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「スティーブ・ジョブズ本」の6年の歴史を徹底調査! 遂には料理人、師匠まで登場

2014年08月10日 23時27分 JST | 更新 2014年10月09日 18時12分 JST

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書店のビジネス書コーナーに足を運ぶと、実にさまざまな本が並んでいます。そのなかでも根強い人気を誇るのが、アップル社の元CEO、故スティーブ・ジョブズにまつわる内容のものです。世界的大ヒットをおさめた「iPod」や「iPhone」を生み出した彼への注目の動向は、そのままビジネス書での人気と連動します。

ジョブズにまつわる本は、彼個人の思想に迫ったものから、アップル社という組織での振る舞い方を紹介したものまでさまざま。これらだけでひとつのジャンルを形成しているのです。こうした「ジョブズ本」の歴史をたどると、彼がビジネス書業界においてどのように受容されてきたのか、あるいはどのようにして価値が再発見されてきたのかが見えてきます。

今回は、これまで数多刊行されてきたジョブズ本のなかから、時代を追ってジョブズへの注目ポイントの変遷をご紹介します。

■2008年~2010年:【黎明期】ジョブズの個性に注目が集まった時代

2007年のiPhone発売以降、国内でのアップル社そしてジョブズに対する注目がこれまで以上に高まりました。量産され続けていた経営者本に、本格的にジョブズが参入したのです。

『スティーブ・ジョブズの流儀』(2008年、著者:リーアンダーケイニー、訳者:三木俊哉、武田ランダムハウスジャパン)

ジョブズの個性的な発言や組織に対する考え方を紹介した本です。この時期からビジネス誌で、「なぜ日本にはジョブズのような人材が育たないのか?」という紋切り型の日本文化批判が行われ始めるようになります。

『スティーブ・ジョブズ 驚異のブレゼン』(2010年、著者:カーマイン・ガロ、訳者:井口耕二、日経BP社)

ジョブズの個性が称揚されるようになると、彼が成すあらゆるものが注目され始めます。特に、本書のように印象的な彼のプレゼン術を紹介したものは爆発的なヒットをおさめます。ジョブズから影響をうけた(?)ベンチャー企業の社長が、ピンマイクをつけながら壇上でプレゼンし始めるのもこの時期ですね。

■2011年:【バブル期】故人となったジョブズを伝説扱いする本が乱立

2003年より患っていた癌が悪化し、ついに2011年10月、ジョブズはこの世を去ります。彼の死をうけ、この年はジョブズ本がこれまで以上に量産されました。

『スティーブ・ジョブズだったら、こうするね ~カリスマリーダーの問題解決力~』(2011年、著者:桑原晃弥、あさ出版)

ジョブズの仕事上のエピソードを通して、サラリーマンが抱えがちな悩みを本人の代理人かのように著者が解説していきます(まさにタイトル通り!)。本書が刊行されたちょうど2011年8月、ジョブズはアップル社のCEOを退いています。ジョブズ本人が沈黙でも、こんな本が出てしまうほどに彼のエピソードが溜まってきた証拠だと言えるでしょう。

『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』(2011年、著者:ウォルター・アイザックソン、訳者:井口耕二、講談社)

ジョブズの没後、公式自伝本が緊急発売されます。こちらは2巻で約900ページにわたる超大作です。本書の刊行によって、量産されてきたジョブズ本がこの一冊に収斂していったといっても過言ではないでしょう。ここがジョブズ本におけるひとつのターニングポイントとなります。

■2012年:【アップル関係者告白期】ジョブズがいたアップル社の話も聞きたいっしょ?

公式自伝が出たのでこれにて終息、と思いきや、話はまだ終わっていなかったのです。ジョブズが亡くなった翌年、今度は彼が率いたアップル社内部のメンバーによる本が続々出されるようになりました。

『Think Simple - アップルを生みだす熱狂的哲学』(2012年、著者:ケン・シーガル、訳者:高橋則明、NHK出版)

「ジョブズまわり」で働いていた著者によるアップル社の内実について解説された本です。「iMac」を名付けた著者は、アップル社内で貫かれていたシンプルな習慣を、具体的なエピソードを踏まえながら解説していきます。ジョブズ本人が不在でも、アップル社をテーマにした本ならばまだまだ価値を持っていることが示された結果となりました。

『インサイド・アップル』(2012年、著者:アダム・ラシンスキー、訳者:依田卓巳、早川書房)

複数の社内人物の証言をもとに、アップル社独自の企業文化を紹介していきます。ジョブズ本からアップル本へ。2012年はそんなシフトが起きた年と言えるでしょう。

■2013年~現在:【取り巻き期】とにかくジョブズとかかわってた人の話聞きたいっしょ?

ジョブズ本人の言葉も、彼が率いたアップル社に関する情報も出尽くした2013年。もはや彼に関する本はネタ切れかと思われたのですが、意外な場所にほかの道が残されていたのです!

『ジョブズの料理人 寿司職人、スティーブ・ジョブズとシリコンバレーとの26年』(2013年、編集:日経BP社出版局、日経BP社)

なるほど、そうきたか! と思わず唸ってしまいそうな本です。ジョブズについての総括を終えても、アップル社内部の人に話を聞き終えたとしても、まだまだジョブズの周辺人物は存在します。そこで目をつけられたのが、シリコンバレーでジョブズに寿司を提供していた料理人です。いきつけの店の料理人の声すらコンテンツになるだなんて、ジョブズの偉大さは底を知りません。そして...

『ぼくがジョブズに教えたこと ――「才能」が集まる会社をつくる51条』(2014年、著者:ノーラン・ブッシュネル、ジーン・ストーン、訳者:井口耕二、飛鳥新社)

ジョブズ本の最新版がこれです! かつてジョブズの指導的立場だったという伝説の起業家によるビジネス書です。そりゃあ、ジョブズが偉大なら、ジョブズを教えた立場の人も偉大...と考えるのは自然なこと。いやぁ、ひとりの生徒の存在をメインコンテンツにした師匠本とは、参りましたね! だって、ここに書かれている内容はもしかしたら、「ぼくがスペイシーに教えたこと」や「ぼくがブシェミに教えたこと」かもしれない、つまり、ジョブズになれなかった人も教わったことなのかもしれないわけですから。

ただしこの作品、原題は、「Finding the Next Steve Jobs」です。「次のジョブズを探せ!」という人材発掘をテーマにした本なので、少しだけ日本語タイトルとはニュアンスが違うことがわかります。

■まとめ

当初は経営手腕やプレゼン術といった彼の資質にフォーカスを当てたものが中心だったジョブズ本。2011年、彼が亡くなったことで伝記を中心とした「総括本」が主流となります。翌年以降は、アップル社の元社員など彼の周囲にいた人物の声を集めた本が中心となりました。そして今日、ジョブズの料理人や師匠など、直接アップル社の業務をしていたわけではないものの、なんからかの形でジョブズとかかわっていた人物の声を集めたものが出るようになったのです。

このように、ジョブズ本が売れ続ける限り、彼にまつわる本は今後も出続けることは間違いありません。料理人の次は...『ジョブズの連帯保証人』や『ジョブズのいとこの友達の彼女』なんてタイトルの本はどうでしょうか!?

(取材・文/しらべえ編集部・高梁孝太郎)

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