―味噌汁のラインナップを増やす上で苦労した点は?

油揚げですね。油揚げは豆腐屋さんにいってフリーズドライ向けの油揚げを作ったんですよ。当時の油揚げは寿司揚げっていうので、周りはあるけど中身がないんです。中身は米を入れたりするから。だから中身がスポンジ状になって上がカリッとした油揚げってなかったんですよ当時。

それに、昔は油ってサラダ油とか大豆油を使っていたので、それをフリーズドライ商品用に酸化しない別の油に変えてくれとか、色々注文したんですわ。交渉であーだこーだいうて、喧嘩しながら作り上げました。

でも、そこまでして作った油揚げを切ったらボロボロになるんですよ。「これは駄目だ...」と思ったけど、必死になって研究してどうにかなった。そんな感じです。

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―味噌汁以外にも多くのフリーズドライ商品を作られていますが、これは失敗したという商品はあるのでしょうか?

失敗例はたくさんありますよ。一晩中でも話せます。シジミやアサリの味噌汁を殻付きで出したらウケたので、調子にのってカニの爪付きも作ったんです。けど、これはまったく売れなかった。その後に、今売っているカニの爪から身を出したやつを作ったら売れたという。これはショックでしたね。

ほかにも、ラボでは成功したけど、量産したら大失敗いうことがあるんです。天野実業は薬味とかそういうやつも作っていて、大根おろしを作ってみたんです。ラボでは成功しているので、パッケージのデザインもしてカタログにまで載っけて。

その時は、海外で大根おろしを量産してコストを下げようと思っていたんです。現地に行って乾燥(フリーズドライ)までしたんですけど、粉砕する時に粉砕機の中で熱を持って、粉にするときに熱が酵素と意地悪をして、日本に入れたら変色してたんです。それを気付かずに二回もやってしまったんです。味は大根おろしなんですけど、白くない大根おろしは販売できない...。

結局、1000万円損失して役員会で土下座しました。完全に失敗です。

―味噌汁に加えて、親子丼やカレー、鍋などさまざまな商品を作っていますが、今挑戦しているフリーズドライ商品はありますか?

揚げ出し豆腐とか生姜焼きとか、おかず的なものを色々トライしてみようかなと。これはトライなんで、作れるかどうかはわからない。まだそういうおかず的なフリーズドライって世にないじゃないですか。

昔、フライパンに水やお湯を入れて1分で調理ができる商品を作ったんですよ。そしたらスーパーのバイヤーさんが「天野さんって、お湯を入れるだけでワンタッチやないの?」と言われて企画が通らなかったんです。

他の会社さんだと一手間がOKでも天野実業ってそういうイメージがあるんで。求められるハードルが高いんですよ。それと「生姜焼きも、お湯を入れて食べないといけないのか?」っていうジレンマと闘ってます。

あと、牡蠣の味噌汁に挑戦してます。この間できたんですよ、最高の味で。「よしっ!これは行ける!」と思ったら、1週間たったら酸化して食べられなくなりました。ちょっとショック受けてるんですよ今。

でも、前は乾燥したらすぐ駄目だったんですけど、1週間まできました。よしよしと思って、じゃあこれを1ヶ月に延ばすのはどうするかを考えています。毎回、そういうパターンですよ。最初はなんでもまず取り掛かって、問題点をどうなくすかと今も日夜やってます。

アマノフーズ 公式オンラインショップ

(文/しらべぇ編集部・砂流恵介)

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