ダメ写真使ってない?オウンドメディアのための、撮影・素材活用・セレクトのコツ

写真を選ぶ「選球眼」の養い方

こんにちは、Six Apart ブログ編集長&オウンドメディア勉強会主催のことぶきです。

オウンドメディア勉強会は、オウンドメディア運営者同士で学び合うグループです。主な活動内容は、Facebookグループ上での情報交換と、毎月1回メンバーのオフィスをお借りして開催している50名程が集まる勉強会の2つになります。

この記事では、9月にSpeee社のラウンジをお借りして開催した第34回オウンドメディア勉強会「ダメ写真使ってない?オウンドメディアのための、撮影・素材活用・セレクトのコツ」の勉強会の内容をご紹介します。

OGP画像としてアイキャッチにも、コンテンツの一部としても、オウンドメディアの記事作りに写真は欠かせません。第34回の勉強会では「写真」をテーマに、4名の方にオウンドメディア記事用の写真の使いどころ・撮影依頼テク・加工のTIPS・そもそも写真の価値って?まで、さまざまな知見を語っていただきました。

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アイティメディア TechFactory編集部 プロデューサー 渡邊 宏さん

トップバッターとして「コンテンツに求められる写真考」と題した発表を行ったのは、アイティメディア TechFactory編集部プロデューサーの渡邊 宏さんです。商業メディアならではの記事作り経験をベースに、コンテンツにとっての写真の価値について語っていただきました。

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渡邊さんの発表からの学びは、写真を選ぶ「選球眼」の養い方です。自分で撮影するにせよ、カメラマンに依頼するにせよ、どんな写真がアリでどんな写真はナシなのかを判断できないといけません。

選球眼を養うには、良い写真と悪い写真を実際に見てみるのが一番です。渡邊さんからは、実際にメディアに掲載された写真の中で不要なものが写っていたり水平がとれていないものなど、リアルなダメ写真事例を紹介してもらいました。逆に良い写真とは何かというと、「適切な技法が用いられた、意図のある写真」とのこと。つまりブレや露出違いや色ズレがなく、的確な構図で何を見せたいかがはっきりしている写真だそうです。良い写真・悪い写真の事例を多数紹介くださり、選球眼を養うのにもってこいな発表でした。

TABIPPO.net 前田 塁さん

続いて登壇したのは、月間300万PV突破したトラベルメディア「TABIPPO.net」の編集長&旅人の前田さんです。「5000記事作って考えた 良い写真・悪い写真」と題した発表です。

そもそも今回の勉強会は「コンテンツにとって、写真は重要である」ということを前提に企画したのですが、前田さんの話はその考えを覆すものでした。旅メディアなのに、写真が重要でないものもあるってどういうことでしょう。

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前田さんは「アイキャッチ写真が重要な記事とそれほど重要でない記事が存在します」と言います。それほどアイキャッチ画像が重要でない記事の例のひとつは、SEO目的の記事。なるほど、たしかに、検索結果にはアイキャッチ画像は表示されませんね。

逆に、TABIPPO.net にとって良い記事、つまりRTやシェアが多い記事にとっての写真はどうだったかというと次の3つの傾向があるそうです。その3つとは「写真に奥行き・深みがある」「ロゴや文字入れをして加工した画像」「生々しくリアルな美女(女優のようなキラッキラ美女ではなく、親近感ある雰囲気の方)」。

実際にそれらの写真でヒットした記事の例をご紹介いただいたのですが、振り返ってみると写真が良いからというよりも、そもそも記事の企画が良かったものかもしれないというお話でした。確かにそうかもしれない。良いアイキャッチ画像を求めるのではなく、良い企画を作ろうとの結論に納得でした。

山下 智晃さん

山下さんからは「メディアへのエンジニアカメラマンの引き込み方」と題した発表です。ご自身の、イベント撮影経験に加えて、イベント撮影を中心に活動するカメラマンたちによる勉強会「カンファレンスカメラマンカンファレンス」での学びも共有してくださいました。

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発表タイトルにある「エンジニアカメラマン」とは、カメラ好きのエンジニア社員のこと。山下さんご自身も、まさにエンジニアカメラマンです。

エンジニアがカメラマンに向いている理由は、デジタル写真の画像処理技術や、シャッタースピードや絞りをパラメーター(変数)ととらえて撮影テクを考える点が、エンジニアにはお馴染みのものだから。さらに適切なフィードバックによる撮影技術向上は、エンジニアのこだわりマインドを刺激するそうです。

エンジニアにとっても社内イベントの撮影に協力することで、社内外のコネクションができたり、息抜きになったり、せっかくの良い機材の活躍の場ができたりと、さまざまなメリットがあるそう。彼らに気持ちよく協力してもらうためにも、頼む側はそのエンジニアの上司への根回しや、当日任せきりにせずどんな写真が必要かを一緒に考え、本職ではない撮影の仕事を彼らの義務にしないことも大事です。そして、彼らの撮影した良い写真は存分に利用していきましょう、というお話でした。

ヌーラボブログ 井上 美穂さん

最後に、「B2Bサービスのオウンドメディア運営者が語るアイキャッチ画像の作り方」と題して発表してくださったのは、ヌーラボのコンテンツマーケティングマネージャーの井上さんです。

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営業担当者がいないヌーラボ社にとって「ヌーラボブログ」は会社ニュースや製品情報の発信などの情報提供場所として欠かせません。ユーザーが頻繁に接するヌーラボブログは、いわばヌーラボの顔です。アイキャッチ画像もそれを前提に会社・製品のブランドカラーに統一し、外部素材は使わず制作しているそうです。

機能リリースの記事については、製品ロゴのみのシンプルなキャッチ画像を利用し、大規模アップデートの時は別途キャッチ画像を作る。イベントレポート記事は集合写真に統一し写っている参加者のSNS拡散を期待、技術解説記事はライセンスを確認の上その技術のロゴを使うそうです。画像に載せる文字は、できるだけフォントを指定し、全体の統一感を出すようにしています。

今後の課題としては、アイキャッチ画像の違いによるクリック率を調査するABテストをしてみたいそうです。SNSで拡散される際に2パターン作ってテストとかできるといいですね。何か良いアイデアがある方は、Six Apart ブログまで教えていただけると嬉しいです。井上さんにお伝えします。もしかしたら記事にします!

おまけ

記事冒頭のイベントの全景写真は、山下さん撮影の写真を提供いただきました。この下の集合写真は、山下さんカメラをその場でお借りして、アミケンさんが撮影したものになります。くっきり明るくゆがみのない、素晴らしいクオリティのイベント写真、さすがです。山下さん、ありがとうございました。スピーカーの写真は運営側の撮影なのでイマイチな写りですみません。精進します!

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ちなみにオウンドメディア勉強会では、このような集合写真撮影時に使うかけ言葉を決めています。それは「おうんどめでぃ"あ〜"」と言いながら手をパーに広げて"あ〜"のところで、シャッターを押す、というもの。口が開くので、にこやかな表情の良い雰囲気の写真になるので、続けています。

他のイベントでも、イベントの頭文字をみんなに指で表現してもらって撮ったりといろいろ工夫されているのを見ますね。集合写真撮影の際には、ただ並んでにっこりだけではなく、みんなにポーズを撮ってもらうなどの工夫をしてみるのも良いかと思います。

ご参加いただいた皆さま、会場提供のSpeee社の皆さま、ありがとうございました!

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