BLOG

勉強会から大規模カンファレンスまで使える イベント主催者向けチェックリスト(登壇者との連絡編)

2015年06月04日 18時25分 JST | 更新 2016年06月02日 18時12分 JST

2015-06-03-1433310118-4611371-20150603_sixapart_01.png

こんにちは、Six Apart ブログアオキです。

アオキがこれまで参加者が数名程度の小さな勉強会から、数百名規模のカンファレンスまで実行委員長として仕切ってきた経験からイベント運営ノウハウを語る、というこの連載も第三回目になりました。

第一回「企画&告知編」は200以上、第二回「開催直前&前日編」も400以上のFacebook いいね!をいただき、大変好評で小躍りしております。

第三回目の今回は「イベント当日編」を予定していたのですが、読者より「登壇者とのスムーズなやりとりについて詳しく知りたい」とご意見をいただき、予定を変更して「登壇者とのやりとり編」をお送りします。アオキ個人の経験に加え、登壇者側の視点も追加すべく、他者主催のイベントにも登壇してきたSix Apartのスタッフからの意見もたくさん盛り込んでます。

イベントの主役は登壇者! 彼ら(彼女ら)が発表内容に集中できるための運営側からの心配りは、イベント成功の鍵の一つといっても過言ではありません。登壇者とやりとりをする担当者はどうする? イベント前・イベント後にどんな連絡をしておくべき? といったポイントをまとめました。イベント運営者必見の内容です。

登壇者とやりとりするイベント運営側スタッフを決めよう!

複数の登壇者との連絡の窓口を、運営スタッフの一人に固定するのか、登壇者ごとに個別に担当者を付けるのかは最初に考えるべきポイント。どちらにするかは、イベントの大小よりも、イベントの状況で決まります。窓口一人制と、個別担当者制、それぞれの留意点をまとめてみます。

忘れてならないのは、登壇者から見える「窓口担当者」は「一人」であることです。運営スタッフ側の窓口担当者が一人か複数かなんて、登壇者側は知る由もありませんし、関係ないことです。

全登壇者に対し、窓口担当が一人の場合

一人で担当する場合のメリットは、「全登壇者との連絡の流れを把握しやすい」に尽きます。ただ、そのぶん負担は大きくなります。登壇者とのやりとりを一人で一手に引き受けるのは、かなりの労力です。登壇者との折衝・連絡窓口を「一人」に固定する場合は、その窓口担当者には他の役割分担は与えず、登壇者とのやりとりに注力してもらいましょう。

窓口を一人で担当する場合でも、連絡手段がメールならばCCにサブ担当者かイベント責任者を入れ、他の担当者とも情報を共有することは必須です。こうしておけば、担当者に不慮の事態が発生したときでも、他のスタッフがフォローできます。

登壇者ごとに窓口担当者がいる場合

社員のつながりをたどって直に登壇を依頼することもあるでしょう。その場合、登壇者とつながりを持っているスタッフが、そのまま窓口担当になるのが自然な流れです。それまでの付き合いがあるからこそ、やりとりが円滑に進むメリットはあります。ただし、付き合いがあることによる甘えで、「なあなあ」になってしまうのは避けましょう。

窓口が複数になるデメリットは「全体の流れを把握しにくい」、「窓口担当者ごとに伝達内容が違う」というミスが起きやすいこと。個別窓口担当制であっても、全体の流れを統括する責任者はどちらにしても必要でしょう。担当者によって対応が違うといった事態にならないように、メールのCCにイベント責任者&窓口統括責任者を入れておく、連絡の進捗度を本連載の第一回「企画&告知編」でまとめたイベント管理ツール、などに逐一報告しておくことが大事です。

登壇者が慣れているツールで連絡を取る

登壇者との連絡手段を「メール」なり「Facebook」なりどれか一つに絞りたい気持ちは、(特に窓口一人固定制の場合)とっっっても良く分かりますが、「登壇者が慣れているツールに合わせる」のが基本です。

登壇者は忙しい時間を縫って、オファーを引き受けてくださっています。スケジュール調整、発表のスライド作り、リハーサルなど登壇準備の為に多くの時間を割いています。登壇者に慣れない連絡手段ツールでのやりとりを強いて四苦八苦させる時間はムダでしかありません。そのエネルギーは、発表準備に充てていただきましょう。

窓口担当者には手間になりますが、登壇者が一番やりやすい連絡手段方法に合わせる心づもりでいましょう。

連絡手段が決まれば、イベントに向けた細かいやりとりが始まります。「登壇者が知りたいこと」と「登壇者に伝えること」と視点を分けてまとめました。登壇者に連絡するという点では同じなのですが、「登壇者側に立った視点」と「スタッフ側に立った視点」では違いがあることも、知っておいてほしいのです。

2015-06-03-1433310155-9209408-20150603_sixapart_02.jpg

登壇者が知りたいことに応える

登壇者の立場で、知りたいと思うことをまとめました。

イベントの日時・場所

いつ&どこでは登壇依頼をするときに既に確認しているべき基本情報ではあるでしょう。ただ、日時は確定していても、小規模なイベントであれば会場が未定ということもあるかと思います。そんなときでも、会場の候補地リストくらいは伝えておきたいものです。

大規模なイベントであれば、開催日が二日間に渡るケースもあるでしょう。セッションの組み具合によっては、登壇日が確定していない場合もあるかもしれませんが、原則としてはそんな依頼にならないように。遠方からお招きする場合は、交通手段や宿の手配などもありますので、登壇日が確定してから依頼したいものです。

テーマは? 参加者属性は?

イベントのテーマがあいまいなままでは、発表の内容を作ることはできません。

そして、イベントの参加者のターゲット層は重要な情報です。「セキュリティ」というテーマでも、参加者層のターゲットが「エンジニア」なのか「ディレクター」なのかでかなり内容が異なります。

「テーマ」だけを伝えて「ターゲット層」を伝え忘れるのはよくあること。イベント集客ツールで、参加申込み時に、名前やメールアドレス以外に、職種欄などを設定しましょう。参加申し込みを開始してみると、意外なターゲット層が多く申し込んでる!となることもあります。(目的とするターゲット層が想定外であれば、そこから、告知先や手段の再検討が必要にもなるでしょう)

早い段階で申し込み参加者層は集計して、登壇者に伝えてあげましょう。手間ではありますが、この手間が登壇者にも参加者にも「マッチした内容」となり、イベントの満足度につながります。

登壇順序&他の登壇者との兼ね合い

イベントにおいて、登壇順序は重要です。

プログラムの最初には「基調講演」(キーノート)が入ることが多いです。「基調講演」を依頼する場合は、その旨をしっかりと伝えなければなりません。

登壇者側も「基調講演」であるならば、「イベントのテーマに則った」「ターゲットの参加者層に合った」内容をより意識して作ってくださいます。

「誰が、どんな内容で、どの順番で登壇するのか?」の情報も必要です。他のセッションと内容が被ってはいけませんし(被りたくないし)、登壇者というのは基本的に「いかにウケるか」を考える心理の持ち主と考えてください。自分の前後の登壇者とその内容が分かれば、その流れに続く内容で組んでみたり、あるいは闘志を燃やすものです。または登壇者同士が知り合いであれば、「自分のプレゼンの中でアイツをイジってウケ狙い」なんて事も狙う可愛い......おっと失礼、サービス精神に溢れている登壇者も多いのです。

プログラムの一番最後の「大トリ」も重要なコマです。「大トリ」と知れば、登壇者も張り切るでしょう。トリであるならば、全体をまとめる方向で内容を作成していきたいからです。(大トリならば、と全ての話題をかっさらう方向に張り切る登壇者も多いですけどね!?)

つまり、第一回「企画&告知編」・第二回「開催直前&前日編」でしつこい程に強調してきた「プログラム情報」は、スタッフ間だけでなく登壇者にも重要、ということです。

イベントの参加申込が始まってるのに、なぜか「プログラム情報」は(仮)のままであったり、いつまでも調整中だったり......残念ながら多いですよね。これでは、参加者も申込みようがありませんし、登壇者もプレゼン内容を組みにくいのです。プログラム情報は、最初から完璧でなくてもかまいません。決まった内容からドンドン公開(更新)していきましょう。

持ち時間は何分?

基本的すぎることですが、「持ち時間」も地味に大切。10分のズレが大きく影響するからです。壇上に上がるやいなや、「50分だと思ってたんですが、実は40分だったらしくて...」と焦りながら言い訳する光景、たまに見かけませんか?

そういう場合って、大抵イベント公式サイトの掲載情報が「プログラム(仮)」のままである事が多いです。「持ち時間は何分です」と最初の登壇依頼段階に情報を提供したあとは、その後のやりとりの中で、何度も「あなたの持ち時間は何分です」って伝えることってまずありません。

そうすると、忙しい登壇者は「前のメールを見直して、自分の持ち時間が何分だったか」だなんてイチイチ確認しません。そんなときはイベント公式サイトor募集サイトのプログラムを見て、「あ、自分の持ち時間は40分なんだな」って確認する程度なんです。さあ、そのプログラムが、(仮)のままだったら...? 休憩時間を含んだ時間になってたら......?

こういった、プログラム情報の管理の甘さが、登壇者の「持ち時間の把握」に影響します。前節から強調しっぱなしですが、「プログラムの更新」は怠らないように。

ネット環境の有無と接続方法

ネットに接続してのデモをプレゼンに組み込む登壇者も増えています。ネット環境があるか登壇者は気にします。モバイルネット回線を準備している方も多いですが、会場ではそれらの接続が悪い場合、会場に予め用意されたネット環境に頼る場合も多いでしょう。

さて、そのネット環境が...「有線」か「無線」かは、登壇者もスタッフ側も案外確認を怠ってしまうものです。

登壇台にペロンと出てるLANケーブル...「オレのMac、有線繋げられないんだけど!無線じゃないの!?Ethernetアダプタ持ってきてないよ!」はたまた、「えっ!会場全部無線なの?!オレのPC、有線でしか繋げられないんだけど!」

ネット環境が「有線」か「無線」かを事前に周知してなかった為の悲劇です。会場に確認して、確りと登壇者に伝えましょう。

ただ、伝えてあっても起こりうるこの事態への予防策として、万が一ネット環境に接続できなかった(ネットは繋がるけれど、プロジェクターへ繋げられない、という場合もあり得ます)場合に、登壇者に貸し出しできるように、「会場のネット環境に接続でき、PowerPoint・Keynote・Acrobat Reader が入っているPC」の用意をしておくと安心です。登壇資料のプレゼンファイルのやりとりをする為の、USBメモリーなども用意しておくと尚安全です。

当日の入り時間・事前テスト

「登壇◯時間前に会場に到着」でいいのか、「イベント開催◯時間前に到着」でいいのかを決定してお知らせしましょう。

サービス精神に溢れた登壇者達は、ギリギリまで資料の内容などを調整したいものです。特にイベント後半の登壇者などは待ち時間が長いですし、登壇者専用の待合室や席が用意されていることもお伝えすると良いでしょう。

事前に接続テストやデモテスト、発表のテストなどをしたい登壇者もいらっしゃいます。事前にテストが可能な場合は「当日(あるいは前日)イベント開場前にテストできる時間」を伝えましょう。

登壇者の発表への反響・評判

イベント終了後、登壇者が一番知りたいことって、最終的にはこれではないでしょうか。自分の登壇内容が、参加者にどのように受け取られたのか、知りたいものです。アンケートを集計したら、なるはやで登壇者の方々にお知らせしましょう。

その際「悪い意見は入れない方がいいのかな......」とは考えなくてOK。そういった意見も含めて良かったのか悪かったのかを知り、悪かったのであれば次に活かしたいとファイトに溢れるのが登壇者です。

あわせて、イベント全体の反響や最終的な参加者数や参加者層についても、申し添えておくとよいでしょう。

2015-06-03-1433310178-4499389-20150603_sixapart_03.jpg

イベント運営をスムーズにするために、登壇者に伝えること

これまでの「登壇者が知りたいことに応える」の項目はイベントに登壇するために、登壇者が「知りたい」情報をまとめてきました。ここからは、「意外に登壇者も見落としがちなこと」、「登壇者側からはアクションしがたい話」、「イベントを円滑に進めるコツ」の3点をお伝えしましょう。

プロジェクター?